2021年3月4日

『人生、何を成したかよりどう生きるか』 内村鑑三・著 vol.5707

【内村鑑三、伝説の講義。】
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本日ご紹介する一冊は、日本を代表する思想家、内村鑑三の伝説の講義の現代語訳版。

解説を、ベストセラー作家であり、元外務省の主任分析官、佐藤優さんが書いています。

100年以上前の講義ということで、現在から見ると若干、不適切な表現はあるのですが、混迷の時代、どこへ進めばいいのか、何を指針に取り組めばいいのか、方向性が明確になる内容です。

<のこすべきものはまずはお金、次に事業>
<清らかな目的のためにお金を使う>
<思想があって、それを実行できなくても、紙に書いて後世に遺せば、それは大事業>
<どんなに立派な本でも書いた人の一生には敵わない>

自分がどんなに恵まれなくても、才能がなくても、後世に何かを遺すことはできる。

青雲の志を持ってこれから活躍しようとする若者はもちろん、中高年が読んでも、希望が湧いてくる内容だと思います。

現代語に訳されたこともあり、難解な箇所はほとんどなく、自己啓発書感覚で読んでも心に響くと思います。

さっそく、本文の中から、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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「清らかな欲望」を持つ

有名な天文学者のハーシェルが20歳くらいのときに、友人に「愛する友よ、私たちが死ぬ時は、生まれたときより、世の中を少しでもよくしてから死んでいこうではありませんか」と言ったそうです

社会のために財産を築く

清らかな目的のためにお金を使う

教育に従事する人は、「お金をもうけるのはいやしいことだ」などと言って、事業をする人の足を引っ張らないでほしいのです。あるアメリカのお金持ちが「私はお前にこのお金を遺すが、この中に汚いお金は一銭もない」と言って子どもに遺産を遺したそうですが、私たちにはそういうお金が必要なのです

一生かけて、誰にも知られず、褒められることもなく、黙々と作業をして、兄弟は大事業を成し遂げました。(中略)箱根用水を使っている村の人口がどれくらいかは忘れましたが、その地域は源頼朝の時代からずっと米作を続けています。この用水路のおかげで旱魃の被害に遭ったことはないそうです

思想を遺すのは大事業です。思想を遺すことで、将来に向けた事業を遺したといえるでしょう

文学は世界に対して戦いを挑むための道具です。今戦えないから、将来に向けてずっと戦うのが文学です

文学や教育は事業やおかねもうけよりは簡単です。なぜならひとりでできるからです

では最大遺物とは何でしょうか。後世に誰でも遺せて、有益で害にならないものは、勇ましくて高尚な人の一生です

他の人がやりたがらないことをしなさい

私たちは、味方が少なくても、正義の側について、不正義の多数派の集団に石を投げなくてはいけません

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個人的には、『代表的日本人』の方が好きですが、読みやすさではこちらの方が勝ると思います。

『代表的日本人』
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最初の一冊に、ぜひ読んでみてください。

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『人生、何を成したかよりどう生きるか』
内村鑑三・著 文響社

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◆目次◆

はじめに 1000年以上、人の心を震わせ続ける言葉
『後世への最大遺物』内村鑑三 現代語訳
1894年7月16日 夜7時
1日目 のこすべきものはまずはお金、次に事業である
1894年7月17日 朝8時
2日目 だれもがのこせる唯一のものがある
先が見えない時代をどう生きるか
『後世への最大遺物』を今読む人へ 解説 佐藤優

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