2023年9月12日

『確実に資産を残す 相続・税金の教科書』乾比呂人・著 vol.6315

【これでバッチリ】
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本日ご紹介する一冊は、元国税調査官で、税理士・相続コンサルタントの乾比呂人さんが、3世代にわたって財産を守る方法を指南した一冊。

相続税の話だけでなく、相続そのものについて、後継者の資質や教育、事業承継のコツを述べた内容で、経営者にとっては重宝する一冊です。

特に会社を経営していて不動産を所有している方には、実践的な知恵を授けてくれる、ありがたい内容だと思います。

面白いのは、相続させる子どもの配偶者の見極めポイントが書かれている点。

なかでも、89ページに書かれている、「子供の配偶者が持つお金の意識を見極める質問」は、ズバリ過ぎて笑いました。

◆子供の配偶者が持つお金の意識を見極める質問
「掃除は好きか?」
「好きなファッションは? 衣服はどこで買うのか?」
「今まで行った旅行先の中で、どこが一番良かったか?」

そして、本書で一番ありがたいのは、資産を持っている人ならいつか作ろうと考えている、「財産一覧表」の作り方を指南してくれている点。

巻頭折込についているシートを使って、本書の説明を読めば、誰でも簡単に有効な財産一覧表が作れると思います。

読者が残したいのが不動産であれ、会社であれ、本書は威力を発揮すると思います。

「まだまだ相続なんて先の話だ」と思っている方にも、今からやっておくべきことが書かれているので、転ばぬ先の杖として、読んでおくことをお勧めします。

現役のサラリーマンにとっても、高給取りがやっておくべき税金対策や副業のポイントが書かれており、役に立つと思います。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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スムーズに親族内承継をした社長に共通しているのは、子供が小さいころから、家庭で社長の父または母が自分の仕事の楽しさと、その仕事がどれだけ社会に役立っているのかを伝えていること

相続税対策のご依頼を受けた時のことです。被相続人は90歳の男性。相続人の構成は歳の順に長女・二女・長男、そして男性と養子縁組した長男の妻の合計4人でした。男性は生前に遺言書を作っておりました。遺言書をもとに、相続税の申告書作成を進め、不動産の相続登記を行おうとしたところ、法務局から「この遺言書は無効だ」と差し止めを受けてしまいました。理由は遺言書に書かれていた不動産の地番にありました。なんと、その地番は存在しなかったのです。男性が地番を書き間違えていたようです

遺言書について生前にコンセンサスを得ておく作業は、「争族」を防ぐために非常に重要

確定測量の費用を支払うと、その分現金が減って(=相続財産が減って)、相続税が安くなります。土地の大きさにもよりますが、確定測量の費用は最低30万円、大きいもので100万円以上かかるのが一般的

子供や孫に地主業を継がせる前に、相場よりかなり安く貸している借主や滞納家賃がある借主をゼロにしておきましょう

悪い不動産業者に騙されないポイント
(1)土地の有効活用の提案に安易に乗らない
(2)利回りが低い建築計画を提案する業者とは付き合わない

貸家建付地は他人に貸しているため、自用地のように、自分で100%は自由に使えません。相続税の計算でも、自用地よりも低く土地の評価をするルールになっています(最低9%の評価減。銀座などの一等地では30%以上評価額が下がることもあります)

地主業を行うのに向いている性格
(1)“一見”おおらか
(2)貯金好きで地味な生活でも満足できること

他社への修行期間は3~5年がベスト

現社長が行うべきことで、後継社長が一番助かることは何かご存じですか。それは今のうちに「将来必要になる設備投資をしておくこと」です

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相続関連の本は、読みづらいものが多いのですが、本書は文章も読みやすく、相続する経営者の立場に寄っているので、助かります。

ある程度対策を立てているという方にとっても、意外なとこから財産防衛のヒントを提示しているので、一読しておいて損はないと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『確実に資産を残す 相続・税金の教科書』乾比呂人・著 明日香出版社

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◆目次◆

はじめに
本書の特色
第1章 地主業を守るための税金対策
第2章 先代社長と二代目社長が学ぶべき税金の知識
第3章 高級取りが身につけたい税金の知識
第4章 税理士と良好な関係を築く方法
おわりに

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