【橋下徹氏がキャリアを語った、注目の一冊】
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本日ご紹介する一冊は、弁護士として出演した「行列のできる法律相談所」で一躍有名になり、その後38歳で大阪府知事、2011年に大阪市長に就任、2015年に政治の世界から引退した著者が、自身の半生を振り返りながら、個人のキャリア戦略を説いた一冊。

もともとは、2019年４月に開催された「橋下徹特別講演会～自分で限界を作るな!!　やってみなきゃわからない～」の内容をベースに、大幅加筆・構成したもので、講義録ならではの生っぽさが魅力の内容です。

どんどん個人の仕事を引き受けて、１日も早く独立するため、報酬の30％を事務所に入れた話、先輩からの突然の依頼を引き受け、テレビに出た話、当時弁護士が掲げていなかった「スピード」を強みにした話など、若い人が読めば、ワクワクするエピソードが満載です。

何もないところからキャリアを作るにはどうすればいいのか。

悩んでいる方は、ぜひ本書を読むことをおすすめします。

個性の強い方ですし、政治家も務めたということで、とくに大阪府にお住まいの方の中には、著者のことを嫌いな方もいらっしゃるでしょうが、キャリア戦略の本として読めば、これほど面白い本もそうそうないと思います。

騙されたと思って、一読することをおすすめします。

さっそく、本文のなかから、いくつかポイントをチェックして行きましょう。

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所属する事務所に対して引け目を感じることなく、どんどん個人の仕事を引き受けて、１日も早く独立の足がかりを作りたかった。だから、個人の仕事で得た報酬の30％を入れようと思いました。つまり、事務所のリソースの「使用料」を払う代わりに、僕は個人として自由に仕事をさせてもらえる「環境」を整えることにしたのです。一般的に、弁護士事務所の経費率は約55％とされているため、報酬の30％というのは、むしろ安いくらいだと考えていました

ある領域を広げたり伸ばしたりしたいと思ったら、その裏側にある領域も同時に広げたり伸ばしたりしなくてはいけない。その裏側にある領域とは、責任や義務や努力です。それらを背負うことなくして、自由や権利やチャンス・利益を得ることなどできないのです

個人の価値は仕事の大きさによって決まると思う人が多いかもしれませんが、僕の人生経験からすると、仕事の大きさなんていうものはたいしたことじゃない。それよりもはるかに重要なのは、「自分にしかない価値」を持つことです。つまり「自分にしかできないこと」なのか、「誰にでもできること」なのか。たとえ大きな仕事をしていても、誰にでもできることだったら、それは自分の価値が上がることではないということです

一つの強みだけをひたすら追求する時代は、もう終わったといっていいでしょう。この流れは、今後さらに加速していくはずです。だとしたら、いっそ節操がないというくらい、いろんなことに触れて、チャレンジしてみたほうがいい

色々な強みを持ったら、その中で主従を決める必要はありません。複数ある自分の強みのうち、どれかを選択するのは自分ではありません。それは仕事の依頼主だったり、お客さんだったり、相手が選択するものです

チャンスをつかめるかどうかは単なる確率の話であって、能力は二の次です

迷ったら、「大胆なほう」へ前進せよ

チャンスをものにしている人の共通点は、皆、その時々に、一生懸命手を抜かず、圧倒的な量で行動しているということ

質の向上は報酬の上昇とセットになっているからこそ、質が上がることで量に追われなくなり、それまで数をこなすために使っていた時間を別のことにも割けるようになる

永久不変の「強み」は存在しない

自分の中に「持論工場」を持て

闇雲なインプットではダメなのです。持論をアウトプットする目的を持って、のインプットです

目の前の人間関係は永遠ではない

どんな組織にも、表からは見えないルールや秩序や慣習、つまり「見えない掟」のようなものがあります。一つの組織に属するというのは、言い換えれば、その組織特有の掟を守るということ（中略）その些細な掟に気づくことができるかどうかが、その組織内でうまく立ち回れるかどうかを左右するのです

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政治の世界で揉まれてきた著者ならではの人間観、組織観も面白かったですが、何と言っても前半のキャリア戦略の部分が秀逸。

どうすれば、いち組織人、いち専門家がその他大勢から抜きん出ることができるのか。

そのヒントが本書には書かれています。

自己啓発書ではなく、キャリア本として真面目に読んでいただきたい一冊です。

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『異端のすすめ』橋下徹・著　ＳＢクリエイティブ

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◆目次◆

はじめに
第１章　突き抜けるには、リスクを取れ
第２章　自分の商品価値を高めよ
第３章　物怖じすればチャンスは終わる
第４章　「情報マニア」になってはいけない
第５章　合理的に人と付き合え
第６章　批判と侮辱を同一視してはいけない
第７章　心から納得できる人生を生きる