2015年5月23日

『アリババの野望』王利芬、李翔・著 vol.3959

【ジャック・マー初の公認本、出た!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041027462

誤解を恐れずに言わせていただくと、なぜこの国には、もっと起業家を目指す人が増えないんだろうかと不思議に思います。

なぜなら、起業家というのは本来、社会を良くしようとする人、社会の問題を解決しようとする人のことを指す言葉だから。

現状を維持することは大事。人の夢を支えることも大事。でも立場はどうあれ、心のなかの「起業家精神」は、すべての人が持っていて良いと思うのです。

かつて、明治の大富豪と呼ばれた本多静六氏は、貧しい学者ながら、信念を持って蓄財に励み、荒れ果てていた秩父の山林を救いたい思いから大胆な投資を手掛け、40歳にして100億円あまりの資産を築きました。

そして本日ご紹介する本の主人公、アリババ創業者のジャック・マーも、いち教師から身を立て、中国でもっとも成功した起業家となるに至っています。

昨日ご紹介した、『投資は「きれいごと」で成功する』に、<信頼があるから「逆張り」ができる>という言葉がありましたが、人生を賭けて大胆な投資をしようと思ったら、そこに愛や信頼、信念、知的好奇心など、何か非合理的なものがなければできません。

※参考:『投資は「きれいごと」で成功する』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478064857

どうしたら快適な生活を捨てて、独立・起業できるのか?どうしたら安定収入を捨てて、別事業を手掛けられるのか?どうしたら破産のリスクを超えて、大胆な投資ができるのか?

これらを学びたければ、偉大なる起業家・投資家の本を読むのが近道。

そこで本日ご紹介したいのが、この『アリババの野望──世界最大級の「ITの巨人」ジャック・マーの見る未来』です。

著者は、ジャック・マーとともに中国で最も影響力のある起業番組「中国で勝て」を制作した王利芬(WANG LIFEN)氏と、ジャック・マーがもっとも信頼する記者の一人、李翔(LI XIANG)氏。

そのため、本書はジャック・マー初の公認本となっています。

中身は、アリババのこれまでと、ジャック・マーの経営哲学、名言。

なかでも、事業に対する見通しの的確さと不屈の精神、関係者を熱狂させる話術には、注目したいところです。

いくつか、ポイントを見て行きましょう。

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「理想があれば、あとは、誓いがあればいい。自分自身に、必ずやってやると誓うこと」

「理想を現実と照らし合わせたときに、これも足りない、あれも足りない、さてどうしよう? と困ってしまう起業家はいっぱいいる。だけどぼくは、起業家はそういう足りないものを創り出せるようにならなければいけないと思う」

◆ジャック・マーが悟り、胸に深く刻んだ起業に関する5つの知恵
1.正しい分野で起業する
2.四、五人しかいない小さな会社だとしても、管理や制度を作ることは大切である。
3.資本に会社をコントロールされてはいけない
4.チームが同じ理念や同じ目標を持たない場合、そのチームは分裂する
5.株主が国であるときに、どういうことが起きるかを直で知った

「投資家を探すのは妻を探すより骨が折れる。外見が良いだけでなく、楽なときも苦しいときも共に過ごしてくれる人を注意深く探さなければならない」

「『ではあなたたちはお金以外に私たちに何をもたらしてくれるのか』と聞く。もし答えられないようならば、その投資は断るってわけだ」

「起業するときはスター選手をかき集めようとしてはだめだ。成功したことのある人と共に起業してはならない。起業をするときは、まだ成功したことがなく、成功を渇望して、同じ理想を持てる平凡な人たちと夢のチームを作るべきなんだ」

「企業を長期的に発展させたいならば、社会問題の解決に努めなければならない。ある企業が偉大かどうか見極めるには、そこがいくら収益を出しているかではなく、社会問題を解決しているかどうかを見るべきなのだ」

「eBayは大海のサメで、私は揚子江のワニ。海で闘えば負けるが、もし川で闘うのなら勝てる」

「良いビジネスマンは彼の夢がどれだけ大きいかということで決まるのではなく、その夢に独自性があるかどうかで決まる」

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起業のツボを見事に押さえ、かつエンターテインメント性も高い一冊です。

巻末にある、「ジャック・マー講演──若者と向き合って」もとても良いので、ぜひ買って読んでみてください。

おすすめの一冊です!

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『アリババの野望』王利芬、李翔・著 角川書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041027462

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◆目次◆

序 ジャック・マーは私の起業に最も影響を与えた人だった
第一節 一九九二年、最初の起業──海博翻訳社
第二節 「中国イエローページ」の成功と失敗
第三節 一九九七年一二月、体外貿易経済合作部にて
第四節 一九九九年一月、「湖畔花園」でアリババを設立する
第五節 一九九九年、蔡崇信のアリババ加入
第六節 一九九九年一〇月、一度目の資金調達──ゴールドマンサックス
第七節 二〇〇〇年一月、ソフトバンク孫正義からの投資
第八節 二〇〇〇年、初めての危機、そしてリストラ
第九節 二〇〇〇年九月、西湖論剣、企業文化の形成
第一〇節 二〇〇〇年一〇月、中国企業向け「ゴールドサプライヤー」
第一一節 二〇〇三年五月一〇日、「湖畔花園」に戻りタオバオを創設
第一二節 二〇〇三年~二〇〇六年、eBayとの決戦
第一三節 二〇〇三年、アリペイを開設する
第一四節 二〇〇四年六月、網商大会
第一五節 二〇〇五年、アリババがジェリー・ヤンのヤフーと提携する
第一六節 二〇〇六年、「中国で勝て」の審査委員を務める
第一七節 二〇〇七年一一月、アリババドットコム上場
第一八節 二〇〇八年、アリババクラウドを作る
第一九節 二〇〇九年、「双十一」セールを開始する
第二〇節 二〇一〇年、アリペイの国内資本化、VIE事件、アリペイをバラす
第二一節 二〇一〇年、一〇二年つづく文化と価値体系を目指すパートナー制度
第二二節 二〇一一年二月、腐敗撲滅には信用で
第二三節 二〇一一年六月、タオバオは一から三、三から七、七から二五に
第二四節 二〇一三年五月、物流事業、「菜鳥」を始める
第二五節 二〇一三年六月、余額宝の誕生
第二六節 二〇一四年、ITからDTへ、アリババのモバイル戦略
第二七節 二〇一四年九月、米国株式市場上場

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