2024年8月2日

『強いチームはなぜ「明るい」のか』吉岡眞司・著 vol.6533

【大きなことを成し遂げるメンタル術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344987411

先日、パリ五輪で、バレーボール世界ランキング1位のポーランドの試合を観て、あることに気づきました。

選手たちがとにかく「明るい」のです。

なかでも違いが現れたのが、ゲームの合間の練習の時でした。

対戦相手のエジプトは、練習相手が失敗すると嫌な顔をしましたが、ポーランドの選手は、相手の失敗を笑顔で返し、ラリーを通じてお互いの気分を高めていたのです。

本日ご紹介する一冊は、この「明るい」チームビルディングの手法を、慶應義塾高校を107年ぶりの甲子園優勝に導いたメンタルコーチ、吉岡眞司さんが述べた一冊。

著者は、慶應義塾大学卒業後、神戸製鋼所で入社2年目から国家プロジェクトをマネジメント。

その手腕を見込まれ、日本航空に転籍し、営業・企画部門におけるトップマネジメント経験を経て、2015年に能力開発向上フォーラムを創立し、代表理事に就任した人物です。

西田文郎氏の『No.1理論』に出合い、ナポレオン・ヒルの『成功哲学』や月刊誌『致知』のエッセンスを用いながら、慶應義塾体育会野球部、慶應義塾高等学校野球部、箕面自由学園高等学校チアリーダー部などのメンタルサポートに関わり、成果を出してきたという著者の、興味深い理論・手法が紹介されています。

「明るい=雰囲気のいい」チームに見られる7つの特徴、とんでもない結果を出すための壮大な目標とスモールステップ、自分やチームがノってくる「魔法のポーズ」、緊張状態でも結果を出すための言葉の使い方…。

スポーツや音楽、舞台パフォーマンスに関わる人はもちろん、本番で結果を出したいすべての人に役立つ内容です。

「社会的な成功」と「人間的な成功」の話も、じつに示唆に富んでいて、読み応えがありました。

リーダー、マネジャーはもちろん、人を指導する立場にある人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

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「明るい=雰囲気のいい」チームに見られる7つの特徴
・個々のメンバーが、チームにおける自分の役割・立場を自覚し、指示を待つことなく自ら考え、主体的に行動している
・メンバー同士がお互いに尊重し合い、仲間を思いやる心や感謝の気持ちを持っている
・「ありがとう!」「いいね!」などのポジティブな言葉が飛び交っている
・メンバー各々がいい表情をしている
・大きな目標を掲げている。それが、側から見ると「そんなの無理」と思えるようなレベルのものであっても、メンバー全員が「絶対に実現できる」と信じている
・その目標の実現に向けて、一人ひとりがコツコツと努力している。心身を追い込むような練習も、チームで励まし合いながらいい表情で乗り越えている
・仲間がミスをしてもなじったり怒ったりすることなく、その仲間を励まし、勇気づける言葉をかけている。また、一人のミスをほかのメンバーでカバーしようと行動している

ジャンケンで負けても「よっしゃ!」と叫んで喜んでみる

マイナスの言葉を即座にプラスの言葉で上書きする

「被災地の方たちを元気づける」という「誰かのために」の要素が加わったことで、なでしこジャパンは次々と強豪国に勝ち、決勝ではアメリカと対戦。PK戦までもつれた激闘を制し、優勝の快挙を成し遂げた

「社会的な成功」は「人間的な成功」を目指すルートの一つにすぎない

設定する目標は、壮大なものでかまいません。人に言うと、笑われてしまうようなものでも大丈夫です。でも、その目標を実現するためには、やるべきことをとことん細分化して実行する–つまり、脳が拒絶反応を示さないようにスモールステップを刻む必要がある

魔法のポーズ
何か良いことがあったときに、必ずそのポーズを行うように心がけてみる

目の前のライバルに勝つよりも、はるかに高い目標を掲げてみる

憧れを抱くと「追い越してはいけない」と脳がブレーキをかける

「○○しないようにしよう」ではなく、具体的にどのような状態になればよいのか、その状態を肯定的で、かつ断定形の短い言葉に言い換えればよいのです。「緊張しないようにしよう」を「リラックスする」のように。すると、脳は「リラックスしている」状態をイメージするので、緊張状態から脱しやすくなるというわけです。「ミスしないようにしよう」ではなく「しっかりと守る」。「ゴールを外さないようにしよう」ではなく「右隅にシュートを決める」といった感じです

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著者は、「ミスターラグビー」こと平尾誠二氏とも親交があったらしく、「おわりに」では、平尾氏のリーダー論、チーム論も紹介されています。

どうすれば、明るく強いチームを作れるか。

スポーツ、ビジネスを問わず、リーダー、マネジャーの立場にある方、自己研鑽したい方は、ぜひ読んでおくといいでしょう。

これはおすすめの一冊です。

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『強いチームはなぜ「明るい」のか』吉岡眞司・著 幻冬舎

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◆目次◆

序章 成果を挙げているチームはなぜ「明るい」のか?
第1章 「プラスの出力」をすれば、意欲と行動が変わる
第2章 笑われてもいいから「ワクワクする」目標を掲げる
第3章 「大きな夢」は「スモールステップ」でかなえる
第4章 苦しい時に絶大な効果を発揮する「魔法のポーズ」
第5章 緊張やプレッシャーも「楽しい!」と思えれば克服できる
第6章 「明るいチーム」はコミュニケーションから生まれる
第7章 「明るいチーム」がメンバーの主体性を育む
おわりに

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