【あと20年でなくなる仕事とは?】
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まだ駆け出しのライターだった24歳の頃、雑誌の世界では、ポジフィルムで写真を、フロッピーディスクで原稿を入稿していました。
当時は、でき上がったポジフィルムをルーベで拡大して選別し、フィルムを切り出し、ダーマトと呼ばれる赤鉛筆を使って指示を書き込むのがライターや編集者の仕事の一部でした。
写真のできが著しく悪い場合は、「再撮」といって、カメラマンに再度撮影に行ってもらうこともありました。
現在は、プロのカメラマンがデジカメで写真を撮って、その場で仕上がりを確認し、フォトショップで修正して、そのまま入稿する時代。
ライターさんも、原稿は当然デジタルで入稿しています。
入稿プロセスは著しく簡素化され、修正作業も随分ラクになりました。
わずか16年の間に、職業の内容や必然性が大きく変わるのを見てきたわけですが、このような変化は、今後も起こるものと思われます。
そう、場合によっては、あなたの現在の仕事、子どもたちの夢の仕事がなくなることもあるのです。
本日ご紹介する一冊は、今後20年で「消える職業」「生まれる仕事」を、テクノロジーに詳しい著者が大胆予測した一冊。
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が書いた話題の論文「雇用の未来──コンピューター化によって仕事は失われるのか」をベースに、今後起こりうる変化と、それによって失われる職業、縮小する作業、生まれてくる仕事に言及しています。
なかでも、職業が変容する要素として一番に挙げられているのが、テクノロジーの進歩、特にAI(人工知能)の進歩です。
本書では、このAIが人間を超える可能性、さまざまな職業の主要部分を担う可能性について言及しており、それによって影響を受ける職業についても、はっきりと触れています。
いくつか、気になった部分を引用してみましょう。
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子供たちの多くは「新しく生まれる仕事」につく
現在存在しない仕事とは、既存業務の細分化によって生まれた仕事か、新しいテクノロジーによって生み出された仕事のどちらかだ
工場では肉体労働、オフィスでは事務労働という区分けそのものが崩壊し、近い将来はAIを支配する職種か、そうではない職種かという区分けが成立するかもしれない。ただ、古代から存在し、未来にも今と変わらず存在するであろう立場の人々もいる。それは労働力を所有し、自分のビジネスや活動を行う人たちだ。古くは王様や貴族で、今だと資本家や経営者と呼ばれる
◆マイケル・A・オズボーンの論文から
コンピューターにとって代わられる確率が高い仕事として挙げられたのは、銀行の融資担当者、スポーツの審判、レストランの案内係、保険の審査担当者、電話オペレーター、レジ係、カジノのディーラー、パラリーガル・弁護士助手、時計修理工、彫刻家、データ入力作業員、簿記・会計監査事務員、映写技師、クレジットアナリスト、義歯制作技術者、建設機器オペレーター、訪問販売員、塗装工……など
“職業”の寿命はどんどん短くなっていく
パイロットは自動運転の“監視役”に
人口面から見てみれば、すでに製造業は日本を支えているわけではない。2012年12月現在で、すでに製造業に携わる人口は1000万人を切っている
「高級な事務職」はいずれ淘汰される
2014年3月、ニューヨーク・ゲノム・センターは、ガン患者に効果的な個別ケアを提供するために、IBMの人工知能「ワトソン」を活用すると発表した。ゲノム医療に限らず、十分な量の情報があれば、AIは患者一人ひとりに今より適切な医療を提供できる可能性がある
人間がやることを期待されている職業もある。スポーツやアート関係の職業だ
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タイトルで謳っている「50の仕事」がわかりにくいのと、既に言われていることが多く含まれているため、多少中だるみしますが、それでも読んでおけば、今後選ぶべき職業や、避けるべき職業が何か、はっきりわかるはずです。
ぜひチェックしてみてください。
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『あと20年でなくなる50の仕事』水野操・著 青春出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413044495
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◆目次◆
第1章 大きく変わろうとしている「職業」の概念
第2章 コンピューターは人を駆逐するのか
第3章 今後20年、コンピューターが徐々に仕事を奪っていく
第4章 中途半端な知的労働者は容赦なく排除される
第5章 時代に合わせて変化しながら生き残る職業
第6章 これから生まれる未知の職業とは──生き残るために必要なこと
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