2008年2月24日

『ソニーをダメにした「普通」という病』横田宏信・著

【普通病が組織をダメにする?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777108635

本日の一冊は、末端のソニーマンとして13年間働き、その後、経
営コンサルタントとして活躍している著者が、凋落したソニーを題
材に、組織を蝕む病と、それにどう対処すべきかを述べた注目の一冊。

故・盛田昭夫氏の入社式のスピーチをはじめ、バッテリー過熱問題、
ウォークマン開発秘話など、さまざまなトピックを題材に、黄金時
代のソニーと現在のソニーの違いを論じています。

カリスマ経営者の言葉で語られたソニーと現状のソニーが、なぜこ
んなに違ってしまったのか。なぜiPodは、ソニーではなくアップル
によって作られたのか。本書は、まさにその点に切り込んでいます。

歯に衣着せぬ物言いが時折鼻につくことはありますが、概ね楽しく
読み進められると思います。

自分の会社を活性化するヒントとして、また組織やチームに対する
洞察を深める上で、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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本来ソニーでは、「会社のため」に働くなんてあり得ない。ソニー
という会社を通じて「社会のため」に働くのだ。それこそが、働く
個人にとっての社会的な自己実現の道であり、この上なく楽しいもの

「内輪の論理」こそが、「過去の成功体験への固執」を許し、「マ
ーケティングの失敗」を招いた

ただ自分と他人の人生を浪費しないことさえ心掛ければ、個人と企
業は最大限の社会貢献を行なえるようになる

確かに世界初ではあるけれども、間違いなく世界最後になるような
「個人の趣味」の業務プロセスを「ソニー流」と称して構築しよう
とするのが、最近の「ソニー流」

企業は、安価で高学歴な人材をネット経由で世界中からいくらでも
調達できるようになる

私は、最近のソニーから世界が驚くようなヒット商品が出ない主な
要因に、社内の「使用価値」軽視があると踏んでいる

その構成メンバーの多くがI字型人間で占められる場合、特に組織
の長がI字型人間である場合に、組織はI字型化する。つまり、組
織の縦割り化だ

良からぬものは、現場から遠いところで生まれて育つ

「仕事の見返りは、仕事そのものの楽しさ」であるとして、昔のソ
ニーでは、次のような台詞が飛び交っていた。「管理職になんかな
るもんじゃない、仕事が楽しくなくなる」「あんまり金、金って言
うな。カッコ悪い」

「人を活かす」ことこそが、「お金を活かす」ための唯一の道なの
だ。この単純明快なるビジネスの原理に則り、投資家は「お金を活
かす」ことを狙って経営者にお金を付託し、経営者は「人を活かす」
ことに注力する。これが、投資家と経営者の原理的な役割分担である

多くの大企業が、決して経営の主要な成功要因として取り上げるこ
とはなかったとしても、お局さんの多大な恩恵を受けてきたはず

多角化は、総じて本社や経営者の投資会社化を招く

優れた経営者は、「説明」ではなく「メッセージ」で勝負する

大切なのは、顧客の収益の源泉がとこにあるか、である。それは
「顧客の顧客」に他ならない

そもそも客と直接接する現場であるコールセンターは、間接部門な
んかではなく、安易なコストダウンは厳に慎むべき部門であって、
最もアウトソースしてはならない部門の1つである

管理職に部屋を持たせないのは、誤りである(中略)管理職が部下
たちと机を並べる環境は、マイクロマネジメントの土壌にもなる

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『ソニーをダメにした「普通」という病』横田宏信・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777108635
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◆目次◆

まえがき
第1章 日本企業型「普通病」に蝕まれたソニー
第2章 国際企業型「普通病」に蝕まれたソニー
第3章 大企業型「普通病」に蝕まれたソニー
第4章 世間を蝕む「普通病」
第5章 それでも残る「普通」じゃないソニースピリット
あとがき

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