【文章の達人が愛した名言】
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本日ご紹介する一冊は、稀代の文章家、故・近藤勝重氏の遺作。
ビジネスブックマラソンでも、過去に『必ず書ける「3つが基本」の文章術』、『書くことが思いつかない人のための文章教室』などをご紹介しているので、記憶にある方も多いのではないでしょうか。
『必ず書ける「3つが基本」の文章術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498398X
『書くことが思いつかない人のための文章教室』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344982339
「はじめに」の日付が2024年5月6日、亡くなられたのが5月10日ですから、本当にこれが最後の作品だったようですね。
内容は、著者が選んだ先人たちの名言を集め、解説したもので、人生訓、処世術として読むといいと思います。
夏目漱石、シェイクスピア、アラン、アインシュタイン、キルケゴールなど、主に作家や哲学者の名言が集められています。
いわゆる古典名著から引用している言葉が多いため、読書家の方であれば、既視感のある名言も多く見つかるかもしれません。
とはいえ、人間洞察の達人が解説を加えているので、単なる名言の寄せ集め本ではありません。
対人関係や仕事術、恋愛、教育などに関して、興味深い洞察が加えられています。
なかでも興味が湧いたのが、教育に関する部分。
最善のことを言うよりも
もっとよいことは
つねに最善のことを
言わずにおくことである
(ウォルト・ホイットマン)
為すべきことは
熱を与えることではなく
光を与えることなのだ
(ジョージ・バーナード・ショー)
など、教師や上司が知っておくべき、教育の教訓が書かれており、興味深く読ませていただきました。
さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
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触らぬ神に祟りなしというが
それと同じく
触らぬ人に祟りなしである
自分の気持を清浄に保つのには
対人関係を
なるべく少なくするのが
一番よいようだ
(菊池寛「人の世話」)
「会社には、頭でいく人間、体でいく人間、心でいく人間、そういう連中が混在していたほうが組織は活発化していいんだ」
(大手製薬メーカーに勤務し、社長になった著者の友人)
自分自身のことについて
誠実でない人間は
他人から
重んじられる資格はない
(アインシュタイン)
自分自身に対する誠実さと
他人に対する優しさ
全てはこの二つに包括される
(孔子の言葉)
上機嫌の波は
あなたの周囲に広がり
あらゆる物事を
あなた自身をも
軽やかにするだろう
(アラン『幸福論』)
最善のことを言うよりも
もっとよいことは
つねに最善のことを
言わずにおくことである
(ウォルト・ホイットマン)
為すべきことは
熱を与えることではなく
光を与えることなのだ
(ジョージ・バーナード・ショー)
簡単すぎる人生に
生きる価値などない
(ソクラテス)
どうでもいいことは
流行に従い
重大なことは
道徳に従い
(小津監督)
ほんとうに黙することのできる者だけが
ほんとうに語ることができ
ほんとうに黙することのできる者だけが
ほんとうに行動することができる
(キルケゴール)
幸福は、その人が真の仕事をするところに存在している(アウレリウス)
人は秘密を友に話すが、その友にも友がいる(トルストイ)
健康な人には
病気になる心配があるが
病人には
恢復するという
楽しみがある
(寺田寅彦「KからQまで」)
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役に立って味わい深い、教訓や処世術が書かれていますが、個人的には、名教師であった著者の教育論に興味を持ちました。
巻末に、「さよなら、私の師匠」と題して、作家の桜木紫乃さんがメッセージを寄せています。
ぜひ読んでみてください。
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『人間通の名言』近藤勝重・著 幻冬舎
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◆目次◆
はじめに
第一部 人間関係の楽しさと難しさ
第二部 謎だらけ、男と女
第三部 上機嫌に生きるコツ
第四部 人は言葉に気づかされ、言葉に励まされる
おわりに
さよなら、私の師匠–桜木紫乃
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