【必読の一冊。】
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「ガイアの夜明けで大反響!」「情熱大陸に著者出演!」という謳い文句の本は、大体当たり外れが激しいものですが、本日ご紹介する一冊は、内容の面白さが別格です。
著者は、スーパーカー「LFA」や感情認識パーソナルロボットの「Pepper」に関わり、世界初の家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を開発した、林要氏です。
本書の魅力は、著者がロボットを開発する過程で考えたこと、気づいたことを追体験できること。
身体の拡張から始まったロボット(ガンダム)が、頭脳の拡張(Pepper)になり、最後は愛を増やすロボット(LOVOT)へ。
この過程で著者が気づいた、人間とは何か、愛とは何かの考察が、科学者ならではの視点でじつに面白い。
また、ChatGPTの影響で注目が集まっている大規模言語モデル(LLM)についても解説があり、AIやロボットと人間がどう共存していくのか、著者ならではの視点が示されています。
・ロボットは、役に立たなければ存在してはいけないものなのか
・なぜペットは利便性を向上させないのに必要とされるのか
・テクノロジー「が」人類「を」必要としてもいいのでは?
・愛着が湧くメカニズム
・いかにして、愛でる力という人類のポテンシャルを引き出すのか
画期的なアイデアは、「そもそも」を問い直すことや、新しい定義づけから生まれることが多いものですが、著者のロボット開発過程は、まさにそのお手本ともいうべき内容です。
実装された機能についても考え抜かれていて、本当に勉強になります。
社会に画期的なイノベーションをもたらしたい方、ヒット商品を作りたい方は、ぜひ読むといいと思います。
これからテクノロジーがどこへ向かうのか、人間の活躍の場はどこにあるのか、知りたい方も、読むときっと未来に希望が持てるようになると思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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人間という存在を「神秘」ではなく「システム」として捉え、ロボットにどのように実装するか考える
進化の方向は「ガンダム(身体の拡張)」から「Pepper(頭脳の拡張)」へ変わった
「直感」を得て、AIは劇的に成長した
「なにを考えるべきか」というのは、実はむずかしい問題
それまで「ロボットが人のためになにかする」ことが価値だと考えていたぼくにとって、「人がロボットを助ける」ことで助けた人がうれしくなるというのは、新たな発見でした
「手を温かくしてほしい」
高齢者福祉施設で言われた一言
感謝や称賛は、食べ物のような生きるために身体が必要とする「現物の報酬」ではなく、目に見えない「仮想の報酬」です。しかし、報酬としての機能は同じです。報酬から得られる快感を脳が自然と学び、また仲間に喜んでもらいたいという欲求を生み出します。こうしてぼくらは、「承認欲求」という本能を獲得したのだと思います
LOVOTは生産的なことはしませんが、そうして癒された人の生産性は上がっていきます
LOVOTに搭載された愛着が湧く機能
・目が合う(カメラで人類の目を認識し、目を合わせる)
・瞳と声に個体差がある(それぞれ10億種類以上)
・抱き上げると温かい(37度から39度程度)
・だんだん懐く(時間と手間をかければ)
「好きなことを見つける」とは「自らが快感を繰り返し得る方法を知る」こと
実はプロトタイプには口を付けていたのですが、途中から外しました。口があると、鳴き声と口の動きが一致せず、表情が「嘘をついている」という印象を与えてしまうからです
ぼくらの生体のどこかに無機物が入り込み、「体がすべて有機物で構成されていること」のほうが稀になる日も遠くない
探索的であれ
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著者の着眼点、「そもそも」を問う力、そしてそこから詳細を詰めていくリサーチ力と実行力は、すべての仕事人の参考になると思います。
終章のタイトルである「探索的であれ」も、我々が未来を拓く上で、とても大切なメッセージだと思いました。
子どものような知的ワクワクを呼び覚ますために、ぜひ、読んでみてください。
これは、おすすめの一冊です。
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『温かいテクノロジー』林要・著
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◆目次◆
序章 ぼくらが「メーヴェに憧れ、
「巨神兵」に恐怖を覚える理由
1章 LOVOTの誕生
2章 愛とはなにか?
3章 感情、そして生命とはなにか?
4章 人生100年時代、
ロボットは社会をどう変えるのか?
5章 シンギュラリティのあと、
AIは神になるのか?
6章 22世紀セワシくんの時代に、
ドラえもんはなぜ生まれたのか?
7章 ドラえもんの造り方
終章 探索的であれ
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