【ヘッドハンターが見るこれからの人材の条件は?】
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本日ご紹介する一冊は、世界最大のヘッドハンティング会社、コーン・フェリーの元日本代表が書いた、キャリア論、人材論。
著者は、トータル30年以上、ヘッドハンターとしてのキャリアを歩んできた人物ですが、21世紀に入ったころから、明らかに理想と思う経営者像と実際が乖離してきた、というのがこの「悪ガキ」論のベースとなっています。
著者が「悪ガキ」とするのは、グーグルのラリー・ペイジやアップルのスティーブ・ジョブズ、フェイスブック(現・メタ)のマーク・ザッカーバーグやアマゾンのジェフ・ベゾス、マイクロソフトのビル・ゲイツ、そしてテスラのイーロン・マスクなどの経営者。
日本では、孫正義氏や堀江貴文氏、柳井正氏、原田泳幸氏、前澤友作氏などがそれにあたるそうです。(本文ではもう何人か紹介されています)
彼ら悪ガキに共通するのは、現在、ヘッドハンターが注目する、「希少価値」の高い能力を持っていること。
「グローバルな視点」「多様な状況への適応」「イノベーションの推進」「勇気ある対応」「多様性の尊重」「ビジョンと目的の推進」などがそれにあたるそうですが、一方で、これまでに日本企業で求められていた「業務遂行に関する能力」である「信頼の獲得」「成果の創出」「責務の遂行」「コラボレーション」「的確な計画立案」はコモディティ化すると述べられています。
概ね、これまでに議論されている内容が中心ですが、<「決断」は「礼節」よりも大切>と説いたところ、<「リベラルの鎧」を身にまとえ>と説いたところは参考になりました。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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悪ガキ的リーダーを特徴づける9つの条件
1.安定を望まず、変化を選ぶ
2.慎重にならず、スピードに乗る
3.安全を追わず、リスクをとる
4.大人にならず、情熱に生きる
5.人に任せず、自分でつかみ取る
6.権威におもねらず、フラットに生きる
7.閉じこもらず、世界を見据える
8.流されず、哲学を持つ
9.憎まれず、かわいげを持つ
「人格者」より「先手を打てる人材」のほうが、価値が高い
日本の経済をここまで貶めているのは、日本のビジネス社会にスピードがないからだ
「決断」は「礼節」よりも大切
海に出ないものは川に残り、海に出ないままで生涯を終える。これをマスと言う。海に出たものだけがサケなのだ。大海原であらゆる試練と困難に打ち勝ち、生まれた川に還ってきたサケは、川だけで育ったマスより、体の大きさにして10倍以上も大きくなっている。井の中の蛙と、大海に出て荒波に揉まれたものとでは、これだけの違いが生じるわけだ
「転職していない人=使えない」という時代が来る
実は欧米人エリートのタテマエには、決まった「型」がある。これを知っているのと知らないのとでは、彼らとの付き合い方に雲泥の差があるので、ここで紹介したい。その「型」とは、ヨーロッパの知識人層に源を発し、アメリカのアイビーリーグを中心とした名門大学に広がっている「リベラル」な思想だ。「信教の自由」「多様性重視」「ジェンダー選択の自由」「プライバシー重視」「思想・表現の自由」「人種差別の排除」「自然環境保護重視」などを骨子とする
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「悪ガキ」に該当する人物の行動特性と具体的エピソードが載っており、ケーススタディとしても興味深い。
具体的ノウハウを求める本ではありませんが、これからの時代に適合するための心構えが学べると思います。
ぜひ、チェックしてみてください。
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『世界は悪ガキを求めている』妹尾輝男・著 東洋経済新報社
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◆目次◆
はじめに 世界は悪ガキを求めている
序章 悪ガキが「のさばる」時代に備えよ
第1章 安定を望むな、変化を選べ
第2章 慎重になるな、スピードに乗れ
第3章 安全を追うな、リスクをとれ
第4章 大人になるな、情熱に生きろ
第5章 任せるな、自分でつかみ取れ
第6章 権威におもねるな、フラットに生きろ
第7章 閉じこもるな、世界を見据えろ
第8章 流されるな、哲学を持て
第9章 憎まれるな、かわいげを持て
おわりに 「個」として世界と対峙できる日本人へ
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