本日の一冊は、10年で年商10倍を成し遂げたカリスマ女社長、臼井由紀さんによる経営ノウハウ&心得の書です。
臼井さんといえば「マネーの虎」で有名ですが、何ともともとは、フリーターから玉の輿を夢みて結婚。たまたまご主人がガンで倒れたのがきっかけで、会社を率いることになったそうです。
社員のいじめや、顧客名簿の持ち出し、商品の横流しなど、悲惨な状況からのスタートだったようですが、まったく経営の知識なしにどうやって成功を収めたのか、そのエッセンスが書かれています。
なかでも注目したいのは、高級品が飛ぶように売れる著者のネーミングセンス。感情に訴え、衝動買いを誘うためのネーミングのヒントがちりばめられています。
ほかにも、経営戦略や商品開発、マーケティング、経営者の心得などについて、著者なりの見解が示されています。
では、具体的にどんな内容が書かれているのか。さっそく見て行きましょう。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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大企業と同じやり方は通用しない(中略)中小企業の大半が目指すのは、なるべく早く商品化できて、なるべく早くお金が入ってくるシステム
おススメしたいのは、「ご用聞き」だ。(中略)大企業は図体が大きすぎる分、細かい対応がとても苦手だし、費用効率を考えたら、やる意味もない。そういう、大企業が面倒くさがってやらないアプローチこそ、中小企業がやるべき
まずは狭い1カ所でトップになってもらいたい(中略)中小企業の社長たちは、全員が「いつかは日本一に」と考えているはず。でも、最初から目指したところで、ものごとには段階があるのだ
大企業との取引には落とし穴が多い。(中略)そのそも、大企業が新規取引で中小企業の製品を買うのは、たいがいが市場調査のためなのだ。中小企業の製品を使って市場の反応を調べて、売れるとなったら、中国あたりにすぐ持って行き、自社ルートで作らせてしまう
大企業は、メンツや体裁があるから、ダサくてクサいものには滅多に手を出さない。ブルーの色調が流行しているとなったら、大企業はみんなブルー系のパッケージで攻めてくるだろう。だったら、あえてその逆の色にした方が、売り場では絶対目立つ
扱っている商品がすごい高級品だったり特注品だったりするなら、安定供給も必要ない。でも、一般ユーザーをザックリつかむためには、安定供給を保つシステムは、商売でとても大事な要素だ(中略)「鉄は熱いうちに打て」と言うけれど、「客の興味は、熱いうちに売れ!」だ
ダサダサでも、わかりやすく、かつ目立つことを考える姿勢が、人を惹きつけるセンス(中略)大企業が絶対につけないようなネーミングをしたおかげで、大企業と同じ土俵で勝負できる、ってこともあるのだ
効果・効能が商品の見た目で反映できないものは、ネーミングで表現するしかない
コンビニでは、陳列を見るだけで、売れ筋と死に筋がはっきりわかる。売れるものは優遇されるけれど、1週間たっても動きがない商品は、すぐ取り除かれる。ちょっと注意してみれば、どんな商品が今トレンドか、すぐにわかる
世の中で売れているものを集めて、いいとこ取りで合体させて、新しい商品にする
長い名前はお客様に覚えてもらえないからダメ。もう一つが、商品名を見たときに、どんな商品か思い浮かぶもの
自分にプロという自負があっても、アマチュアの視線で考えなくてはいけない。上から見下ろすような作り方をしていたら、必ず商品離れ、会社離れをされてしまう
社長業は資金繰り屋ではない。営業、企画、サービス、人材育成という大切な社長業を何にもやらないで、資金繰りに忙殺されるのは絶対におかしい
世の中のすべての商品は、モノも情報もサービスも、お悩み解決アイテムなのだ。(中略)成功するには、お客さまがどんな悩みを持っているのかを、いかに探るかが重要なのだ
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ちょうど日本経営合理化協会さんのセミナーの後だけに、商品開発やマーケティングについて、いろいろと考えさせられました。
というわけで、本日の一冊は、
『金なしコネなし経験なし社長の超・経営術』
http://tinyurl.com/4d8un
です。カリスマ女社長の波乱万丈の経営ドラマと、実務に役立つノウハウが入り混じった、興味深い一冊です。
目次
プロローグ 経営者、就任前後
1章 「不満解消ビジネス」で儲ける!
2章 社長業に本当に必要なもの
3章 広告・営業は売上アップの生命線!
4章 小さくてもっと強い会社の作り方
経営者の責任と原動力――あとがきに代えて
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