【これは名著だ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061589202
「教養ほど、インスピレーションを得られるものはない」。
ビジネスマンとして言うならば、「教養ほど、儲かるものはない」といったところでしょうか。
梅棹忠夫氏の『情報の文明学』が、情報産業の到来を予言した本だとするならば、ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』は、その先に来る「遊びの時代」のヒントを与えてくれた本でした。(どちらも名著です。読んでないなら、今すぐ買って読みましょう)
※参考:『情報の文明学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122033985/
※参考:『ホモ・ルーデンス』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122000254/
大学時代、この『ホモ・ルーデンス』に影響を受けて、「遊び心のビジネス」という勉強会を立ち上げましたが、今はまさに「遊び」に関するビジネスが花盛り。
スマホゲームが流行り、ゲーミフィケーションなどという言葉まで生まれています。
本日ご紹介する一冊は、この「遊び」について、ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』への批判も加えながら論じられた一冊。
古今東西の「遊び」を類型化し、「遊び」や「社会」がどう進化してきたか、なぜ人が占いやギャンブルにハマるのか、世界にはどんな伝統的な「遊び」があるのか、見事にまとめ上げた力作です。
1958年に出版されながら、いまだ価値を失っていない名著であり、この文庫も1990年から何と31刷(2013年10月10日現在)を重ねています。
教養の力を信じる方は、ぜひ読んでみてください。
コンテンツビジネスや、サービス業に関わる方は、迷わず「買い」の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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遊びにおいては、競争か、偶然か、模擬か、眩暈か、そのいずれかの役割が優位を占めているのである。私はそれを、それぞれアゴン、アレア、ミミクリ、イリンクスと名づける
いわゆる文明への道とは、イリンクスとミミクリとの組合わせの優位をすこしずつ除去し、代わってアゴン=アレアの対、すなわち競争と運の対を社会関係において上位に置くことであると言ってもよかろう
誰もが選ばれた人(当選者)になる可能性があるのだ。ほとんど幻想的ともいえるこうした偶然性はやはり、つまらぬ生活に耐える勇気を、惨めな人びとに与えてくれる
レントゲン技師たちまでが、若い娘(ロイス・コンウェイ嬢、一八歳)を「ミス・スケルトン」に選んだ
第一人者は一人しかいないという単純な理由によって、自分は第一人者にはなれまいと、誰もが知り、誰もがひそかに思っている。だからこそ、仲介人により、すなわち代理により勝利者となる道が選ばれるのだ。これは万人が同時に勝利する。しかも努力も失敗の危険もなしに勝利しうる唯一の道なのだ。現代社会のいちじるしい特徴であるスター信仰、チャンピオン信仰は、ここから由来する
狂乱者はもはや、彼に憑依した神の激情的代弁者とは見なされない。彼を予言者であるとか、病気を癒す力を持つとか、考える者はいない。権威は静謐と理性の問題であり、熱狂の問題ではないというのが、一般の一致した考えである(中略)精神錯乱や群衆の激昂から生ずる混沌状態の威光は、すべて消滅させねばならなかった。これを犠牲にすることにより、「都市」は生まれ、成長しえたのである
遊びは形式そのものであり、それ自体のうちに目的をもつ活動であり、とにかく規則なのだということだけで遵守される規則である。ということに異論をとなえる人はいない。ホイジンガ自身、遊びの内容は二義的なものであると強調している。が、このことは聖なるものにはあてはまらない。聖なるものは逆に内容そのものなのである
遊びは人を憩わせ、くつろがせ、生活から気をそらせ、危険、気苦労、労苦などを忘れさせてくれるのである。逆に聖なるものは、内的緊張の世界である。これにくらべれば、世俗的生活こそ、まさに、くつろがせ、憩わせ、気をまぎらわせるものである。状況は逆転している
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『遊びと人間』ロジェ・カイヨワ・著 講談社
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◆目次◆
第一部
一 定義
二 分類
三 遊びの社会性
四 遊びの堕落
五 遊びを出発点とする社会学のために
第二部
六 遊びの拡大理論
七 模擬と眩暈
八 競争と偶然
九 現代社会への再湧出
補論
一 偶然の遊びの重要性
二 教育学から数学まで
三 遊びと聖なるもの
参考資料
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