【これでバッチリ。】
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本日ご紹介する一冊は、話し方本の歴史を変えることになるであろう、エポックメイキングな一冊。
著者は、数学の専門家で、ビジネスパーソンに数学を教える「ビジネス数学教育家」の深沢真太郎さんです。
これまで、話し方本といえば、マインドが中心のものか、気くばり系、あるいは「型」を示したものが中心で、「なぜ説得力が生じるか」について解説したものは皆無でした。
本日ご紹介する『「数学的」話し方トレーニング』は、数学の説明手法をビジネスに応用し、説得力ある話し方を解説したもので、極めて再現性の高い手法です。
第1章で、数学的思考を成り立たせる5つの行為について説明されるのですが、以降はこの5つを詳しく解説する構成になっています。
◆数学的思考を成り立たせる5つの行為
・定義
・分解
・比較
・構造化
・モデル化
それぞれの項目の説明も詳しく、たとえば上手な話し手がどう冒頭で「定義」をし、話を進めるか、具体例も示されています。
著者いわく、「定義がされていない題材ではコミュニケーションを始められない」。
では、どう定義をすればいいのか。ここでは「言葉」と「場」の定義のやり方が示されており、「場」を定義するポイントについては、さらに3つに分けられています。
会議や商談、上司に報告する時、YouTubeで話を切り出す時などにこの手法を用いれば、きっと以降の説明がスムーズに行くでしょう。
以降の分解、比較のスキルも注目ですが、なかでも秀逸なのは、上手い人がやっている【構造的話法】という手法。
上手な話し手、書き手の秘密が明かされた内容で、ここだけでも読んでおくといいと思います。
冒頭から掴まれましたが、最後まで、じつに読み応えのある内容でした。
これは「買い」の一冊だと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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定義がされていない題材ではコミュニケーションを始められない
「導入→主張→解説→結論」は、まさに数学の論述で使われています
「導入」ですること:定義をする
「解説」ですること:分解・比較・構造化・モデル化を組み合わせる
定義する際のポイント
・言葉を定義する
・場を定義する
場を定義するポイント
・時間
・前提
・目的
勝間さんはいつも導入で、相手が知らない可能性のある言葉について定義を行ったうえで本題に入るようにされています
かつて私が会社員として働いていた頃、次のようなフレーズをまず冒頭で伝えたうえで本題を話し始める人物がいました。
「深沢さん、情報共有です」
「山田さん、相談です」
「部長、承認してもらいたいことがあります」
物事がわかるためにはその構成要素がわかることが必要(中略)構成要素がわからない話を聞かされても理解できない可能性が極めて高い
いわゆる有識者と呼ばれる方々や物事を解き明かすことに長けた人の解説をたくさん聞いていると、「比較」という観点においてある傾向に気づきます。それは時間軸での比較で話すことが多いということ
複数の比較が話を具体的にしていく
【構造的話法】
Aという説明をする
↓
Bという説明をする
↓
A=B(AとBは同じ構造)であることを述べる
↓
A(=B)の内容に説得力が生まれる
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正直、これはベストセラーとなった『1分で話せ』以来の衝撃でした。
※参考:『1分で話せ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797395230
まさか、ここまで説明が上手い人の秘密を、論理的に解明できるとは。
再現性も高いですし、これは日本人の話すスキルを底上げする、画期的な一冊になりそうですね。
ぜひ読んでみてください。
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『「数学的」話し方トレーニング』深沢真太郎・著 PHP研究所
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◆目次◆
はじめに
第1章 なぜ「数学的に話す」なのか
第2章 数学的な話し型
第3章 定義してから話す
第4章 分解して話す
第5章 比較して話す
第6章 構造化して話す
第7章 モデル化して話す
おわりに
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