http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4641090122
本日の一冊は、ロジャーズが提唱した「クライエント中心療法」を
日本に広めたカウンセリング分野の古典的名著です。
いつも紹介している本とは毛色もジャンルも違うのですが、多くの
ビジネスにおいてカウンセリング、コンサルティングが求められて
いる今日、決して無視できない内容です。
以前にご紹介した『ケアの本質』同様、およそ人を「ケアする」立
場にある人なら誰でも持っておきたい心構えが示されています。
※参考:『ケアの本質』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4946509119
土井も日々、著者の方のコンサルティングをしていて思うのですが、
大切なのは、相手の自主性を殺さないこと、そして自分自身が受け
入れて欲しいという欲求の奴隷にならないこと。
同様のことを本書も謳っており、とても身が引き締まる思いがします。
コンサルタント、コーチ、医師、弁護士、会計士、上司…。人をケ
アする立場にある方には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆O・ランクらの考え方にロジャーズが好意を持っていた理由
1.治療における成長の源は患者の積極的な意志にある
2.治療者は治療の管理者ではなく、健康に向かって努力している
患者の支持者である
3.過去の分析をするのでなく、治療関係における患者の自己洞察
や自己受容に焦点をあてる
◆セラピストの4つの特質
1.客観性 2.個人の尊重 3.自己理解 4.心理学的知識
◆はじめて面接室を訪れたクライエントのどんなところに注目すべきか
・クライエントは抑圧されていないか?
・クライエントは自分が現に生きている状況に対抗できるか?
・このクライエントは援助を受け取ることができるか?
・クライエントは家庭の統制から独立しているか?
より興味深い発見は、指示的カウンセラーが自分では非指示的な方
法をとっていると考えているということであった
カウンセラーがクライエントの陳述に対して知的な基盤で応答して
いる限り、クライエントの真の考えや言葉ではなく、カウンセラー
の考えや言葉で問題を決定し解決することになる。一方、カウンセ
ラーがクライエントの陳述の感情に対して注意を払いその要素に応
答するなら、クライエントは深く理解されていると感じて満足を覚
え、さらに進んだ気持を表現するようになり、効果的直接的にクラ
イエントの適応の問題の情動的な根幹へと導いていく
クライエントは、自分の能力と欲求に応じて自分で解答を見出す場
合に満足を覚える
◆クライエント中心療法におけるカウンセラーの態度
1.一人ひとりの人間の持つ重み、そのかけがえのなさをカウンセ
ラーが十分に認識してるかどうか
2.クライエントの自己指示の能力を信頼できるかどうか
首尾一貫性こそが、仮説の検証という意味でも、セラピーを前進させる
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『ロジャーズ クライエント中心療法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4641090122
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■目次■
第1章 ロジャーズの生涯と思想
第2章 非指示的療法
第3章 クライエント中心療法
第4章 ロジャーズのパーソナリティ理論
第5章 クライエント中心療法の研究
第6章 エンカウンター・グループとPCA
第7章 クライエント中心療法の理論的・実践的な展開
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