【小さくても理想の商売を実現したい人に】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4251073118
本日ご紹介する一冊は、2022年の「青少年読書感想文全国コンクール」小学校高学年の部の課題図書に選ばれた、注目の経営書。
「捨てないパン屋」として有名なブーランジェリー・ドリアンの田村陽至氏を主人公に、みんなが幸せになる経営を論じた、話題の一冊です。
著者は、『あるものでまかなう生活』、『賞味期限のウソ』などの著書で知られる、食品ロスジャーナリストの井出留美さんです。
※参考:『あるものでまかなう生活』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532323606
※参考:『賞味期限のウソ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344984331
「パンぎらいのパン屋の子」として生まれ育った田村さんが環境問題に目覚め、なぜかパン屋の見習いとして、国内外の有名店を転々とし、やがて理想のパン屋を構想・実現していく…。
生き方、働き方、そして理想の経営とは何かを考えさせてくれる、大人にもおすすめの一冊です。
<パンをつくるということは「いのち」のバトンをつなぐこと>
<お客さんは一瞬で「ほんもの」と「にせもの」を見わける>
<買いものは投票>
<人には、どんなにつらくても、前をむいて進みつづけなければならないときがある>
ところどころに気づきがあり、経営や生き方について考えさせてくれる、とても良い本だと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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田村さんのパンは、まきを燃やさないと、つくることができません。何十年も生きてきた木の「いのち」をもらってパンを焼くのです。ですから、田村さんのパンには、小麦だけでなく、木の「いのち」も受け継がれています。パンをつくるということは「いのち」のバトンをつなぐことなのです
田村さんは<捨てないパン屋>になったことで、畑や森から受けとった「いのち」のバトンをパンのかたちにして、ひとつもむだにせず、お客さんにわたすことができるようになったのです
田村さんが子どものころ、世の中はちょうど高度成長期。なにをしても、なにを売ってもお金になるという時代でした。工場や倉庫をつくりたいという会社や、自分の家をもちたいという人の願いをかなえるため、田んぼはうめられ、まちはずれの山は切りくずされていったのです
お客さんは一瞬で「ほんもの」と「にせもの」を見わけるのです
家畜を殺すときには、手ぎわよく、家畜があまり苦しまないようにすること。解体するときには、毛皮も肉も内臓もむだにならないように、きれいにさばくこと。食べるときには、あますところなく食べきること。それが遊牧民のいつくしみであり、殺された家畜へのせめてもの礼儀なのです
日本の食文化や農業のためにも、国産小麦の自給率をあげたい。そして、国産の有機小麦をもっと普及させたい。だからこそ、田村さんは「買いものは投票」と考え、値段が高くても国産小麦をつかってきたのです。買いものは自分たちの未来を選ぶ投票なのです
人には、どんなにつらくても、前をむいて進みつづけなければならないときがある
人にレシピをわたすことで、自分がいなくなったあとでも、レシピは生きつづける
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子ども向けの本ではありますが、子どもだけに読ませておくのはもったいない。
働く姿勢を正してくれて、かつ生きるエネルギーをも与えてくれる、おすすめの一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『捨てないパン屋の挑戦』井出留美・著 あかね書房
<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆
プロローグ いのちのバトン
1章 パンぎらいのパン屋の子
2章 食べものがいちばんの環境問題?
3章 パンぎらいのパン屋修業
4章 さすらいの旅
5章 パンぎらい、パン屋になる
6章 食べるとは「いのち」をいただくこと
7章 パンぎらいのフランス修業
8章 捨てないパン屋
9章 旅するパン屋
10章 しあわせのレシピ
エピローグ いのちをはぐくむパン
あとがき
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