http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448406202X
本日の一冊は、75万部の大ベストセラーとなった『ゾウの時間ネ
ズミの時間』の著書、本川達雄さんが、NHK出版から出ていた、
『時間』を改訂したものです。
情報化社会になって、われわれの日常はますます忙しくなり、高速
の移動手段や、インターネットショップ、24時間営業のお店、宅
配サービスなど、忙しい人のためのサービスが増えていますが、果
たして人々は豊かさを手に入れることができたのでしょうか?
著者によると、「生物では、時間の早さはエネルギー消費量で変わ
ってくる。エネルギーを使えば使うほど時間が早く進む」のだそう
で、現代はまさに「エネルギーを大量に使い時間を早めている」時
代と言えそうです。
本書は、生物学の専門家が書いた「時間」に関する本ですが、その
内容は、現代人が抱える少子高齢化の問題や、ストレスの問題など、
さまざまな問題に深い示唆を与えてくれます。
間違ったシステム(考え方)を採用すると、時として人間はそのシ
ステムの奴隷となる。
時間に対する考え方も、時折見直す必要があるのではないか、と本
書を読んで考えさせられました。
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■ 本日の赤ペンチェック
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生物では、時間の早さはエネルギー消費量で変わってくる。エネル
ギーを使えば使うほど時間が早く進む
エネルギーを大量に使い時間を早めているのが現代
東京ほどの高密度で住んでいる哺乳類は、どの程度の大きさのもの
になるのでしょうか。計算すると体重が六グラム、哺乳類として一
番小さいトガリネズミのサイズです
サイズの小さい動物では心周期は短く、サイズが大きくなるに従っ
て心周期が長くなります
肺だって腸だって筋肉だって、時間はやはり体重の1/4乗にほぼ
比例することが分かってきました
たとえすべての動物に万物共通の時間が流れているとしても、その
時間のもつ意味や、その時間を使っての生き方が、動物ごとに大き
く異なっていても不思議はない
ゾウもハツカネズミも一生の間に心臓は十五億回打ちます。心臓が
十五億回打てばどちらも死を迎えることになるのです
時間をまわるものと見るか直線的なものと見るかは、古来人類がと
ってきた、時間の代表的な二つの見方
結局、変わらずに続くものをデザインしようとすれば、回せばよい
のです。生命は回るデザインをもつことにより、永遠を目指してい
ると言えるのではないでしょうか
ネズミ小屋のなかでゾウなみのエネルギーを使っている、これが日
本人の生活
便利なものを作ればつくるほど社会の時間は速くなり、体の時間と
のギャップもどんどん大きくなっていきます。つまり技術者が努力
すればするほど、私たちはますます不幸になっていく
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『「長生き」が地球を滅ぼす』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448406202X
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■目次■
プロローグ 東京は悲しいところ
第1章 動物の時間
第2章 動物のエネルギー消費
第3章 エネルギー問題を考える
第4章 現代人の時間
第5章 ヒトの寿命・現代人の寿命
第6章 老いを生きるヒント
エピローグ 天国のつくり方
付録
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