【人生で「２度成功する」生き方】
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本日ご紹介する一冊は、エアビーアンドビー創業者のブライアン・チェスキーに尊敬され、同社を急成長させたシニアアドバイザーが教える、40代以上のためのキャリアのヒント。

若さとテクノロジーが物を言う今日のビジネス環境において、どう中高年が力を発揮するか、ヒントを示した一冊です。

本書の中で著者は、現在の中高年が置かれた状況を述べ、こう警鐘を鳴らしています。

＜私たちは両親より10年ほど長生きし、20年ほど長く働ける可能性があるのに、世の中で力を持つ人の層は10歳ほど若返りつつある。ということは、私たち年長者が自分の役割を考え直さなければ、数十年も「用済み期間」が続いてしまうことになる＞

著者のチップ・コンリー氏は、ホテル業界でブティックホテルという新ジャンルを確立し、計52軒のブティックホテルを経営、全米２位のブティックホテル企業に上り詰めた人物ですが、50歳を目前にして会社を売却し、生き方を変えようとしていたところ、エアビーアンドビーから声が掛かったということです。

本書には、著者の他にも、『モダンエルダー』として、50代を超えてから若い人々の力となり、成功している人物が出てきます。

それぞれの教えが役立つのはもちろんですが、どの人物もキャリアの転換期には悩んだわけで、その決断が読者の進路の後押しをしてくれるに違いありません。

50代という年齢は、自分でやるには年老いていますが、誰かの後押しをするには、十分若い。

経験を活かし、成長力ある若者を支援することで、再び意味ある生き方を追求したい人、誰かのアドバイザーとなって成功したい人に、本書は向いていると思います。

若いビジネスパーソンにとっては、自分たちの成長や成功を妨げる要因はどこにあるのか、どんな組織、アドバイザリーボードを作ればより成功が強固なものになるのか、確認する良い手段となるでしょう。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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チップはエアビーアンドビーがこれまでとは違うホスピタリティーを実践できると教えてくれた。エアビーのホストはゲストを名前で呼ぶ。ゲストに居場所を感じさせるのは、家や空っぽの空間ではなく、人なのだ（ブライアン・チェスキー）

2010年に、私はジョワ・ド・ヴィーヴルを売却することになった。理由は？この本でもっと詳しく私の話をすることになるが、ここではそろそろ潮時だと心のどこか奥深くで感じたからだとだけ言っておこう。もしかしたらあなたもそんな自分の声を聞いたことがあるかもしれない。その声を無視したり、いっとき黙らせたりすることは簡単だが、すると夜中にその声が大きくなってくる

「あのミーティングでどうしたらもっと上手にできたか、私が思ったことを伝えてもいいかな？」ジャックはまた、私が難しい判断をする必要があると知っている時によく、「何に気づかないふりをしているんだい？」と聞いてきた

「あなたのキャリアにとって重要な判断はいずれも、あなたがいない部屋で決められる。（中略）ならば、そこにいる誰かにあなたのためにしっかり戦ってもらうにはどうしたらいい？　あなた個人だけの取締役会を持つことを、絶対にお勧めするわ。（以下略）」（サリー・クラウチェク）

新しいアイデンティティをつくるにあたり、取り入れたい要素
・コラボーレーションの橋渡しをする
・思いやりとユーモアを忘れない
・焦らず、好奇心を持つ
・今ここに集中する

優れた質問で人の心が豊かになるように、若いスタートアップの企業精神も豊かになる。老舗企業では社員を目覚めさせ、悪い習慣を断ち切る環境がつくり出せるだろう

あなたの「個人のネットワーク効果」が評判になるほど、多くの人が相談しにやってくるようになる。次のことをすると、あなたの会社での評判が高まるので参考にしてほしい。（１）自分の人脈とノウハウを前向きに共有すること。（２）競争意識を持たず、守秘義務を守ること。（３）親身であり、頼れる存在であること。（４）質問を通じて本質的な気づきを促すこと。（５）後輩が本当に求めているものを読み取る力を身につけること

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明らかに40代以上を狙った本を手に取るのはちょっと気が引けたのですが（苦笑）、読み始めたら止まらないほど、読み応えがありました。

マイケル・ジャクソンや横井軍平のように、自分の才覚だけで２度成功するのは難しいけれど、本書の著者のように、誰かを後押しすることで２度成功するのは、再現性の高いやり方だと思いました。

50代以降、２度目の成功を目指す方に、本書はおすすめの一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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『モダンエルダー』チップ・コンリー・著
大熊希美、関美和・訳　外村仁・解説　日経ＢＰ

＜Amazon.co.jpで購入する＞
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◆目次◆

はじめに　ブライアン・チェスキー（エアビーアンドビーＣＥＯ）
第１章　ビンテージの価値は上がり続ける
第２章　私は「メンターン」？
第３章　新しい人生設計
第４章　レッスン１：進化する
第５章　レッスン２：学習する
第６章　レッスン３：コラボレーションする
第７章　レッスン４：相談に乗る
第８章　引退の代わりに、キャリアの立て直しを
第９章　経験がもたらす配当─職場の年長者を活かす
第10章 賢者の時代
付録
謝辞
解説　外村仁