【名門ACミラン・トレーナーが見た、一流選手の思考とは?】
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一流の人と普通の人では一体何が違うのか? というのはビジネス書、自己啓発書でよくあるテーマですが、経験上、本当に違うと断言できます。
たとえば、時間に対する感覚。
一般の人は、時間を「消費」しますが、一流の人は「投資」します。
一般人は時間を切り売りしているから、安くこき使われていると文句を言う。一方、一流の人は、自分の貴重な時間を投資して未来を買っていると考えるのです。
また、一般人はなるべく時間を自分や家族のためだけに使おうとする。でも、一流の人は他人のために時間を使うから、感謝され、やがてそれがリターンにつながるのです。
本日ご紹介する一冊は、一流の思考法を、サッカーの名門・ACミランのメディカル・トレーナーだった著者がまとめた自己啓発書。
先日、『ジョコビッチの生まれ変わる食事』を紹介して、超一流の考え方の違いを紹介したばかりですが、こちらも興味深い一冊です。
※参考:『ジョコビッチの生まれ変わる食事』
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なかでも興味深かったのは、サッカーの試合のほとんどは「だらだら歩く」時間なのに、選手たちはハイパワー系の白筋ばかり鍛えて、ローパワー系の赤筋を鍛えていない、だからスタミナ切れになる、と論じた160ページ。
これは、もともとは著者が敬愛する長崎文彦先生が唱えた説らしいですが、「常識を疑う」ことの大切さを教えてくれるエピソードです。
このように本書には、一流選手の思考がうまくまとめられています。
一流選手は、一体どんな考え方で試合や練習に臨んでいるのか。さっそく、ポイントを見て行きましょう。
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彼らは絶対に「今はダメだ」「自分が間違っている」とは考えません。それどこか、「試合に出られないのは監督とサッカーが合わないから」「怪我をしてしまったらやるべき治療に取り組むだけ」「結果が出ないからといって焦る必要はない」「今まで以上の練習も必要ない」と考えます。なぜなら「もっと努力しなければダメだ」は、これまでの自分を否定することになるからです。結果に振り回されて、ペースを乱すよりも、継続することを大切にしているのです
私がミランで見てきた超一流たちの思考は、とてもシンプルです。「焦らず。毎日コツコツ」それが、超一流の行動学です
大股で1歩進むと、次の2歩目は苦しくなります。2歩目を安定して出すためには、半歩ずつ確実に出したほうがいい
ピンチのときには、がんばってはいけない
チェコ代表だったヤンクロスキーは、シーズンの最初から試合に出られないどころか紅白戦でも使われない状況が続きました。私が見ていても気の毒なほどみじめな扱いをされていましたが、彼は、試合に召集されないときでも気合こそ入っていませんでしたが、きちんと練習を行っていました。このまま契約が切れたら他チームへ移籍かと思っていましたが、彼のポジションである左サイドバックの選手2人が、怪我で出場できなくなってしまいました。すると監督は、今まで目もくれなかったベテランの彼を試合に使ったのでした。ヤンクロスキーはファンの期待を裏切ることなく、7ヶ月の試合ブランクをまったく感じさせずに、完璧な仕事を成し遂げました。しかも、その後は先発に定着
自分の力以上を出そうとしない
得意分野にだけ集中せよ
身体作りは「常識を疑う」ことから始めよ(中略)「走力を上げるためには、速く走るトレーニングをしなければならない」という常識を捨てる必要があります。「だらだら走る」で赤筋も鍛えなければ、サッカーにおける走り負けしない体力を身につけることはできないのです
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このように本書では、ACミランでのエピソードと、選手たちとのやり取りから、一流の思考法を学ぶことができます。
120%を出そうとすると気負いや焦りにつながるから、100%で勝てるように練習する、というのは目からウロコでした。
新書でさらりと読めるので、ぜひチェックしてみてください。
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『一流の逆境力』遠藤友則・著 SBクリエイティブ
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◆目次◆
1章 「結果が出ない」から「努力する」の図式は通用しない
2章 本番に強い選手はココが違う
3章 才能だけでは「成功」にたどりつけない
4章 休むことも仕事のうちである
5章 一人ではできないことを成し遂げるために
終章 キャリアでつまずいたときに心がけること
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