【これでバッチリ。】
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本日ご紹介する一冊は、われわれビジネスパーソンが現在直面している、「答えのないゲーム」に取り組むための思考技術を、外資系の元戦略コンサルタントが教えるノウハウ書。
著者は、NTTデータ、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)を経て、「考えるエンジン講座」を提供するKANATAを設立した、高松智史(たかまつ・さとし)さんです。
これまでにアクセンチュアやミスミなどでも研修実績がある方法論で、外資系コンサルの基本的思考スキルと、著者独自の思考技術、説得技術、生き方の知恵が記されています。
途中、思考を深めるためにクイズが用意されており、読者は著者と一緒に問題を解くことで、「答えのないゲーム」に取り組む秘訣を習得できます。
問題をよく読み、論点を立てるやり方は、ビジネスの現場はもちろん、大学入試の小論文などでも威力を発揮しそうです。
なかでも注目して欲しいのは、頑固な相手を説得するための、B○条件(ビーマルじょうけん)という手法。
相手の主張(B案)が成立する条件を示し、その条件を否定してA案に誘導する議論と説得の手法ですが、これができるだけで組織での仕事の進め方に差が出ると思います。
説得の際にやりがちなコミュニケーションのミスについても丁寧に指摘しており、新人教育のツールとして、威力を発揮しそうな一冊です。
ある程度キャリアを重ねた人にとっては、キャリアを見直すきっかけとなる、「5つのゲーム感覚」が役立つと思います。
「ボジョレー思考VSロマネコンティ思考」
「アーティストモードVSクリエイターモード」
など、ユニークなネーミングが施された「5つのゲーム感覚」を知ることで、自分がどのゲームに巻き込まれているのか、本当はどんなゲームにしたいのかを知り、生き方や働き方の軸を作ることができるでしょう。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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答えのないゲームの戦い方の3つのルール
(1)「プロセスがセクシー」
セクシーなプロセスから出てきた答えはセクシー
(2)「2つ以上の選択肢を作り、選ぶ」
選択肢の比較感で、“より良い”ものを選ぶ
(3)「炎上、議論が付き物」
議論することが大前提。時には炎上しないと終われない
「示唆」を身につけるための2つの口癖
・「何が言えるっけ?」
・「見たままですが」
示唆はファクトから言えること そしてファクトを見た時、グラフを見た時、文章を読んだ時、こうつぶやきましょう。
何が言えるっけ?
自分の発言がファクトなのか示唆なのか区別できていますよ!という枕詞が「見たままですが」です。このフレーズを置くだけで「示唆を言いたかったんだけど、浮かばなかったからとりあえずファクトを言うね」ということを自分の中で意識付けできる上、相手にもそれが伝わります
示唆には必ず、対比が存在するのです。違う言い方をすれば、対比をちゃんと言えなければ、それは示唆ではなく、ただの感想だ!ということになります
「○○○にもかかわらず、×××ということは□□□に違いない」これを通称「“にもかか”構文」といいます
3構造(読み方:スリーこうぞう)
物語を3つに分けて要約する
桃太郎の場合:
1.桃から生まれた桃太郎は
2.猿・キジ・犬をお供にし、
3.鬼を倒した。
B○条件のルール
(1)A(自分の意見)とB(相手の意見)を真っ向から対立させて議論してしまうと、「答えのないゲーム」においては、「水掛け論」になってしまう。
(2)だからB(相手の意見)を直接否定してはいけない。相手の意見を直接否定した瞬間に水掛け論に突入する。
(3)だから、B(相手の意見)が○となる(成立する)「条件(b)」を提示して、その「条件」を否定(a)する
3つ以上項目が並んだら、「順番には意味を」と叫ぶ
目に見えない答えが無数に出せる物事を学ぶ時は、圧倒的に「暗記ドリブン」が効果を発揮する(理解ドリブンではなく)
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本当であれば、こういう思考のトレーニングは、高校生くらいからやっておくといいのでしょうが、残念ながら日本の教育にはまだまだ組み込まれていないので、独学するしかないのが現実です。
誰にも正解がわからない環境下で、深く面白く考えるにはどうしたらいいか。他者を説得し、巻き込むにはどうすればいいか。
重要なビジネススキルが書かれた、面白い本です。
ぜひ、読んでみてください。
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『「答えのないゲーム」を楽しむ思考技術』
高松智史・著 実業之日本社
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◆目次◆
第1章 「答えのないゲーム」の戦い方をしませんか?
第2章 示唆ーーファクトから「示唆=メッセージ」を抽出する思考技術
第3章 B○条件ーー炎上を回避し、議論を健やかにする思考技術
第4章 ゲーム&ゲームーー思考プロセス、問題解決プロセスを体得する
第5章 5つのゲーム感覚ーー「答えのないゲーム」とその先へ
おわりに
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