【桑田真澄、プロフェッショナル精神を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344018249
本日の一冊は、PL学園で1年生からエースとして活躍し、5大会連続甲子園出場、うち2回優勝、ドラフト1位で入団した巨人では、栄光の背番号18を守り続けたエース、桑田真澄さんによる回顧録。
野球ファン、桑田ファンの本かと思いきや、意外や意外。
今どき謳われなくなったプロフェッショナルの精神と、スポーツマンシップを説いた、じつにすがすがしい一冊でした。
名著として知られる『達人のサイエンス』がお好きな方は、きっと気に入る内容だと思います。
※参考:『達人のサイエンス』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4531080785
副題に「超効率的努力のススメ」とあることから、一見スマートな努力の仕方を連想させますが、著者がやっていたことは、じつに愚直なことばかり。
「超効率的」となったのは、がむしゃらにやることによって手抜きが発生したり、ケガをして責任を果たせなくなるから、という著者の信念によるものでしょう。
著者は、本書のなかで、礼節や謙虚さ、道具や人への感謝を説いており、これらを「裏の努力」と呼んでいます。
最近、なかなか言われなくなっていることだけに、逆に新鮮味がありました。
本書の最大の魅力は、人生のさまざまな局面で著者がどう考え、どう難局を乗り越えていったのか、その軌跡がわかることだと思います。
なかでも、著者が右肘の手術から復帰したときの奥さんからの手紙は、読んでいて思わず涙が出てくるほどでした。
「一流」を目指す方なら、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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試合で必要なのは普通のゴロを着実にさばける技術である。何メートルも走ってボールに飛びつく練習よりも、正面のゴロを何球も処理する方が、選手の守備力は確実に上がる
だいたい人間は500回も1000回も全力では振れないもの。もしそんなに振るとすれば、手抜きせざるをえない。つまり脳や身体が手抜きを覚えてしまうのだ
「表の努力」と「裏の努力」を説明しておくと、表の努力というのは、ランニングをしたり、ピッチングをしたり、要するに技術・体力をつける練習のこと。裏の努力というのは、トイレ掃除だったり、草むしりだったり、挨拶や返事であったり、ゴミが落ちてたら拾うことだったり、玄関先で靴が乱れていたら揃えることだったり……
特待生やスポーツ推薦だからこそ、きちんと振る舞わなければならないと考えていたのだ。それを先生たちが見たら、「特待生のやつらはいいぞ」「スポーツ推薦の生徒はしっかりしているな」となって、後輩たちも入学しやすくなる
道具を粗末に扱う選手はプロフェッショナルじゃないと思う
手術を受けて成功した人はいるけれど、リハビリに成功した人は少ない
生活のすべてが野球のためだという、徹底したプロ意識。そういう意識をもてる人こそが、真のプロフェッショナルだ
「目の前に起こったことはすべてパーフェクト」たとえ試練に遭遇したとしても、それは必然であり、乗り越えることで人は磨かれていく
先生だって、友達だって、人間自分が一番かわいい。だから人を利用したり、突然手のひらを返したり、そういうことはあるものなんだ
いつも上を見続けるから、すごく苦しくなってしまう。あまりに苦しくて苦しくて、仕方ないときは、一歩引いた立場から全体を見てみる。そうすれば、自分がどれだけ恵まれているか実感することができる
完璧を求める思いと心の平和は水と油だ。現状よりいいものばかりを求めていると、不満のみが増殖されていく。現状に満足し、感謝し、人生を楽しむ。完璧ばかり追い求めなければ、人生はそれ自体で完璧なのだ
“金の卵”は大事に扱わないと、殻が簡単に割れてしまう
気づく人と気づかない人。それだけで大きな差が生まれてくる
小さな会社だったし、プロの契約選手を大勢抱えている大手メーカーとはわけが違った。もしも僕が他のメーカーに移籍してしまったら、その会社の方々がそれまでに努力してきてくれたことも、僕に対してよくしてくれたことも、みんな水の泡になってしまう。だから僕は、できるだけ長く「ワールドペガサス」のグローブを使おうと決めて、結局、現役生活の最後までそれを使い続けた
なぜ野次ってはいけないのかというと、それは多数で一人を攻撃する行為はやはり卑怯だから
常に強いチームを作ろうとすれば、現時点で力のある選手ばかりを集めてはいけない
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『心の野球 超効率的努力のススメ』幻冬舎 桑田真澄・著
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◆目次◆
序章
第1章 努力
第2章 野球エリート
第3章 怪我は勲章
第4章 試練
第5章 超マイナス思考
第6章 無常観
第7章 指導者とは
第8章 仁
第9章 成長の法則
第10章 万里一空
第11章 感謝
第12章 桑田流プロフェッショナルの定義
第13章 因果応報
第14章 情
第15章 プロセス
第16章 調和
第17章 挑戦
第18章 心の野球
終章 “わしぇら”で学ぶ
あとがきにかえて
全記録─桑田真澄の軌跡
プロフィール
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