【これは傑作。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864911991
本日の一冊は、『戦略の経済学』の共著者スコット・シェーファー、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院准教授のマイケル・マッツェオ、スタンフォード大学経営大学院教授のポール・オイヤーが、全米の「小さな会社」を観察し、経営のエッセンスを抽出した一冊。
※参考:『戦略の経済学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478374201
3人のバツイチ男が1台の車に乗り込み、全米の「小さな会社」を巡るという設定で、教授が書いた本ながら、ところどころにユーモアのセンスが光る、じつに楽しいビジネス書です。
小さいながらもなぜか上手く行っている企業がどうやってビジネスを成功させたか、参入障壁を築いたか、といった点が細かく書かれており、これから起業を考える人は、ぜひ読んでおいた方がいいでしょう。
なかでも注目なのは、「経験財」「探索財」「信用財」という分類で、商品ごとのビジネスの性質が示されている部分。
<経験財とは、購入して実際に経験してみなければ、その品質を確かめられない商品を意味する>
<探索財とは、消費者が時間とエネルギーを使って購入前にいろいろと情報を集め、ある程度までは品質を評価できる商品やサービス>
<信用財が割引されている場合には、消費者はなぜその安値でやっていけるのかと不思議に思う>
本書の主張は、<すべての戦略的課題の答えは「場合によりけり」>ということですが、まさに扱うビジネスごとに戦い方が違うことを教えてくれています。
企業規模の大小を問わず、役立つ本ですので、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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高品質な商品を扱っている企業のほうが必ずしも業績がいいとは限らない。例えば、ウォルマートは品質では勝負していない
固定費に対して変動費を低く抑えられる時に、規模の経済が働く。単純な割り算である。生産量が増加しても総固定費が一定であれば、製品一個あたりにかかる固定費を減らせるからだ
単独の矯正歯科医院では経営が成り立たないような小さな町でも、サテライト医院システムを採用すれば、利益を確保できる
◆事業規模を拡大するには
・規模の経済 ・低い変動費 ・充分な需要 ・品質維持と有効な管理
ひとつの店や企業では収益が成り立つが、ふたつの店や企業では収益が成り立たない状態を、“自然独占”と呼ぶ。その典型的な例と言えば、ケーブルTVだろう
埋没費用を抱える企業はその市場に全力を傾ける。撤退も方向転換もなく、その市場に、とことんしがみつく以外に選択肢はない。そしてその覚悟が新規参入者を思いとどまらせる
「どこの銀行も、たいていこんなふうに言うものです。『経費のかさむ八割の顧客がいなかったら、当行はもっと収益がいいのに』」だから、僕はこう考えたわけです。それなら、その八割の顧客を除外すればいいんじゃないか」(バンク・オブ・モンタナCEO トム・スウェンソン)
共通点がないように見える映画とゲームの仕事にも、実際には重要な共通点がある。どちらも“経験財”を扱っていることだ。経験財とは、購入して実際に経験してみなければ、その品質を確かめられない商品を意味する
探索財とは、消費者が時間とエネルギーを使って購入前にいろいろと情報を集め、ある程度までは品質を評価できる商品やサービス
信用財が割引されている場合には、消費者はなぜその安値でやっていけるのかと不思議に思うだろう
最初のハードルとして、リチャードは応募者が直接、履歴書を持参するように求めた。応募する側にとって、これはかなり面倒なはず
時間給であれば、従業員はゆっくり時間をかけて入力するだろう。大急ぎで仕事をこなしても報酬アップにはつながらない。つまり、余分な努力をしたところで、負担になるだけで利益には結びつかない。そこでエリーサは報酬を出来高払い制にした。この方法なら、短時間でより多くの行数をこなす努力が、直接、報酬アップにつながる
グループでのインセンティブ共有は「相互監視」の役割を果たす
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『道端の経営学』マイケル・マッツェオ、ポール・オイヤー、
スコット・シェーファー・著 ヴィレッジ・ブックス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864911991
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◆目次◆
プロローグ 軽い気持ちでドライブに
第1章 事業規模を拡大する
第2章 参入障壁を築く
第3章 商品の差別化を図る
第4章 価格を適切に設定する
第5章 ブランドを管理する
第6章 交渉を有利に進める
第7章 人を雇う
第8章 インセンティブ制を導入する
第9章 権限を委譲する
第10章 大企業と戦う
エピローグ 戦略はそれ自体が動く目標である
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