【インタビューの心得書】
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セミナーなどで機会あるごとにお話していますが、土井の出版業界でのキャリアのスタートは、「インタビュー」でした。
お世話になったライター事務所が、タレント・有名人のインタビューを得意とするところで、土井もテープ起こしから始まって、著名人のインタビューをいくつもやらせてもらいました。
その際心掛けていたことは、「ここだけの話」を聞くこと。
既に有名な方であれば、いろんなところでインタビュー記事が出ていますので、そことは差をつけたい。
何より「ここだけの話」があることで、記事が売れるのです。
今であれば、いいねが増える、インプレッションが増える、といったところでしょうか。
もしあなたが「ここだけの話」を聞ければ、ビジネスや投資で、他者に先んじることができる。(インサイダー取引にはお気をつけください)
それゆえに、「聞く技術」は重要なのです。
本日ご紹介する一冊は、この『「ここだけの話」を聞く技術』を、プロのライターがまとめた一冊。
著者の井手隊長は、全国47都道府県のラーメン店を取材して回るラーメンライターで、「Yahoo!ニュース」「東洋経済オンライン」「AERA.dot」「マイナビニュース」などで年間100本以上の記事を執筆している人物です。
どうしたら「しゃべらない人」の壁を攻略できるのか、「自分語りをする人」の鎧を外すことができるのか、「苦手な人」からも心の声を聞くことができるのか。
プロの心構えと事前準備、インタビューのテクニックが書かれています。
事例はラーメンですが、きっとビジネスシーンにも役立つ内容だと思います。
さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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沈黙をなくすことが会話の目的ではない。うまく会話が続かないときは、本来の目的が何だったかに立ち返る
相手によって、明るさのレベルを変えられるようになることが理想
取材に対する事前準備をたいしてしていないのに、よいしょだけを会話に挟んでいくとほぼ100%印象が悪くなります
事前準備がないと、基本情報をヒアリングしている時間が長くなってしまい、肝心なおもしろい部分にまで到達せずに取材の時間が終わってしまいます
予想(仮説)に反するような出来事こそが、その人の魅力のひとつであることが非常に多い
「この人に取材してもらってよかった」と思ってもらえることを目標にしましょう
有識者の話は、聞いているだけだと説得力の塊です。パッと聞いた感じで納得できてしまう分、疑問がなかなか浮かんできません。しかし、そこを一回、一般の目線に落としてからとらえると、さまざまな疑問が浮かんでくる
相手を「裸」にするには思い出話が最適
知らないこと、わからないことのスルーはNG
経営者は「そんなに調べてきてくれたのか」で喜ぶ
「必ず聞かなければいけない質問」を、前もって作っておくこと
「媒体の代表として来ている」ということを強く意識する
たとえば、有名大学に通っていて、就職活動もうまくいき、いざこれから社会人というときにラーメンに目覚め、内定を蹴ってラーメン店を開業した店主がいたとします。このとき、「なぜラーメン屋を選ばれたんですか?」と聞くのではなく、あえて、「なんでラーメン屋を選んじゃったんですか?」と聞いてみる
電話で話すときは重要な「ワード」を強調すること。聞くときは相手の大事そうなワードは「オウム返し」すること
あとになって読み返したときでも、そのときの相手の声や熱い内容がよみがえってくるようなノートを目指しましょう
愛がない記事は書かない
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「ラーメン」という身近な題材を扱っているとはいえ、「取材」という特殊ケースを扱っているので、読者の側に若干想像力と応用力が求められますが、相手の本音を引き出すコミュニケーション力が鍛えられると思います。
もっと突っ込んで欲しい部分もありますが、著者の体験に基づく、それこそここでしか読めない話なので、興味深く読めました。
ぜひ、チェックしてみてください。
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『「ここだけの話」を聞く技術』井手隊長・著 秀和システム
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◆目次◆
まえがき
第1章 しゃべらない人の「壁」を攻略する方法
第2章 自分語りする人の「鎧」を外す秘訣とは?
第3章 苦手な人からも「心の声」を聞くためのコツ
第4章 これからは聞く技術より「聞き倒す技術」を磨け
第5章 「また話を聞いてほしい」となる人を目指そう
あとがき
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