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本日の一冊は、1970年に発表され、しばらくして空前のベストセラーとなった、リチャード・バックによる自己啓発の名著。
食べることよりも純粋に飛ぶことを愛し、ひたすら自分の理想を追求したカモメ、ジョナサン・リヴィングストンの物語の「完結版」です。
以前の文庫版は、既にBBMでもご紹介しましたが、今回出されたのは、幻の「Part4」を含む、「完全版」。今回も訳は、五木寛之さんが担当しています。
Part1~Part3が、ソニーやホンダの成功物語だとしたら、今回加えられたPart4は、低迷する日本企業で奮闘する若者にエールを送る内容。
ジョナサン・リヴィングストンが伝説となってから進行した、ジョナサンの偶像化と、形骸化した教え。
そこでもがく若者アンソニーの姿が描かれています。
最近、『アナと雪の女王』がブームになったり、『嫌われる勇気』が売れていることからも、人々が同調圧力を逃れ、自分にとって正しいことをしようとしているのが伺えます。
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そういう意味で、この『かもめのジョナサン完成版』のリリースタイミングは完璧ではないでしょうか。
仲間に理解してもらえない悲しみを抱えながら、それでも飛ぶことを追求し続ける主人公ジョナサン・リヴィングストン。
その生き方に、思わず心打たれる感動のストーリーです。
生きていく上で必要な美学、そして身を賭して何かを達成することの意義を教えてくれる、素敵な自己啓発書です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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すべてのカモメにとって、重要なのは飛ぶことではなく、食べることだった。だが、この風変りなカモメ、ジョナサン・リヴィングストンにとって重要なのは、食べることよりも飛ぶことそれ自体だったのだ。その他のどんなことよりも、彼は飛ぶことが好きだった
「骨と羽根だけだって平気だよ、かあさん。ぼくは自分が空でやれる事はなにか、やれない事はなにかってことを知りたいだけなんだ。ただそれだけのことさ」
彼にとってスピードは力だった。スピードは歓びだった。そしてそれは純粋な美ですらあったのだ
われわれは無知から抜け出して自己を向上させることもできるし、知性と特殊技術をそなえた高等生物なのだと自認することも可能なのだ! われわれは自由になれる! いかに飛ぶかを学ぶことができる!
彼のただひとつの悲しみは、孤独ではなく、輝かしい飛行への道が目前にひろがっているのに、そのことを仲間たちが信じようとしなかったことだった。彼らが目をつぶったまま、それを見ようとしなかったことだった
さらに彼は飛行のさまざまな方法を身につけた。そのために払った代価を、彼はすこしも惜しいとは思っていなかった。やがてジョナサンは、カモメの一生があんなに短いのは、退屈と、恐怖と、怒りのせいだということを発見するにいたった。そして、その三つのものが彼の心から消えうせてしまったのち、彼は実に長くて素晴らしい生涯を送ることとなった
「その通りだ、ジョナサン、そんなところなどありはせぬ。天国とは、場所ではない。時間でもない。天国とはすなわち、完全なる境地のことなのだから」
最も高く飛ぶカモメが最も遠くを見通せるのだ
「わたしたちは自由なんだ。好きなところへ行き、ありのままの自分でいていいのさ」
アンソニーは自分の気づいた道を選択した。やがて時とともに、そのような若いカモメが、次第に増えていった。彼らは偉大なジョナサンの名のまわりにある硬直した儀式や儀礼を拒み、日常生活のむなしさに悲しみを覚えながらも、少くとも自らには正直で、いまの自分の日々がむなしいという事実にまっすぐ向き合えるほど勇気があったのだ
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『かもめのジョナサン完成版』リチャード・バック・著 新潮社
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◆目次◆
完成版への序文
Part One
Part Two
Part Three
Part Four
ゾーンからのメッセージ
1974年版あとがき
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