【行動経済学をビジネスと人間関係に応用する。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4299037294
本日ご紹介する一冊は、ハーバード・ビジネス・スクール招待講師、BBT大学教授、早稲田大学ビジネススクール非常勤講師などを歴任している経営コンサルタントの平野敦士カールさん監修による、行動経済学の実践本。
わずか174ページの薄さですが、行動経済学の理論の要点がバッチリ書かれており、かつそれをビジネスや日常で実践する方法まで書かれています。
章立ては全部で4つ。以下のように、仕事の意思決定、人間関係、マネーライフ(投資や消費)、日常生活の4つに分けられています。
Chapter1 仕事で使える行動経済学
Chapter2 人間関係で使える行動経済学
Chapter3 マネーライフに使える行動経済学
Chapter4 日常生活に使える行動経済学
どうすれば仕事で損をしない決断ができるのか、どうすればビジネスや投資を有利に運ぶことができるのか、どうすれば他者の協力を取りつけることができるのか、どうすればダイエットや勉強など、良い行動習慣を身につけられるのか…。
行動経済学の基礎知識を押さえ、賢明な意思決定をしたい方には、最初の一冊として、おすすめできる一冊です。
紹介されているケースがあまりに身近で「あるある」なため、どんな方でも興味深く読めると思います。
また、理論を習得するために、それぞれ簡単なクイズが用意されているので、理論をどう使えばいいのか、イメージが湧くと思います。
【クイズの例】
「ちょっと高めのメニューを定番商品にして売上を伸ばすには?」
1.同じカテゴリーで高いメニューを用意する
2.同じカテゴリーのメニューで3択を用意する
3.同じカテゴリーで安いメニューを用意する
「顧客に新サービスへの移行を促すには、どんなアプローチが有効?」
1.「大手企業は、ほとんど乗り換えていますよ」
2.「旧サービスのサポートは、値上げになります」
3.「旧サービスでは対応できないリスクがこれだけあります」
既に行動経済学を勉強した、という方は、手っ取り早く理論をおさらいするためのリファレンス本として、読んでおくといいでしょう。
本文のなかから、さっそく気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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顧客には、損失を避けたくなるような話の運び方をすれば、交渉は有利に運べるかも
3択にすれば7割が真ん中を選択する
人間のヒューリスティックには「極端の回避性」という傾向があります
アンカーリング効果に流されないためには、最初に見た数字をいったん忘れてから目の前の商品・価格と向き合うこと
人間には「いまのままがいい」という現状維持を望む気持ちがある
行動を促すには、現状維持のリスク・デメリットを端的に見せる
「自分だけ取り残されたくない」心理を活用
価値判断をするときは相場感=「参照点」を利用している
レア感を感じると「買いたい」に気持ちが変化する
レア感を演出するためには、時間的なプレッシャーを与えることも有効
時間と価格の関係性において、どんなに素晴らしい結果を伴うサービスであっても、その時間が短ければ、高いお金を払う気にはなれない
サブスク契約に移行したら「自分のもの」を与える
三角関係をつくると抜け駆けやサボりが生まれにくい
利益には確実性を、損失には最大限の回避を望む
バンドワゴン効果に身を委ねている人は、それが「正しいかどうか」「自分に必要かどうか」については、思考が停止しています
「もう進んでいるもの」は、自分でも進めたくなる
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自身が賢い消費者、投資家になりたい人はもちろんのこと、反対に行動経済学を使ってビジネスを有利に運びたい人にも役立つ一冊です。
タイトル通り、これは本当に『ズルい行動経済学』なのかもしれません。
行動経済学の基本をひと通り押さえたい人に、おすすめの一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『ズルい行動経済学』平野敦士カール・監修 宝島社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4299037294
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◆目次◆
Introduction 行動経済学の役割とテーマ
Chapter1 仕事で使える行動経済学
Chapter2 人間関係で使える行動経済学
Chapter3 マネーライフに使える行動経済学
Chapter4 日常生活に使える行動経済学
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