2006年6月15日

『ビジョナリーカンパニー【特別編】』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245241

本日の一冊は、土井も『成功読書術』で紹介した名著、『ビジョナ
リーカンパニー2』の幻の付属論文です。

※参考:『成功読書術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777101193

※参考:『ビジョナリーカンパニー2』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822242633

前書きによると、前著『ビジョナリーカンパニー2』は、読者の3
分の1以上が企業セクター以外だったらしく、本書は、社会セクタ
ーのリーダーを対象に書かれています。

前著で示された、偉大な組織の法則をもとに、社会セクターで偉大
になるために求められる考え方を述べており、じつに参考になります。

企業セクターと社会セクターでは、何がどう違い、また共通してい
るのか。目標設定や評価はどうあるべきなのか。

ちょうど現在、雑誌「Newsweek」(6月21日版)でCSR(企業の
社会的責任)を含んだ「世界企業ランキング」が示されていますが、
本書もまた同様に、定性的なものをどう評価するか、という視点が
盛り込まれています。

要点だけが示された簡単な冊子ではありますが、政治家、NPO関
係者、学校関係者、医療関係者などなど、およそ社会のリーダーた
る者すべてに読んでもらいたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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社会セクターで偉大な組織への飛躍を実現するには、もっと企業に
近づけるのが早道だという見方がある。これは、意図は正しいがま
ったく間違った見方であり、拒否しなければならない

規律の文化は企業経営の原則ではない。偉大な組織の原則だ

偉大な組織とは、優れた実績をあげるとともに、長期にわたって際
立った影響を社会に与える組織である。企業の場合、財務実績や株
式運用成績が偉大さをはかる指標として完全に適切である。だが社
会セクターの組織の場合、財務実績によってではなく、組織の使命
に照らして実績を評価しなければならない

実績を数量的にはかることができるかどうかは、実際のところ重要
な問題ではない。重要なのは、成果を確認するために、量的な事実
や質的な事実をしっかりと集めていくことである

偉大さとはそもそも理想を目指す過程なのであって、到着点ではない

第五水準の指導者が第四水準の指導者と違う点は、野心が何よりも
目標、活動、使命、仕事に向けられていて、自分個人には向けられ
ていない

社会セクターでは、不適切な人をバスから降ろすのが企業セクター
よりむずかしい場合があるので、採用の仕組みよりも初期評価の仕
組みの方が重要

重要なのは報酬をどう支払うか(あるいは、いくら支払うか)では
なく、だれに支払うのか(だれがバスに乗っているのか)なのである

針鼠の概念の核心は、長期的に最善の結果を生み出す方法を鮮明に
し、この概念から外れる機会にぶつかったとき、「ありがたいが見
送りたい」という規律をもちつづけることである

これが弾み車の力だ。成功によって支援と熱意が生まれ、それによ
ってさらに大きな成功が生まれ、支援と熱意がさらに生まれる。弾
み車の回転が速くなる。人は成功している動きを支えたいと望むものだ

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『ビジョナリーカンパニー【特別編】』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245241
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■目次■

前書き
偉大な組織への飛躍の法則と社会セクター
企業経営の手法を取り入れても答えにならない理由
第一節 「偉大さ」の定義–経営指標が使えないなかで、偉大さを判断
する
第二節 第五水準のリーダーシップ–分散型組織構造で成功を収める
第三節 最初に人を選ぶ–社会セクターの制約のなかで適切な人をバス
に乗せる
第四節 針鼠の概念–利益動機のないなかで、経済的原動力を見直す
第五節 弾み車を回す–ブランドを構築して勢いをつける
全体的な状況が悪いなかで偉大な実績をあげる
良好な組織から偉大な組織への飛躍の法則–枠組みの要約

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