【「共創」時代のビジネスヒント】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883353346
以前にも同様のことを書きましたが、本気で経営をやろうと思った時、勉強になるのはやはり他社事例です。それも、異業種から学ぶのが、何といっても効果的です。
異業種がやっていることを、アナロジーとして自分の業界、ビジネスに応用してみる。それでうまくいったビジネスは、枚挙に暇がありません。
本日ご紹介する一冊は、楽天の初代ECコンサルタント9人のうちの1人で、現在、楽天大学学長を務める仲山進也氏による、ビジネス事例集。
「共創」時代のコラボレーション事例として、13の事例を挙げており、これがじつに勉強になります。
創立13周年企画として、ショーコラ13万個の記念セールを開催。ショーコラ1個につき1円を学校建設プロジェクトへまわすチャリティー企画にしたところ、なんと13万個が3日間で完売したという、横浜チョコレートのバニラビーンズの事例、南三陸町の「手元に届かない花火玉」2000万円分が5日間で完売した事例、試作品だけのカメラバッグ量産化プロジェクトに、655万円もの支援が集まった事例など、興味深い事例がてんこ盛りです。
さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
———————————————–
「お客さん×自社」や「仕入先×自社」「同業他社×自社」「異業種他社×自社」、さらに「NPO×企業」「行政×企業」「学生×企業」のような異質なもの同士の組み合わせで化学反応を起こせると、自然な形で新たな独自の価値を生み出せたことになります
地方の商店街が廃れていったり、勢いのあったネットショップが数年で消えていったりする大きな原因の一つに、この「選ばれていた価値の変遷に気づかなかったこと」がある
「選ばれる理由」としての価値というのは、「ほかとの違い」にしかない
お客さんからみて重要な「違い」が伝わりやすく表現できているか、という視点で価値創造・価値伝達のデザインをする
・モノ・値段(Product,Price)から【コンテンツ(Content)】へ
・販促(Promotion)から【対話(Communication)】へ
・売り場(Place)から【遊び場(Community)】へ
<「好き」のこもった、深く、濃いコンテンツを常軌を逸して発信し続けろ。「熱」は伝わる!>
・忙しい人(Business Person)から【遊ぶ人(Player)】へ
・競合・顧客(Competitor,Customer)から【チームメイト(Partner)】へ
・計画(Plan)から【面白いこと(Project)】へ
・管理統制(Management control)から【哲学・理念・ビジョン(Philosophy)】へ
◆横浜チョコレートのバニラビーンズ
2013年10月の創立13周年企画として「美味しい笑顔13万回プロジェクト」という、ショーコラ13万個の記念セールを開催。ショーコラ1個につき1円を学校建設プロジェクトへまわすチャリティー企画にしたところ、なんと13万個が3日間で完売しました
◆震災後の南三陸町の「こども夢花火」 手元に届かない花火玉2000万円分の花火が5日間で完売。購入者の合計は1626人
試作品だけのカメラバッグ量産化プロジェクトに、655万円もの支援が集まった
岐阜県の高校生がベーグルの商品企画をして、地元のショッピングセンターのブースで高校生自ら直接販売をしました。その結果、なんと3日間で7000個のベーグルが完売
———————————————–
「共創」の時代と言われてひさしいですが、その具体的なやり方が見えるという意味で、意義のある書籍です。
自社だけでは実現できないチャリティー企画や、これまでアプローチできていなかったターゲットへの訴求も、これなら実現できそうです。
中小企業経営者は、ぜひチェックしていただきたい一冊です。
———————————————–
『あの会社はなぜ「違い」を生み出し続けられるのか』仲山進也・著 宣伝会議
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883353346
————————————————-
◆目次◆
序 章 孤独な競争を強いられる会社
第1章 競争体質から共創体質へ
第2章 共創価値で「違い」を生み出す会社の実践事例
第3章 共創チームのつくり方
第4章 共創のベイビーステップ──お客さんと遊ぶ
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。