2006年6月7日

『人が育つ会社をつくる』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312825

本日の一冊は、人事コンサルタントとして有名な著者が、人が育つ
条件やしくみについて論じた待望の新刊です。

著者のこれまでの経験と、リクルートワークス研究所、慶應義塾大
学キャリアラボの調査をもとに、いまの若者が熱心に働く条件や、
成果をあげるための条件、成長実感を味わえるしくみなど、さまざ
まな点を論じています。

著者も指摘している通り、昨今はプロジェクト型組織が多く、上下
関係が長続きしない。さらに人材の流動化も進んでいるため、職場
内で人が育ちにくくなっています。

では一体、どうやって人を育てるべきか。本書には、そんな経営者
の悩みを解決してくれる、さまざまな情報が詰め込まれています。

「職場に同年代の社員が多いほど、二〇代社員の成長実感も大きい」

「直接人と会って話をすることが成長実感にとって重要な意味を持つ」

「自分で考える癖や、思いつく能力といった思考・行動特性という
のは、健全なプレッシャーがあったほうが、むしろ鍛えられる」

などなど、経営者にとってじつに参考になる情報が載っています。

ぜひ本書を読んで、少しでも多くの企業が「人が育つ会社」となる
よう祈っています。

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■ 本日の赤ペンチェック
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本当に問題にしなければならないのは、むしろ「ホワイトカラーの
人材が育たず、企業の競争力が弱まること」ではないだろうか

職場に同年代の社員が多いほど、二〇代社員の成長実感も大きい

多様で新鮮な発想などは、組織構成員個人が、弱い絆だが多様で開
放的なネットワークを築いているかに大きく影響されるし、偶然の
出来事に左右されやすい個人のキャリア形成においても、弱い絆の
ネットワークが重要な役割を果たすことが明らかになっている

「自分のキャリアは自分でつくる」という若者たちの姿勢が悪いわ
けではない。問題は、社会や会社、キャリアなどに関する知識が乏
しい点にある。あるいは、労働経験がなく、働くということに実感
が伴っていないため、どうしても観念的になってしまい、焦りゆえ
の思い込みが肥大してしまうという部分だ

◆二〇代が今後も継続して働きたいかどうかを左右する要素
1.いまの仕事の充実感
2.いまの仕事を続けることによる、今後の成長の可能性
3.いまの会社で将来のキャリアがイメージできるか

直接人と会って話をすることが成長実感にとって重要な意味を持つ

自分で考える癖や、思いつく能力といった思考・行動特性というの
は、健全なプレッシャーがあったほうが、むしろ鍛えられる

成長実感というのは、一般にいわれるように「やりたい仕事に就け
たかどうか」という職種適合性や、「長期のキャリア目標を常に持
っているか」というキャリアの計画性に左右されるのではなく、
「いかに自分が日々の仕事に対して主体的に取り組んでいるか」と
いう主体的ジョブデザインに負うところが大きい

1.チャレンジングな仕事が日常的に与えられる環境にあり、2.
コーチング的マネジメントスタイルがとられていて、3.健全な成
果プレッシャーがあれば、その職場では若手社員が育ちやすい

一見無駄と思われる行動がないと、よいキャリアはできない

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『人が育つ会社をつくる』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312825
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■目次■

第1章 なぜいま組織で人が成長しにくいのか
第2章 何が若手社員を成長させるのか
第3章 多様な成長パターンを用意する
第4章 自らキャリアを切り開いていく力をつける
第5章 新たな人材育成のための仕組みをつくる

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