【禅の教えでキレイに生きる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/429540988X

本日ご紹介する一冊は、曹洞宗徳雄山建功寺住職であり、多摩美術大学名誉教授、2006年には「ニューズウィーク」日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出された枡野俊明さんによる一冊。

これまでにも『心配事の９割は起こらない』『放っておく力』などのベストセラー、ロングセラーがある著者ですが、今回の本は、「ゆずる」をテーマにしたもの。

『心配事の９割は起こらない』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837986110

『放っておく力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837987192

社会にもXにも、「譲れない人」というのがいるものですが、本書では、ゆずることによってわれわれが個人としても、社会としても豊かになれることを説いています。

古代ローマ成功の秘訣は「寛容」だったそうですが、どうも衰退してからの日本社会には、寛容さが欠けている気がしますよね。

では、どうすれば寛容さが身につくのか、どうすれば「ゆずる」ことをきっかけに社会全体が上手く行くのか。

本書では、その秘訣を説くため、仏教の教えが紹介されています。

・「我欲」を「意欲」に転換する
・「させていただく」
・「これも何かの縁だ」と考える

どうすれば人々が健全な社会生活を営めるようになるか、チームや組織が良くなるか、精神面からアプローチしています。

ちなみに個人的に一番刺さったのは、この言葉。

＜主役はお金ではなく、自分自身の心＞

アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、「多くの人はお金儲けのために会社を始めるが、そうやって成功した人は多くはない」と言ったそうですが、人は心に従い、事業を始めるからこそ頑張れるし、結果として上手く行く。

そういう意味で本書は、お金よりも大事な美徳に気づかせてくれる本。

日本を再び元気にするメッセージにあふれた本だと思います。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

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「寛容」とは、「相手を受け入れる」意味で使われていますが、無条件に受け入れるのではなく、お互いのよいところを認め、ゆずり合いの心を大切にすることです

ゆずることは“手放す”ことです（中略）手放すと、その空いたスペースに「いいもの」や「いいこと」が入ってくるのです。これを、道元禅師は、「放てば手に満てり」と言っています

「切磋琢磨」から、私は畑で採れたジャガイモを思い出します。泥のついたジャガイモをバケツの中に入れてガラガラとかき回すと、お互いにぶつかり合って泥が落ちてきれいになります。自分だけでなく、共にきれいになっていく関係－－これが、「ゆずると皆が気持ちよく、明るくなる」ということ

「意欲」と「我欲」は紙一重。意欲にできれば、前向きに生きられます

勝ち負けにこだわるなら、「自分との勝ち負け」を大切にしてください。それは、自分の内に潜む“怠け心”との勝負です

「させていただく」という気持ちが「丁寧」につながる

心穏やかで生き生きと暮らすために、仏教では「身口意＝身業（身体）・口業（言葉）・意業（心）」の三業を整えることがポイントであると教えます

はじめは気の進まない仕事であっても、相手が喜んだり驚いたりする顔を見るのは楽しいもの

カール・ロジャーズが挙げた、話を聞
く側に必要な３要素
（１）共感的理解
（２）無条件の肯定的配慮
（３）自己一致

人間はお金のためだけに頑張れるものではありません。自分が苦しくなります。本来、主役はお金ではなく、自分自身の心なのだということを忘れてはいけません

人からよく見られたい、好かれたいなどというはからいの心を一切もたずに、無心に何かにとり組む姿は魅力的であり、人を惹きつける

「明歴々露堂々」という禅語があります。真理は探すものでも求めるものでもありません。すべてが、明らかに堂々とあらわれていることに気づきなさい、という意味です

忙しいときこそ「季節」を感じる

人を見るより自分を掘り下げて見る

ものの命を生かしきる

良好な人間関係を保つには、どちらか一方が損をしてはいけない

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悲しいことに、今の日本はお金を追いかけ、結局お金もそれ以上に大切なものも失った状態。

やはり国も人間も、お金よりも大切なものを目指すから、結果として成功し、豊かになるのです。

悪循環の日本を変えるために、ぜひ学んでおきたい思想だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『迷ったら、ゆずってみるとうまくいく』枡野俊明・著　クロスメディア・パブリッシング

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◆目次◆

はじめに
第１章　競うことをやめると、うまくいく
第２章　あれも、これもと「欲張らない」
第３章　はやく、はやくと「焦らない」
第４章　むだに「威張らない」
第５章　事物に「執着しない」
第６章　相手に「見返りを求めない」