【現代人必読の時間本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761276150
本日ご紹介する一冊は、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルも絶賛の全米ベストセラー。
アメリカではアダム・グラント氏、ダニエル・ピンク氏、カル・ニューポート氏が絶賛し、日本ではひろゆき氏も絶賛する、注目の「時間」に関する考察です。
著者のオリバー・バークマン氏は、イギリスの全国紙「ガーディアン」の記者として、外国人記者クラブ(FPA)の若手ジャーナリスト賞を受賞した気鋭のライターで、ガーディアン紙では心理学に関する人気コラムを執筆。ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルにも記事を寄せている、力のある書き手です。
本書の内容も、安っぽい自己啓発や時間管理ノウハウに陥るのではなく、もっと本質的な視点から、人間にとって時間とは何か、どう付き合うべきなのかなど、人生における時間の意味を説いています。
「生産性とは、罠なのだ」
「可能性を狭めると、自由になれる」
「トップダウン型の注意をうまく使えるかどうかで、人生の質は左右される」
「時間をシェアすると豊かになれる」
気になる言葉がたくさん並んでいますが、ざっくり要点を言うと、限られた時間に多くを詰め込む、という生産性優位の考え方を否定し、どうすれば実りある人生を送れるか、その秘訣を説いています。
なぜ生産性を上げることが不毛なのか、なぜ多くのお金持ちが不幸になるのか、もともと「生産性オタク」だったという著者が、自身の体験と哲学者たちの言葉、禅の教えなどから読み解いており、われわれが陥っている「不幸のメカニズム」がスッキリ理解できると思います。
推薦者の一人、アダム・グラントは、本書を「時間管理に関する本のなかでも最重要の1冊」と述べていますが、土井もそう思います。
現時点で「時間を有意義に使う」「無駄な時間を過ごしたくない」と思っている方は、既に罠にハマっているので、本書を読むといいと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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世界は未知のものごとであふれているというのに、タイムマネジメントの先生たちときたら、目の前のつまらないタスクをこなすことばかり考えている
タイムマネジメントの先生は誰も世の中を良くしたり、社会の危機に立ち向かったり、地球環境を守ったりすることについて語ろうとしない
農民の仕事に終わりはない。次の日になれば乳を絞り、次の収穫期が来れば収穫する。だから、すべて完了した状態というのはありえないし、ゴールを決めて競争する意味もない。歴史家はそんな生活様式を「タスク中心型」と呼ぶ。抽象的な時間軸ではなく、タスクそのものが有機的に生活のリズムを生みだすからだ
忙しさも先延ばしも、結局は怖いことから目をそらすための方便だ
そもそも時間は、自分の持ち物ではない。時間を使うかわりに、時間に使われてみたらどうだろう。計画通りにスケジュールをこなす人生ではなく、歴史のなかの現在に身を置き、その時々の必要に応えて生きてみるのはどうだろうか
さらに、それよりも厄介な問題がある。多くのタスクをこなせばこなすほど、期待値がどんどん上がっていくという問題だ
大切なのは気持ちだ、と人はいうけれど、本当に意味があるのはそれだけの手間をかけることだ。あえて不便なことをするから、そこに価値が生まれるのだ
「ほかにも価値のある何かを選べたかもしれない」という事実こそが、目の前の選択に意味を与えるのだ
皮肉なことに、人は後戻りできない状況に置かれたほうが、選択肢があるときよりも幸せになれるというデータがある
知っている人も多いと思うけれど、僕たちが利用している「無料」のソーシャルメディアは、実は無料ではない。そこではあなたは顧客ではなく、商品だからだ
かけがえのない成果を手に入れるためには、たっぷりと時間をかけることが必要なのだ
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昔、土井と一緒にギリシャに留学したアメリカ人の男性は、「僕たちアメリカ人は日本人の2倍豊かだけど、ギリシャ人は僕たちのさらに2倍豊かだ」と言いました。
彼が今、どんな人生を送っているかわかりませんが、もしギリシャ人の時間感覚を理解していたなら、きっと豊かな毎日を送っていると思います。
なぜわれわれの生活はどんどん便利になるのに、われわれは今も忙しいのか。なぜわれわれはいつも焦っていたり、不安になっていたりするのか。
その秘密が知りたい方は、本書をじっくり読むといいでしょう。
強烈におすすめしたい一冊です。
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『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン・著
高橋璃子・訳 かんき出版
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761276150
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◆目次◆
イントロダクション 長い目で見れば、僕たちはみんな死んでいる
PART1 現実を直視する
第1章 なぜ、いつも時間に追われるのか
第2章 効率化ツールが逆効果になる理由
第3章 「時間がある」という前提を疑う
第4章 可能性を狭めると、自由になれる
第5章 注意力を自分の手に取り戻す
第6章 本当の敵は自分の内側にいる
PART2 幻想を手放す
第7章 時間と戦っても勝ち目はない
第8章 人生には「今」しか存在しない
第9章 失われた余暇を取り戻す
第10章 忙しさへの依存を手放す
第11章 留まることで見えてくるもの
第12章 時間をシェアすると豊かになれる
第13章 ちっぽけな自分を受け入れる
第14章 暗闇のなかで一歩を踏みだす
エピローグ 僕たちに希望は必要ない
付 録 有限性を受け入れるための10のツール
謝辞
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