2022年10月4日

『成功は時間が10割』百田尚樹・著 vol.6092

【百田尚樹の時間論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101201951

本日ご紹介する一冊は、累計2000万部のベストセラー作家、百田尚樹氏による、異色の時間論。

これまでにも、セネカの『生の短さについて』はじめ、数多くの時間論を紹介してきましたが、これもそれらに匹敵する面白さです。

※参考:『生の短さについて』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003360710

ポイントは、『成功は時間が10割』と、主題は「時間」ながら、あえて「成功」を論じた点。

なぜ「人生の成功者」が時間を征服した者なのか、どうすれば時間を征服することができるのか、人類の叡智を紐解きながら、持論を進めており、じつに興味深く読むことができました。

なかでも「才能」に関する考察や、人類が戦い続けてきた「早さ」と「重さ」に関する考察、そして最後、芸術に関する考察は、読んでおいて損はないと思います。

著者は、本書のなかで<才能とは、同じことをするのに、他人よりも短い時間でやれる能力>と言っており、また<社会は「時間の交換」によって成り立っている>と、興味深い見方を示しています。

ちょうど美容室で本書を読んでいたこともあり、「そうか、美容師は人より上手にかつ早く髪を切れるから、人よりも才能がある。でもそれだけで客がこんなに高いお金を払うはずはないから、要するに客がモテたかったり、社会的地位を誇示したかったら、切ってもらうことで他者を口説いたり説明したりする手間が省け、早くなるってことか」などと考えていました。

本書にしたがって、あらゆる角度から時間を考察していくと、読み終えた頃には、<確かに『成功は時間が10割』だ>と腑に落ちると思います。

本文のなかから、さっそく気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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「人生の成功者」とはすべて「時間」を征服した者です。「時間の征服者」とは何か? それは「充実した時を得た者」です

「金」も「地位」も「権力」も「名声」も「愛」も「幸福な家族」も、実はすべて時間が変換されたものです

人類の発明品はすべて「楽しい時間を生み出す」ために作られた

中年以降の人生が短いと感じるのは、感動や驚きが減るからにすぎません

喜怒哀楽の感情を大切にすることです。感情の鈍麻は、人生を短くします

タンク底の仕事をやり終えた出光興産の頑張りのお陰で、日本に石油が輸出されることになりました。つまりその仕事は日本のためになったのです。この達成感と評価によって、タンク底の過去の時間が書き換えられた可能性がある

人間は自分の仕事が「誰かのためになった」「高く評価された」「そのことで今がある」と思えると、辛かった思いは忘れ、逆に楽しかった思い出に書き換えられる

世の中には「憧れの職業」というのがありますが、それらはぶっちゃけて言えば、「時間が高く売れる仕事」です

人間社会というものは本当に面白い仕組だと思います。自分の時間を売って得た金で、他人の時間を買うーー私たちの社会はその繰り返しで成り立っているのです

「才能ある人」というのは時間を短縮することに優れた人であり、「努力する人」というのは時間を投入することに優れた人と言えます

人類が戦い続けてきたのは「早さ」と「重さ」である

言葉を持つことで、人類は「時間」を受け渡しできることに気付いた

偉大な芸術作品は人類が「時間」をねじ伏せた証

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雑学豊富。文章が面白い。でも何よりも人生で一番大事な「時間」について考えることで、人生が豊かになる一冊です。

どうすれば限られた時間でお金を稼ぎ、才能を活かして豊かに生きられるのか。

どうすれば時間をねじ伏せ、「永遠」を手に入れられるのか。

ビジネスや仕事、人生のヒントになる一冊です。ぜひ、読んでみてください。

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『成功は時間が10割』百田尚樹・著 新潮社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101201951

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B09Z2CS4YD

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◆目次◆

第1章 すべては「時間」が基準
第2章 現代社会と「時間」
第3章 時間はあらゆるものに交換可能
第4章 私たちの「時間」を奪うもの
第5章 「止まれ、お前は美しい!」

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