2024年10月8日

『ドイツ人のすごい働き方』西村栄基・著 vol.6577

【時間をかけずに成果を上げるには。】
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本日ご紹介する一冊は、GDPで日本を抜き世界第3位、日本に比べて約1.5倍の労働生産性を誇るドイツの働き方を、欧州ビジネス歴30年、ドイツ在住17年の著者が書いた一冊。

以前ご紹介した『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人』は、制度面の話が多かった印象ですが、こちらは現場の話を中心に紹介した、より実践的な内容です。

『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人』
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ドイツの生産性の高さは、いろんなメディアで知られるようになりましたが、改めてまとめると以下のようになります。(本書「はじめに」より)

・GDPは、日本を抜き世界第3位(2023年)
・日本に比べて約1.5倍高い労働生産性(2022年)
・日本より年間266時間短い労働時間(2022年)
・日本より約40%多い平均賃金(ドル換算・2022年)

本書では、このドイツ人の働き方を、現場で実際に体験した著者が、ドイツ人同僚の声も交えながら紹介。

ドイツ人の日々の習慣もそうですが、ドイツの職場のワークスペース、カフェスペース、会議の進め方なども紹介されており、これは実際にドイツで働いていないと得られない情報だと思いました。

片づけの徹底や新年の計画の立て方、帰宅直前と出社直後に取る2種類のメモなど、日本のビジネスパーソンが今すぐマネできる優れたシステムが紹介されています。

なかでも、1年の最初に目標を立てる時の4項目、ドイツ流片付けの3原則は、読んでおいて損はないと思います。

1年の最初に立てる目標
・仕事ではどんなプロジェクトに挑むのか
・旅行ではどんな新しい経験をするのか
・家族とはどんな貴重な時間を共有するのか
・自己投資ではどの分野を学ぶのか

ドイツ流片付けの3原則
・ホームポジションの原則
・スリムアップの原則
・アップデートの原則

200ページちょっとの薄い本ですが、ドイツ人に学ぶべき仕事のエッセンスが過不足なく書かれています。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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思考のスケールは作業スペースの広さに比例する

大切な決定は上から下へ自動的に伝わっていくため、会議には本当に必要な人だけが集まり、すっきりと進行します

会議前に、あらかじめ議事録のテンプレートを作ってしまう

ドイツの企業では、一般的に年間30日の有給休暇が与えられます。さらに完全週休2日制で、祝日を加えると年で110日ほどの休日がありますから、合わせると約140日も休んでいる

ドイツには、新年が明けたらまず「今年はいつ休むか」の休暇計画を立てる習慣があります。まずは約30日間、仕事を入れない日をつくってしまうのです

未来の予定が具体化されていることで、先々に明るいビジョンを描け、それが実現することへの期待をふくらませた状態で日常を送ることができる

1年の最初に立てる目標
・仕事ではどんなプロジェクトに挑むのか
・旅行ではどんな新しい経験をするのか
・家族とはどんな貴重な時間を共有するのか
・自己投資ではどの分野を学ぶのか

「デュアルシステム」で訓練を受け、「ゲゼレ(Geselle・職人)」という資格を取得後、マイスター試験で合格した、技術と知識を持ち合わせた者のみ「マイスター」と認められて手当の支給や優遇措置を受けられます

「朝起きてからやること」を明確にしておく

ドイツ流片付けの3原則
・ホームポジションの原則
 モノの住所を決めて、使ったら必ず戻す
・スリムアップの原則
 定期的に持ち物を見直し、最低限のモノ以外は整理する
・アップデートの原則
 もしモノを買ったら、同じ種類・用途のモノを手放す

帰宅前に何をメモするかといえば、「翌日行うべきタスクのリスト」

出社直後には、「帰宅前メモ」にあるタスクの所要時間を見積もり、重要度と緊急度も考慮して、スケジュールに組み込んでいく

チェックリストを増やしても問題は解決しない

仕事を「ストック型」に転換する5ステップ
(1)考える時間を確保する
(2)業務の全体の流れを文書化する
(3)業務を「定型業務」と「非定型業務」に分類する
(4)「定型業務」をマニュアル化する
(5)「定型業務」を自動化する、もしくは人に任せる

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さらりと読めて、参考にするところの多い実践的な内容です。

ビジネスパーソンは現場での働き方の参考に、経営者・マネジャーは職場の生産性向上のヒントとして、ぜひ読んでみてください。

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『ドイツ人のすごい働き方』西村栄基・著 すばる舎

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◆目次◆

はじめに
序 章 ドイツ企業の1日
第1書 抜群の生産性を生む ドイツ社会の仕組み
第2章 無理せず成果が出る「ドイツ式働き方」
第3章 メンバーの能力を引き出す「ドイツ式マネジメント」
第4章 ドイツ式×日本 ハイブリッドワークスタイルのススメ
おわりに

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