2018年1月29日

『逆張り投資家サム・ゼル』サム・ゼル・著 井田京子・訳 長尾慎太郎・監修 vol.4940

【5000億円儲けた「墓場のダンサー」の投資術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775972286

本日ご紹介する一冊は、ひさびさにワクワクする投資関連本。

常に逆張りのその姿勢から、「墓場のダンサー」と呼ばれ、不動産投資、起業などで5000億円儲けたという伝説の投資家、サム・ゼルによる自伝的投資本です。

小さい時から、周囲を気にせず生きていたという著者は、本書にこんな言葉を記しています。

<いつもみんなと同じことをするのではなく、自分が本物だと信じるものを選んできた。みんなから外れることになろうとも、私一人になっても、だ>

そう、この本、投資に役立つだけでなく、言葉がいちいちカッコイイのです。

<常識は目安のひとつにすぎない>
<希少性があれば、値段は関係ない>
<競争がなければ、価格だけでなく市場も牛耳ることができる>
<すべてはタイミングで決まる。(中略)しかも、完璧なタイミン
グだったかどうかはあとにならなければ分からないのだ>
<リスクは究極の差別化をもたらす>

読んでいてシビれる投資哲学に、強烈なエピソード。これはもう読むしかありません。

さっそく、ポイントを見て行きましょう。

———————————————–

「みんなが左に行くときは、右を見ろ」である。常識は目安のひとつにすぎない。むしろ、ひどい衰退を招く考え方にもなり得る

希少性があれば、値段は関係ないということだ。これは、需要と供給の基本原則であり、のちに私の投資理念を支配する原則になった

競争がなければ、価格だけでなく市場も牛耳ることができる

彼(ゼッケンドルフ)は、資産をパーツの合計として見ることで、全体の価値を上げることができると考えていた。異なるパーツは異なる買い手にとって価値がある。ゼッケンドルフは所有する物件の価値を最大限にする。つまり一+一を三にすることができた

需給が不均衡なとき、私は二つの線がどこで交差し、買うのと造るのとどちらが安いかを検討する。たいていは買うほうで、このほうが開発に伴うリスクの多くを排除することもできる

テナントは景気が良いときは動かないが、景気が悪くなると賃料が下がるため、より良い物件に移る傾向がある

私たちが資産集約型の投資を好むのは、最悪の事態に陥っても売却するものがあるからだ

需要が変わらず供給が下がっていることを示す二本の線を理解するのに、MITの学位はいらない。ある時点で、二本の線は交差し、そのとき車両を持っている人が大儲けすることになるのは明らかだ。当時、アイテルの車両は需要のなさから三二%しか稼働していなかった。業界全体でも、平均稼働率は古い車両になるとさらに低く、廃車率が増えていた。そうなると、理論的な戦略はアメリカ中の中古車両を買い占めることだと思い、それを実行した

先行者利益は自信がなければ取ることはできない。同業他社がテレコム法案の意味を検討し、それがどのように導入され、自分たちにとって良い変化なのか悪い変化なのか熟考している間に、私たちは行動を起こし、買える局をすべて買っていったのである

すべてはタイミングで決まる。(中略)しかも、完璧なタイミングだったかどうかはあとにならなければ分からないのだ。そんなわけで、私が二〇〇七年初めにエクイティ・オフィスを三九〇億ドルで売却したとき、その先のことはまったく分かっていなかった

リスクは究極の差別化をもたらす。私は常にリスクと深く複雑にかかわってきた。私は無鉄砲な人間ではないが、平均以上のリターンを上げ続けるためには、人生でも投資でも、リスクをとることが唯一の方法だと思っている

———————————————–

投資の役に立つのはもちろんですが、生き方・処世術としても勉強になります。

日本語版のまえがきを<私はスギハラサバイバーの子供である>で始めた著者は、「高潔さ」について、こう述べています。

<高潔さというのは、法に従うことだけではない。人とどう接し、公平かつ公明正大に仕事をし、当然ながら約束を守るということなのだ>

かつて杉原千畝という、世界から尊敬される人物を輩出したにもかかわらず、現実には過去の慣例に従い、特定団体の利益のために挑戦者を潰してしまう日本の大人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

そしてもちろん、投資家・起業家には、儲けのヒントとして読んでいただきたい、今イチオシの投資本です。

ぜひ、読んでみてください。

———————————————–

『逆張り投資家サム・ゼル』サム・ゼル・著
井田京子・訳 長尾慎太郎・監修 パンローリング

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775972286/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B078PBTPPH/

<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2Ej3dVh

———————————————–

◆目次◆

日本の読者のみなさんへ
監修者まえがき
まえがき──私は本気だ
第1章 あり得ない人生
第2章 怖いもの知らずのスタート
第3章 自分のルール
第4章 墓場のダンサー
第5章 地獄へ
第6章 カサンドラ
第7章 ゴッドファーザーの提案
第8章 視界ゼロ
第9章 国境はない
第10章 私の会社を支えるカルチャー
第11章 違いを生み出す
第12章 偉大さを目指して
謝辞

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー