http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806123072
本日の一冊は、元・松下流通研究所の代表であり、関西外国語大学の教授も務めた著者が、リーダーシップにおいて必要な、自由と強制のバランスについて論じたものです。
マネジメント分野の研究成果から抜き出してきた理論と、現場での経験を交えながら、部下の生かし方、組織の生かし方を論じています。
ダメな人間の短所を生かす方法や、部下の反抗精神を放し飼いにする方法など、実務で成果をあげた人間ならではの論が目を引きます。
著者いわく、「鬼の強制だけでは自発性を失わせ、反抗心を芽生えさせる。仏の自由だけでは、だらけや緩みを生む」。
だからこそ、「信と愛」に根ざした自由と強制が必要と言うのですが、何とまあ、文章が「熱い」!
かつて教授も務めていた、ということで理屈っぽい方なのかと思っていたら、かなり熱血スパルタ系の文章です。
とは言え、きっちりとマネジメントの要諦は押さえているし、ご本人の体験もきっちり入っている。あとは好みの問題ですね。
経営者・マネジャーにエネルギーを与えてくれる一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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本来、人も集団も成果を求めているのだから、人間を尊重しながら成果を重視することに成功しなければならないし、成果を重視することによって、もっと人を生かし人をつなげることも十分可能
リーダーには、部下が自己実現人間になりやすい環境条件をつくる責務があり、そのことを可能にする能力を持っていなくてはならない
すでに表れている成果だけでなく陰の努力を見つけてあげたり、本人が意識している長所だけでなく、気づいていない長所を掘り出してあげたりすることは、知られたいという欲求のより深い充足を生み、相手の心はより深いところから揺り動かされ、思いもかけなかった大きな力を生む
人間は、「その気になってから行動に入るよりは、行動によってその気になる方がやさしい」
いつも怖いオヤジにやさしくされると、とてもうれしいものだ。逆に、いつもやさしいオヤジに怒鳴られるとこたえる
私が、二十代から接してオヤジほどの影響を受けた松下幸之助のことを思い出すとき、いちばん心に焼きついているイメージは、会議のときも対話のときも、あたかも座禅のような姿勢で微動だにせず、もの凄い集中力で人の話に没入する姿である
強制は、リーダーの側によほどシビアな理論と検証の裏づけと、結果として集団の成果や本人の向上を確実にもたらすこと、そしてそのことを説明し納得させることが求められる
競争はするが、情報はオープンというのが勝ち続ける集団の条件
松下ほどの超一級のリーダーでも、「やらせてみなければわからない」と言い、「任せたら感激する」「まわりが協力する」と言った
優秀者が行動してもそれは当たり前のことだが、ボーダーや異端者が立ち上がると、そのかさ上げ効果は大きい
一度許し、二度許すという、普通よりも強い「信と愛」が溜めとなって、相手がそれまでよりも大きく成長することはありうる
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『松下電器で私が究めた自由と強制のリーダーシップ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806123072
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■目次■
はじめに
第1章 人を生かしながら、自分も生かすリーダーシップの方法がある!
第2章 部下には「あるだけの自由と、同じくらいの強制」でいけ!
第3章 相手を受け入れつつ、本音で語れる人間関係を築け!
第4章 「信」なくば、組織は動かず!―操作主義でもなく、聖人君主でもなく
第5章 リーダーに必要な「自分を変える技術」を持て!
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