2015年7月31日

『社内プレゼンの資料作成術』前田鎌利・著 vol.4028

【これはすごいわ…。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478061521

高校時代、最も熱心に読んだ受験参考書は、「小論文の神様」樋口裕一先生の『ぶっつけ小論文』でした。

※参考:『ぶっつけ小論文』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4578013162

ゆうに20年以上売れ続けている本書のウリは、「型通り書けば、誰でも点数の取れる小論文が書ける」。

事実、土井はこの本で小論文対策をし、模試で全国トップ、試験本番では慶應義塾大学の総合政策学部と文学部に合格しました。(いま流行の『ビリギャル』の手法のはしりです)

このように、世の中には優れた「型」というものが存在し、その通りやれば、一定の成果を上げられるもの。

と、前ふりをした上でご紹介したいのが、まれに見る好著、『社内プレゼンの資料作成術』です。

著者の前田鎌利(まえだ・かまり)さんは、ソフトバンクの孫正義社長の後継者育成機関「ソフトバンクアカデミア」第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得したプレゼンの達人。

その優れたプレゼンノウハウを活用すると、プレゼンの採択率が上がり、社内の意思決定が速くなると評判の方です。

『経営は実行』とはよく言ったものですが、ある程度の規模の企業になると、実行の速さとはつまりそれ以前の決定や根回しの速さと言っていいかもしれません。

※参考:『経営は実行』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453231657X

そういう意味で、本書は単なるプレゼン本ではなく、企業の効率を著しくアップさせる、そんなポテンシャルを持つ一冊です。

本書の優れた点は、いわゆるTED本やジョブズ本ではなく、あくまで社内プレゼンに絞って書かれていること。

著者も「はじめに」で述べているように、「ジョブズを生半可にマネても、かえって決裁者の心証を害するのがオチ」なのです。

では、社内プレゼンではどんなことに気をつけたらいいのか?

著者によるとそのポイントは2つ。「シンプルであること。そしてロジカルであること」。この2つです。

本書では、すべてのビジネスパーソンが守るべき社内プレゼンの「型」そしてプレゼン資料の作り方を提案しています。

(1)課題→(2)原因→(3)解決策→(4)効果

の4つのポイントを順番に述べ、説得力ある資料を作れば、プレゼンは確実に通る、というのが著者の主張です。

資料に関しても、

(1)表紙
(2)ブリッジ・スライド
(3)本編スライド
(4)アペンディックス(別添資料)

の「4つのパーツ」で作ることを提案しており、こちらも型通りでOK。

これだけでも買う価値がありますが、さらにすごいのは、着実に決裁に持っていく、著者の戦略的思考。

ここまで考えて作られた社内資料は、正直初めて拝見しました。

一応、エッセンスを紹介しておきますが、もうこれは「買い」でいいと思います。

まだ決めかねている人のために、いくつかポイントをご紹介しましょう。

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スライドは「5~9枚」でまとめる

本編スライドは、大きく「現状報告」と「提案」の2つのパーツに

テーマを小分けにして、1つひとつ決裁を積み上げることで、着実に「陣地」を広げる戦略が重要なのです

2案を示したほうが「採択率」は上がる!

2案を提案するときには、必ず、方向性は同じだけど細部に違いのある案を提示してください。新商品のテスト販売を行いたいという提案であれば、販売店舗数の「多い」「少ない」の2案を提示する。テスト販売期間の「長い」「短い」の2案を提示する。テスト販売を行うだけの案と、テスト販売にプラスして新しい販促活動も行う案の2案を提示する。このように、大筋は変わらない2案を提案するのがベストです。そうしておけば、万一、2案とも否決され、再提案する必要が生じても、「テスト販売を行う」ことは承認されるケースが多いでしょう

◆社内プレゼンで絶対に押さえるべき「3つのポイント」
1.「本当に利益を出すのか?」という財務的視点
→必ず押さえなければならないのは、「コスト」と「売上・収益予測」
→決裁者から「コストの計算根拠は?」と質問されたときに、アペンディックスを示しながら説明するとともに、「管理部門にも確認していただいた数字です」と言い添えれば完璧
2.「現場でうまく回るのか?」という実現可能性
3.「経営理念」に合致した提案であるか?

キーメッセージはスライド中央より「やや上」に置く

ポジティブ・メッセージは「青」、ネガティブ・メッセージは「赤」

事業フローはグラデーションで示す

グラフは「左」、メッセージは「右」

「逆L字」で目線を誘導する

折れ線グラフは「角度」をつける

決裁者や参加者にとっては、「確認したい点」や「補足説明を求めたい点」などが出てくるのが当然。その問いかけに適切に応えられるように、本編から落としたデータはすべてアペンディックスとして資料化し、いつでも取り出せるように準備しておく

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いかがでしょう? きっと買いたくなったことと思います。

本書にはここまで述べた内容以外に、豊富なビジュアル資料が付いており、こちらを一目見ただけで、著者の資料作りのすごさがわかると思います。

専門家が多いジャンルであり、本書も揶揄される可能性はあると思いますが、ここまで本質を突いた、ムダのない資料作成法には、滅多にお目にかかれないと思います。

ただのマニュアルなのに、ここまで興奮させられるとは。みなさんも、ぜひ買って読んでみてください。

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『社内プレゼンの資料作成術』前田鎌利・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478061521

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◆目次◆

第1章 プレゼン資料は「シンプル&ロジカル」でなければならない
第2章 プレゼン資料を「読ませて」はならない
第3章 グラフは「一瞬」で理解できるように加工する
第4章 決裁者の理解を助ける「ビジュアル」だけ使用する
第5章 100%の「説得力」をもつ資料に磨き上げる
第6章 プレゼン本番は資料に沿って話すだけ 

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