【ドラッカーとマーケ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249638
マーケティングを学び、ドラッカーの著作を読んだことのある人なら誰もが気づくと思いますが、じつはドラッカーの教えは、極めて「マーケティング的」です。
ドラッカーの言葉は、リーダー、マネジャーに考えさせる「問い」や「哲学」であり、それはマネジメントばかりでなく、自社の存在意義や事業ドメインの定義にも関わっているのです。
自社の存在をどう定義するかによって、やるべきことも、やり方も決まってくる。だからこそ、ドラッカーの「問い」は、「マーケティング的」なのです。
本日ご紹介する一冊は、クレアモンド大学院大学で故ピーター・ドラッカーの教えを受けたという著者が、ドラッカーの教えをマーケティングの見地から整理した一冊。
ドラッカーが謳った「起業家的マーケティングの4つのアプローチ」や「人のいない所に打て」戦略、市場調査のルールなど、マーケティングのヒントが満載で、なかなか読み応えがあります。
◆起業家的マーケティングの4つのアプローチ
1.新たな市場ないし産業の支配
2.現在は対応されていない市場の開拓
3.特化された「生態学的ニッチ」を見つけ、占領すること
4.製品や市場、産業の経済的な特徴を変えること
◆「人のいない所に打て」戦略における基本的な方法
1.確立された成功事例を真似しつつも、欠けている材料を満たす創造的な方法でそれを行うこと
2.既に存在しているが成功していない、あるいは少なくともまだ十分に発達していない製品を活用すること
既にある程度マーケティングを学んだ人にとっては、初歩的すぎる内容も含まれていますが、復習のつもりで読めば、役立つと思います。
序文を「マーケティングの神様」ことフィリップ・コトラーが書いており、何とも豪華な一冊です。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆起業家的マーケティングの4つのアプローチ
1.新たな市場ないし産業の支配
2.現在は対応されていない市場の開拓
3.特化された「生態学的ニッチ」を見つけ、占領すること
4.製品や市場、産業の経済的な特徴を変えること
ドラッカーは、この「人のいない所に打て」戦略において、基本的な方法が2つあると考えた。1つ目は、確立された成功事例を真似しつつも、欠けている材料を満たす創造的な方法でそれを行うことだ(中略)もう1つの方法は、既に存在しているが成功していない、あるいは少なくともまだ十分に発達していない製品を活用することだった
並外れたコミットメントを示すことがなぜそんなに特別なのか。人はなぜ、この資質を部下にはっきり示すリーダーについていくのだろうか。心理学者たちは、並外れたコミットメントが劇的な成果を生み出す主な理由を2つ見いだした。
・並外れたコミットメントは目標に価値があり、本当に重要だということを示す
・リーダーが途中でやめないことを示す
重要かつ達成困難な目標が人を動かす
製品は、国が違えば違う動きを見せる
組織は新しいものを創造することに心血を注がねばならないのと同時に、手がけていることをすべて放棄する準備ができていなければならず、それゆえ放棄は、継続的な改善、過去の成功の利用、イノベーションと並んで遂行されなければならない
◆ドラッカーの市場調査のルール ※一部紹介
・製品がまだ市場に出ていないのであれば、市場調査をするな
・専門家の意見には限られた価値しかない
・リスクおよび現実のテストの重要性を理解しなければならない
・製品(あるいはサービス)を定義するのは顧客である
・消費者調査を行う時には何を強調すべきか知っている必要がある
潜在顧客のプロファイルは変化する
「競争が熾烈な21世紀のための重要なマーケティングの教訓のうち、何より重要なのは、顧客を買うことはうまくいかないという教えだ」(ドラッカー)
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『ピーター・ドラッカー マーケターの罪と罰』ウィリアム・A・コーエン・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249638
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◆目次◆
序文 フィリップ・コトラー
序章 ドラッカーと彼独自のマーケティングアプローチ
第1部 マーケティングの支配的地位
第1章 マーケティングの発展をどう捉えるか
第2章 企業の目的は利益を上げることではない
第3章 企業の基本的機能は2つしかない
第4章 ドラッカーのマーケティング観
第5章 マーケティングはリーダーシップである
第2部 イノベーションとは何か
第1章 イノベーションの「7人の母」
第2章 需要サイドのイノベーション
第3章 供給サイドのイノベーション
第4章 起業家的マーケティング
第3部 ドラッカーのマーケティング戦略
第1章 将来を予想する最善の方法
第2章 根本的なマーケティング判断の重要性
第3章 マーケティング戦略策定のための「確実性」
第4章 “放棄”による成功
第5章 マーケティングVS販売
第4部 新製品・サービスの導入
第1章 ドラッカー式市場調査の実践法
第2章 人口動態の変化を利用する
第3章 タイミングこそすべて
第4章 大失敗を避ける方法
第5章 マーティングの「5つの大罪」
第6章 価格を設定する唯一の方法
第5部 ドラッカーのユニークな洞察
第1章 ドラッカーが定義する「品質」
第2章 マーケティングに不可欠な誠実さ
第3章 プロフェッショナリズムの危険
第4章 「顧客の買収」がうまくいかない理由
第5章 ドラッカーとともに未来へ
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