2016年4月9日

『アメリカで小さいのに偉大だ!といわれる企業の、シンプルで強い戦略』 石塚しのぶ・著 vol.4281

【コア・バリュー経営の実践】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569830102

最近、長く勤めているスタッフが成長したこと、インターン生がやる気にあふれていることから、仕事を大幅に任せることにしています。

既にいくつか、土井抜きで成功したイベントもあり、これは今後、エリエスの飛躍に大いに貢献すると思っています。

これまでと違ったのは何かというと、「コア・バリュー」をきちんと伝えて、何をすべきか伝えるようにしたということでしょうか。

それと、損得抜きでスタッフが成長すること、お客様に貢献するために必要なことをやるように心掛けています。

というのは、インターンというのはコア・バリューと自己成長の可能性なしには働いてくれないからです。

エリエスの場合、たまたまでしたが、どうやらこのコア・バリューを中心とした経営は今トレンドらしく、本日ご紹介する一冊は、まさにこの潮流について書いています。

驚くほど丁寧なカスタマーサービスで知られるネット通販会社のザッポス、倒産危機でもレイオフなしで事業規模を3倍にしたホテル、ジョワ・ド・ヴィーヴル、業界平均の4分の1の離職率を実現するピザ屋、ニックス・ピザ・アンド・パブなど、さまざまな優良企業が事例で登場し、じつに勉強になりました。

このコア・バリュー経営の実践を解説してくれるのが、『ザッポスの奇跡』で知られる著者の石塚しのぶさんです。

石塚さんは、カリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を持ち、米国ビジネスの革新事例研究を得意とする方です。

どんな学びがあるのか、さっそくチェックしてみましょう。

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なぜ今、「規模を追わず、偉大さを追求する企業に強みがある」のでしょうか? それは、「お客様のロイヤルティ(忠誠心)」にとって、価格より何より、「信頼できる会社か」「応援したくなるような会社か」ということが、今までにも増して重要になってきているからです

ザッポスのオペレーターたちが他社と違うのは、「顧客を知る」機会に常に耳を澄ましていることです。たとえば、電話越しに犬の吠える声が聞こえたら、「犬を飼っているんですね。どんな犬ですか?」と聞きます。赤ん坊の泣き声が聞こえたら、「おいくつですか?」と聞くかもしれません。ムダ話のように聞こえるかもしれませんが、ザッポスにとっては「顧客を知るため」「顧客とつながるため」に欠くことのできない重要な会話なのです

ザッポスのコンタクトセンターでは、オペレーターが、顧客の要望に対応するすべての権限をもっています。しかもそれは長年勤めているベテランだけではなく、昨日入社したばかりの人も同じです。返品も返金も、クーポンの発行も、自分の判断で行うことができます。問題が起こった場合に限りません。嬉しいことや悲しいこと、顧客の事情を聞いて、「何かしてあげたい」と思ったら、その気持ちを行動に移すことができるのです

ベリル・ヘルスの「決断の日」は、従業員の「意思」を尊重し、従業員自身の決断に委ねることで解雇に尊厳をもたらすものです。「辞めさせられる」のではなく、「辞める」こと。そして再度挑戦することを自ら「選ぶ」ことには大きな意味があります。「決断の日」を経て辞職する従業員はおよそ30%。残りの70%は「生まれ変わる覚悟」で会社に戻っていくるといいます

ソーシャルの時代とは、社会だけではなく、市場までもが「生活者中心」になることを意味しています

中央タクシーは、会社の憲章の中で、「長野県民・新潟県民の生活にとって必要不可欠な存在」であると謳い、それを徹底して貫いています。たとえば、お年寄りや身体の不自由な人のために、たとえ300メートルという短距離でも喜んで車を走らせたり、雨の日にはお客様に傘をさしたり、重い荷物を運んだりといった、一見、損になるのではないかという行動を厭いません

◆会社に「誇り」をもてる三つの条件
1.「個性」または、「アイデンティティ」がはっきりしている組織
2.会社の社会的使命が明確になっていること
3.組織としての「一体感」と「仲間意識」にあふれる会社

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事例のなかには、日本の「小さな偉大企業」も含まれており、たとえば長野県の中央タクシーは、長野県の交通弱者のために徹底してその理念を貫いており、深く感銘を受けました。

「子供が挟まれても痛くない自動ドア」をヒットさせた日本自動ドアの事例も、興味深く読ませていただきました。

さまざまな事例に心打たれるとともに、バリュー経営の実践について、深く考えさせられる本です。

これはぜひ、読んでおきたい一冊です。

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『アメリカで小さいのに偉大だ!といわれる企業の、シンプルで強い戦略』石塚しのぶ・著 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569830102

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◆目次◆

第1章 アメリカの小さな巨人たち
第2章 偉大な企業の共通項、コア・バリューとは何か
第3章 スモール・ジャイアンツを目指す──偉大な会社になろう
第4章 コア・バリュー経営のメリットと戦略的企業文化
第5章 実践! コア・バリュー経営
終章 「偉大な企業」への道

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