2023年9月7日

『人を導く最強の教え『易経』』小椋浩一・著 vol.6312

【リーダーのための『易経』のエッセンス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534060335

本日ご紹介する一冊は、「易経」の第一人者・竹村亞希子氏の弟子で、易経研究家の著者が書いた、リーダーのための易経の本。

政治家や経営者など、古今東西のリーダーたちに読み継がれてきた『易経』のアイデアを、誰にでもわかるよう解説した、入門書です。

易経のキーワードとその意味、リーダーにとっての教訓は何かを平易な文章でまとめており、どんな状況下でどう振る舞うべきか、リーダーにとっての処世のヒントが書かれています。

好調な時に読めば戒めとなり、苦しい時に読めば楽観につながる。

そんな易経の面白さが余すところなく書かれた、魅力的な入門書です。

易経では、「陽と陰」の二進法に基づき、その6乗にあたる64パターンの状況の変化を想定するのですが、それをさらに6段階の構造でストーリー化することで、計384もの決断のパターンを作っています。

このパターンが、経営者が順境/逆境に立った時の助けになるということですね。

本書では、著者がこれにビジネス理論を足し合わせたり、自分の知識・経験を足し合わせたりして、リーダーの自己啓発書として機能するよう作っています。

リーダーや親として、立場が確立した40代以上が読めば、自分ごととしてしっくりくる内容だと思います。

土井も、30代の頃、易経の本をいくつか読みましたが、あの時より今の方が刺さる気がしました。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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一日は「陽と陰」により「昼と夜」の二つに分けられました。さらに二つ掛け合わせた「陰陽、陽陽、陽陰、陰陰」により「朝、昼、夕、夜」の四つへ、そこからさらに細分化されていったものが時間になりました

四分類の「陽陽、陽陰、陰陰、陰陽」を人生にあてはめれば、「ずっと勢いがある」「勢いがあったが衰えていく」「ずっと低調」「低調だったものが勢いを得ていく」といった四種類の流れを表すことができます

「この人はまだ、これから成長し、成熟する可能性を持っている」というマインドこういった、相手の可能性を信じるマインドこそ、とくに人を導く立場の人が持つべき「ブレない軸」

水沢節[すいたくせつ]
節とは、節度、節制、節目の時。節を大切にすれば大きく伸びることができる

風天小畜[ふうてんしょうちく]
いったん足止めされる時。だが、それは次の展開への貴重な蓄えになる、の意

風山漸[ふうざんぜん]
順序正しく進む時。基礎から着実に積み上げていけば有終の美が得られる、の意

地火明夷[ちかめいい]
賢明な人が傷つき破れて、日の目を見ない時。困難に耐えて貞正を守るのが良い、の意

離為火[りいか]
灼熱の太陽を浴びたような時。自分の立場を見定め、謙虚に従うべき、の意

成果を出したければ、まずはリーダーがルールに従え

どんな大きなルールに従って行動しているかを見られている

地雷復[ちらいふく]
「一陽来復」の時。本来の初心に立ち返って、再スタートを切れ、の意

火天大有[かてんたいゆう]
皆から立ててもらえる時。大人らしい立派な振る舞いをせよ、の意

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元々「変化の書」と呼ばれているだけあって、この変化の時代にピッタリの処世術が書かれていると感じます。

自分を取り巻く環境がコロコロ変わるなか、どうやって今の状況を捉えればいいか、どうやって未来に備えればいいか。

3000年の英知をわかりやすく学べる、手軽な一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『人を導く最強の教え『易経』』小椋浩一・著 日本実業出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534060335

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◆目次◆

はじめに
序 章 『易経』には、この世界で起こり得るすべてが書かれている
第一章 成長する
第二章 つながる
第三章 成功する
第四章 良いリーダーになる
第五章 出世する
第六章 財を増やす
第七章 危機に備える
すぐできる「易占」のやり方
一流を立てる
おわりに
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