2008年7月22日

『ブランド進化論』山田敦郎・著

【企業ブランディングの実例集】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120039528

本日の一冊は、アジアを代表するブランドコンサルティングファーム、グラムコの創業者が書いた、企業ブランディングの実例集です。

シャープやラコステのように、ネガティブイメージから脱却し、成功している企業があったかと思えば、立ち上げから話題を呼んだ蘇州メナード、マンダリンオリエンタル東京なども登場し、じつに多様性のある実例集となっています。

本書を読んでいて気づかされたのは、ブランディングは結局、経営者の思いや理念から始まる、ということ。

冴えないブランドだったシャープを変革し、企業イメージを変えることに成功した町田勝彦CEO、おじさんブランを脱却し、若々しいライフスタイルブランドとして成功したラコステなど、さまざまな企業、経営者の例が載ってますが、結局共通するのは、軸がしっかりないと成功できないということです。

著者がお世話した会社の事例が多く、やや宣伝臭がするのが気になりますが、自社のネットワークを使って取材した中国の事例などは、希少で価値が高いと思います。

商品づくりからサービスづくり、そしてPRまで、いろいろと気づきが得られる一冊です。

自社のブランディングや差別化を真剣に考えている人は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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進化は徐々に起こるものではない。そして、緩やかな成果をもたらすものでもない。ドラスティックに変化するのである

亀山工場がどこにあるのかも知らないのに、妙に説得力がある

「当社は、二〇〇五年までに国内で販売するカラーテレビを、ブラウン管から液晶テレビに置き換えます」町田社長の選択は、ICではなく液晶分野で、キラリと光る存在になることだった。これを聞いた記者たちは、この大胆とも思える発言を重視し、翌日の新聞に大見出し付きで書き立てた。この記事を見た社員は皆びっくりした。ショックを受けたといってもいいだろう。社長の決断、これがシャープのブランド戦略の第一歩だったのである

「メーカーは、世の中にないものをつくってこそ存在価値があります。他に真似されるような商品こそ、ユーザーが望む商品です。いつも人が真似てくれるような商品を出すように心がけていれば、企業は安定して成長していくものです」(創業者 早川徳次)

たいがい、トップシェアのメーカーの製品というのは一番高く買ってもらえるものだ

高齢化する顧客のみを追いかけていくと、当然そのブランドも道連れにされて、あの世に召されてしまうことになる

「リラックスできるエレガンス(優雅・気品)」(ラコステ)

誠実とは自分で語るものじゃない

HSBC香港ではまた、マス富裕層やプライベートバンキングの顧客となる富裕層がゴルフ好きであることに注目した。そこで上海でゴルフトーナメントを開催。あのタイガー・ウッズとプレイできるという特典つきで上位客を招待している

◆ブランドの四条件
・卓抜性 ・広知性 ・伝説性 ・独創性

「私たちのターゲットは、『決定的な人々』であり、私たちが時計を創造をするのはこの決定的な人々のためだ」(フランク・ミュラー シルマケス社長)

ブランドは人と真実で出来ている

中国市場で大事なのは、まず一番目に『ブランド』、これを高めていくことが大事です。そして二番目が『価格維持』ですね

言葉と図版と写真でブランドを描き出し、折に触れ眺められるちょっとしたツールをみんなに携帯してもらう

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『ブランド進化論』山田敦郎・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120039528
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◆目次◆

はじめに
ブランドを変革する
ブランドを創る
ブランドを育てる
ブランドを着床させる
ブランドを伝える
ブランドを分かち合う
おわりに

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