【海洋堂社長の仕事哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905415
「相対主義から絶対主義へ」。
東日本大震災以降、そんな価値観のシフトが起こっている気がしてなりません。
これまでよりも豊かに、隣の家よりも裕福に、という相対主義を超えて、人々が、自分で納得のいく生き方を模索する、絶対主義の時代。
おそらくこれからもてはやされる人物は、人と比べてお金持ち、というのではなく、その絶対的生き方に魅力を感じる人物。
他人が何と言おうと、自分の信じるビジョンに向かってまっすぐ進んでいく人物ではないかと思います。
本日ご紹介するのは、そんな絶対主義の著者による一冊。
ご存じ、熱狂的ファンを持つ老舗フィギュアメーカー、海洋堂の社長、宮脇修一さんによる仕事論です。
<儲かる>よりも<「勝った!」といえる結果>を追求する、仕事にパワーを宿らせるためにあえて日陰者に徹する、誰もわからない10点のために、原価をかける…。
妥協なき仕事への姿勢、そして反骨心に、メラメラと闘争心をかき立てられる、そんな啓発書に仕上がっています。
個人的に好きだったのは、著者の仕事への厳しさを感じさせる、以下の一節。
<仕事上の仲間というのは、戦うべき相手。要するに、戦うに値する人間ということです。お互いにいい関係でいるためには、ゆるい関係は築かないことです>
ちょっと残業、徹夜をしただけで「ブラック企業」と呼ばれてしまう残念な時代に、一心不乱に打ち込むことの素晴らしさを教えてくれる、じつに清々しい一冊です。
仕事への心構えを新たにするために、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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どんな仕事でも、たとえ金銭的にはそれほど儲からなくても、「勝った!」といえる結果を残したい
ヒット商品にマーケティングはいらない
手を抜くことは、つらいこと
大切なのは、本当にやるべきことを見失わない力を持つということ
人生、勝ちを目指すことも大事ですが、極度に負けを恐れないことも大事です
世間にばかり目が向いてしまうと、モノづくりの主体が、自分たちではなく世間になってしまうような気がするんです
海洋堂はあえて社員を育てよう、教育しようなんて、おこがましいことは考えていません。ほったらかしです。育つ「場」さえあれば、ほったらかしても人は育っていくんです
いまの企業には、どこか「見守る力」みたいなものが欠けているような気がします
誰もわからない10点のために、原価がどんどん跳ね上がってしまうんです。その10点をあきらめれば、海洋堂はもっと儲かるかもしれません。しかし同時に、誰もわからない10点の部分が、海洋堂を支えているともいえるのです
そこにいるだけでメジャー感があるような場所からは、すごい作品なんて生まれない気がします。なぜなら、僕らのやっていることって、毒ガスを出すようなものだからです
「自分は完成した」と思うことは、戦う気持ちをなくしてしまうのと同じ
仕事上の仲間というのは、戦うべき相手。要するに、戦うに値する人間ということです。お互いにいい関係でいるためには、ゆるい関係は築かないことです
下請けとか元請けとか、関係ありません。しょせん下請けだとバカにして、こちらが真剣にならなければ、相手もそれなりの仕事しかしないものです
仕事の疲れは仕事でとる
好きなこと、やりたいこと、会いたい人、知りたいこと、見たいもの。これらをすべて、仕事に結びつけてしまえばいいんです
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『「好きなこと」だけで生きぬく力』宮脇修一・著 WAVE出版
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◆目次◆
はじめに 「好き」という力が、人を強くする
第1章 “非”常識な力を身につける
第2章 究極のプロに学ぶ仕事力
第3章 「人間力」こそ最強の武器
第4章 死ぬまで買わせる技術
第5章 「好き」を極めて生きていく
おわりに 「あるべき姿」より「こうありたい」を大切にする
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