【精神科医が教える老子の思想】
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本日ご紹介する一冊は、これまでに約10万人を診た精神科医が、心が軽くなる「老子の言葉」を紹介した一冊。
元々、2019年に文響社から発売されていたほぼ同名の著書を、文庫化にあたって加筆・再構成・改題したものです。(タイトルは、最後に「。」がついているかどうかだけが違う)
ちょうど今日Xで、ルパン三世の次元がピンチになった時、「面白くなってきやがった」と言うという話が出ていましたが、人間、言葉一つで気持ちがラクになったり、切り替わったりします。
本書にも、そんな気持ちや視点を切り替えるための言葉が紹介されており、確かに読むと心がラクになります。
冒頭に書いてある、「ジャッジフリー」(判断をくださない)の考え方や、ユーモラスな比喩で語られる「○○の思考」(パンタロンの思考、昆布の思考、マカロニの思考など)は、真面目な人にほど刺さると思います。(個人的には「マカロニの思考」が大好きです)
確かに、人と比べたり、ちゃんとしているかどうか気にしたり、流行に乗っているかどうかを意識するのって、人間くらいなのかもしれないですよね。
人間は、社会的な生き物ゆえに成功しましたが、その弊害として、対人関係でストレスを抱えるようになったのもまた事実だと思います。
さらりと老子の思想を押さえつつ、精神科医としての経験を活かし、人生や対人関係のアドバイスをする。
なるほど、本書がロングセラーになっている理由がよくわかった気がします。
今、世界は戦争状態にありますが、硬直化した見方は、争いやストレスを生む。
リーダーになる人ほど、こういう本を読んでおくといいのかもしれませんね。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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老子に言わせれば、世の中にある物事についていちいち「よい、悪い」「偉い、偉くない」「すごい、すごくない」とジャッジすること自体がおかしいというわけです。これを老子は「無為」という概念で説明しています
元気なときの孔子、いまいちなときの老子
強い者が勝つ、弱い者が負けるというのは思い込み
悩める人が陥りやすい「4つの心的傾向」
(1)自分は弱い=劣等意識
(2)自分は損をしている=被害者意識
(3)自分は完璧であるべきだがむずかしい=完璧主義
(4)自分のペースにこだわる=執着主義
鏡の思考
おっとあぶない、自分、自分。
本当の意味で「幸せな人生を送れる人」とは自分のペースを知っている人
「不真面目な人」「ズル賢い人」に腹を立てるのではなく、そんな人からも何かを学ぶ
茶碗の思考
「何も入ってないじゃない」って?いいえ、本当に役に立っているのは、この、何もない空間なのです。
時計の思考
何も達成していないけれど、止まらないことに価値がある。
傘の思考
この雨だって、いつかはやむさ。
天地ですら、長く雨を降らせ続けることができないのだから、人などなおさらだ
木の根っこの思考
風にはしゃぐ葉っぱは、元気そうに見えるけれど、季節がめぐれば散ってしまう。私は地味に見えますが、何年もこうしてどっしり生きています。
パンタロンの思考
流行? 古い? どっちでもいいや。
これが僕の形なんだ。
「社会」だって「今という時代のなかで勝手に形づくられた薄っぺらなもの」かもしれません
昆布の思考
「あ、昆布の味だ」と言われてしまうようでは「いい仕事」とは言えません。
「なんかおいしい」と言われてはじめて成功です。
地球の思考
本当に偉大なものは、そもそも完成しないのさ。
マカロニの思考
別にこれといって芯はないよ。
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精神科に来る人々を前提としたアドバイスだけに、耳を傾ける価値がある。
精神が病んでしまう前に、ぜひ読んで、老子の思想をインストールすることをおすすめします。
ストレスを抱えがちなリーダーも、あらかじめ読んでおくと、いざという時心が守られると思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『人生に、上下も勝ち負けもありません。』野村総一郎・著 日本経済新聞出版
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◆目次◆
はじめに
第1章 つい、人と比較してしまうときの処方箋
第2章 つい、がんばりすぎてしまうときの処方箋
第3章 自分がイヤになったときの処方箋
第4章 なんだか思い通りにいかないときの処方箋
焦りや不安がどうでもよくなる23のフレーズ
おわりに
主な参考文献
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