http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244768
本日の一冊は、ナップスターやドクター・マーチンなどのカルト・ブランドを生み出した陰の仕掛け人、アレックス・ウィッパーファースによる実践的マーケティング論です。
著者の主張は、「いまやブランディングの主導権は、マーケティング・マネジャーから消費者に移った」というもの。
つまり、消費者がブランドをハイジャックして、意外な展開をしてブランドが増殖していく。そのメリットと、それを人為的に作り出す方法について述べているのです。
では、その内容はどうかというと、これまたじつにおもしろい。著者が実際に仕掛けたナップスターやドクター・マーチンの事例が、事細かに書かれており、戦術レベルでも参考になります。
ほかにも、コカ・コーラの8倍の値段で売り出し、大成功を収めた活力炭酸飲料のレッドブル、わずか3万5千ドルの制作費で巨額の富を生み出した「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」など、興味深い事例が満載。
ネット時代のマーケターなら決して見逃せない、エッジの効いたマーケティング書です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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消費者がブランドに意味を持たせて周囲に勧めていく――。ブランド・ハイジャックはそのことを容認するものだ
ナップスターやリナックスやアドバターズ(カナダの反資本主義非営利団体)のような、営利主義に与しないブランドには急に火がつく可能性がある
◆公共財産的なパブリックブランドの共通点
1.カルト的人気
2.仲間内だけに通用するコミュニケーション
熱心なユーザーは、ブランドの進路を指し示してくれる。それをありのままに観察してしたがうこと。消費者はブランドをハイジャックすると、それを意外な方向に発展させていくことがある。生活への関わり方や社会的な意味合いを、独自に作り出すのだ
マーケターは「クールでありたい」という誘惑に勝たなければならない(中略)原点に立ち戻り、自らに忠実であることから生まれるカリスマ性をつかむことだ
ブランド・マーケティングで最も大切な点は具体的なプロミスではなく、性格をどう定義するかだ
レッドブルは、流通とは大量に製品をさばくためのはけ口ではなく、ブランディングの手段と考えていた
人はうわさ話に興じずにはいられない。そうやって、人間関係を織りなしていくのだ
次なるマーケティングに必要なのは、参加型のメディアと物語をする技術だ
文化的調査とは個人の行動分析にとどまらず、社会の趨勢、新しい価値観、そして消費者が「族」の中でどう生活しているのかを調べるものだ
マーケティングに、ジャーナリストや編集者や文化人類学者としてアプローチする
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『ブランド・ハイジャック』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244768
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■目次■
第1章 「マーケティングしない」という誤謬
第2章 ブランドはみんなのもの──消費者がハイジャックする
第3章 マーケターのためのセレンディピタス・ハイジャック・ガイド
第4章 「マーケティングしない」という幻想~共創型ハイジャック
第5章 やってはいけないこと
第6章 共創型ハイジャックづくりのために
第7章 ブランド・ハイジャック候補
第8章 大企業でハイジャック・ブランドを作る方法
第9章 マーケティング新時代の夜明け
第10章 消費者が集まるとき
第11章 ブランド族の内部活動
第12章 消費者を巻き込む秘訣
第13章 ハイジャック成功
第14章 フェーズI 族へのマーケティング
第15章 フェーズII 共創(コ・クリエーション)
第16章 フェーズIII マス・マーケティング
第17章 問題――広告は悪か?
第18章 チャンス
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