【才能研究の大学教授が書く『上達の原則』とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484152061
やりたいことがある場合、なりたいものがある場合、「リバース・エンジニアリング」という手法が効果的です。
これは、ラジオを分解して学び、ラジオを作るように、最終的に実現したいものから逆算して今すべきことを決める考え方です。
起業したいのなら、起業して成功している人を学べばいいし、受験に合格したいのなら、まず過去問を解くことから始める。
書籍というのは、この「リバース・エンジニアリング」にピッタリのメディアのはずなんです、本来は。
BBMでも過去、そんな本を多数ご紹介してきましたが、本日ご紹介する一冊は、おそらく読者の誰にでも当てはまる『上達の原則』を説いた一冊です。
東北大学の大学院で「才能」を研究し続けている北村勝朗教授が、15年かけて見出した『上達の原則』が、過去300人の達人へのインタビュー結果とともにまとめられています。
過去にご紹介した『非才!』を始めとするいわゆる「天才本」と内容がかぶっており、正直、この手の本を読んだ人には既知の内容が多いと思います。
※参考:『非才!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4760138382
ただ、初めて読む方には得るところが多いのと、著者が過去にインタビューした人々の生情報があるのが、本書の特徴です。
さっそく、内容をチェックしてみましょう。
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指導者や親、上司など周囲を巻き込むことが上達の早道
才能や素質の影響は予想以上に小さく、一定期間、必要な練習を積めば、誰でも上達は可能だ
◆質の高い練習の条件
1.やる気が高い
2.明確な目的をもっている
3.何のための学びか理解している
4.科学的根拠に基づいている
5.繰り返し練習・学習している
6.限られた時間の中で集中している
7.心も体も良好なコンディションにある
8.必要に応じて適切なアドバイスを受けられる
9.個人(のレベル)に応じて適切に難度が調整されている
1万時間の練習時間は、「導入期」「専門期」「発展期」という3段階に分けられることがわかった
快体験に触れる導入期を設けないとエキスパートは育ちにくい
◆導入期に大切なこと
1.「楽しくてしょうがない」快体験を実感する
2.自由に何度でも繰り返してやれる
3.結果や成果を評価されない
4.その場を楽しむことに目的が置かれている
5.もっとやりたくなるような仕掛けがある
◆導入期の指導のポイント
1.何かを教えてあげようという姿勢は捨てる
2.「~しちゃダメ」といった禁止事項は極力避ける
3.何かをした結果を評価しない
4.やろうとした過程を見守る
エキスパートを育てたスポーツ指導者に話を聞くと、共通する手法がある。そのやり方の一つが自己選択だ。失敗する機会を与え、機会あるごとに「なぜ」ではなく、「どうすれば」「何ができるか」という具合に選手に問いかける
生まれつきの才能をほめられたグループの70%が簡単なパズルを選んだのに対し、努力をほめられたグループの90%は難しいほうを選択した
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才能を育てるため、指導者がすべきこと/すべきでないことにも言及しており、マネジャー、コーチ、親にとっても、有用な情報が詰まっています。
才能ではなく努力を褒める、「~しちゃダメ」といった禁止事項は極力避けるなど、知っているだけで差がつく情報が満載の一冊です。
ぜひチェックしてみてください。
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『上達の原則』北村勝朗・著 CCCメディアハウス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484152061
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◆目次◆
第1章 上達を邪魔するマイナス思考
第2章 上達のメカニズムを知る
第3章 達人たちに学ぶ上達のヒント
第4章 すぐに使える上達のコツ
第5章 部下の上達を手引きする
特別編 上達Q&A あなたの疑問にズバリ回答!
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