【これから活躍する人材の要件とは?】
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本日ご紹介する一冊は、電通、BCGなどで戦略策定、文化政策、組織開発などに従事した山口周さんが、「これから活躍する人材要件」とその理由を提示した一冊。
オールドタイプ「正解を探す」→ニュータイプ「問題を探す」
オールドタイプ「予測する」→ニュータイプ「構想する」
オールドタイプ「KPIで管理する」→ニュータイプ「意味を与える」
オールドタイプ「奪い、独占する」→ニュータイプ「与え、共有する」
などと、「オールドタイプ」「ニュータイプ」を対比して解説しているので、何が変わったのかが明確にわかります。
なぜ日本企業が行き詰まっているのか、なぜ多様化が進むのか、なぜテクノロジーやデザインでも問題が解決しないのか、どうすれば「意味のあるビジネス」でかつ収益性を高められるのか…。
これからのビジネス、組織づくり、働き方やキャリアの参考になる視点が満載で、これは今読むべき一冊と確信しました。
時代が変わると、必ず活躍する顔ぶれが変わりますが、それは、時代によって求められる「人材要件」が変わるから。
時代に求められる人になるために、あり続けるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。
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「問題の希少化」を招いたのは構想力の衰え
「ローカル×メジャー」から「グローバル×ニッチ」への構造転換
現在の市場においては「役に立つ」ことよりも「意味がある」ことに経済的価値が認められている
仮に「素晴らしいデザイン」と「素晴らしいテクノロジー」が組み合わさったとして、それは「素晴らしいプロダクト」になり得るのでしょうか?
「WHAT=目的」がわからず、「WHY=理由」もはっきりしない営みに人は「意味」を感じることができません
完全にAを追尾するマジメアリだけのコロニーよりも、間違えたり寄り道したりするマヌケアリがある程度存在する場合の方が、エサの持ち帰り効率は中長期的には高まることがわかりました(中略)エラーを起こすことで、偶然に最短ルートが発見され、他のアリもその最短ルートを使うようになり、結果的に「短期的な非効率」が「中長期的な高効率」につながる
不確定な時代こそ「真・善・美」による意思決定をする
今、求められているのは、経済指標に代わるような新しい「質的指標」を並立させ、これをしなやかに使いこなすニュータイプ
「役に立つ」市場では評価指標が収斂するため、いわゆるKPIを設定してそれを改善するという「量的指標のマネジメント」が有効に機能しました。しかし、このアプローチは「意味がある」市場では有効に機能しません
大量に試して、うまくいったものを残す
人生の豊かさは「逃げる」ことの巧拙に左右される
世の中には「痛みを感じない」という人がいます。これはもちろん「我慢強い」という意味ではなく、疾患として「痛覚の神経を持たない」という意味です。そして、とても気の毒なことですが、このような疾患の持ち主は長生きできない、統計的に短命であることが知られています
マラソン化する人生では「シェア」と「ギブ」が成功要因
「要するに○○でしょ」というまとめ方は、相手から聞いた話を自分の持っているメンタルモデルに当てはめて理解しているに過ぎません。しかし、そのような聞き方ばかりしていては、「自分が変わる」契機は得られません
自分と世界の見方を異にする「他者」を、学びや気づきの契機にすることで、私たちは今までの自分とは異なる世界の見方を獲得できる
カギは速習ではなく「古い学びのリセット」
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現在の社会で活躍している人、花形を目指す端役には社会を変えるインセンティブがない、というのはおっしゃる通り。
とはいえ、「舞台の上で適切に振る舞うことでしたたかに発言力・影響力を高めながら、脚本そのものへの批判的な眼差しは失わない」かつ「改変を担う」というのは、オールドタイプかニュータイプかという問題ではなく、リスクを取れるかどうかの問題なので、そんな人物がどこから出てくるのか…。
「われこそは」と思う方は、ぜひ本書を読んで革命を。
じつに興味深い一冊です。
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『NEWTYPE ニュータイプの時代』山口周・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
はじめに
・「20世紀的優秀さ」の終焉
・「正解を出す力」に、もはや価値はない
・オールドタイプは現代の問題を拡大再生産している
・ニュータイプは問題を「発見」できる人
第1章 人材をアップデートする6つのメガトレンド
──ニュータイプへのシフトを駆動する変化の構造
第2章 ニュータイプの価値創造──問題解決から課題設定へ
第3章 ニュータイプの競争戦略──「役に立つ」から「意味がある」へ
第4章 ニュータイプの思考法──論理偏重から論理+直感の最適ミックスへ
第5章 ニュータイプのワークスタイル──ローモビリティからハイモビリティへ
第6章 ニュータイプのキャリア戦略──予定調和から偶有性へ
第7章 ニュータイプの学習力──ストック型学習からフロー型学習へ
第8章 ニュータイプの組織マネジメント
──権力型マネジメントから対話型マネジメントへ
おわりに
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