【あの話題書に続編登場!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4562074264
本日ご紹介する一冊は、好評を博した『誰も農業を知らない』の待望の続編。
『誰も農業を知らない』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4562056134
船井総合研究所を経て、兵庫県三田市で専業農家に転じたという異色の経歴の著者が、農業にまつわるウソをバッサリ切り捨て、マスコミ報道やにわか専門家の農業論を退けています。
本書でメスを入れた「農業にまつわるウソ」は、話題性の強いものだけでも5つあります。
「競争を促すため、もっと民間に農地を開放すべきだ」
「IoTで生産性を上げれば人手不足は解消できる」
「競争力を高めるため交付金はやめるべきだ」
「食料安全保障のために食料自給率を上げるべき」
「無農薬こそサステイナブル」
前作には、素人よりもむしろプロからの賛同意見が多かったようですが、それぐらい裏付けがしっかりした内容です。
読んで、詳細を知れば知るほど、『誰も農業を知らない』のだということがよくわかりますね。
無知な政治家や活動家に、国家を滅茶苦茶にされないために、ぜひ読んでおくといいと思います。
もちろん、これから農業ビジネスに進出したい方、農業関係に転職したい方、農業で独立したい方にも、おすすめの内容です。
これからの農業ビジネスの、チャンスとリスクがバランスよく書かれており、ぜひ読んでおくといいでしょう。
今回のメインテーマは、農業のSDGsということなので、政策担当者や農業関係者が読んでも、役に立つ内容だと思います。
個人的には、最近野菜を作っている関係で、以前よりずっと腑に落ちました。
そう考えると、都会に住んでいるだけの知識人って、危ういですね。
さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
—————————-
食糧価格の上昇は日本人の賃金を確実に上げることになる
アメリカは現在不耕起栽培(農地を耕さない農法)を推進してこの難局を乗り越えようとしています。なぜ不耕起栽培が有効かというと、農地を耕さないと団粒構造が維持され、農閑期に草が生えているので強風が吹いても砂嵐は起きないからです。当然土壌の消失も起きにくくなります
これ以上夏の最高気温が上がってくると、農作業は夜に移行していっても不思議ではない
森林は大量の雨水を貯めてゆっくりと放出していく機能(緩衝性)を持ちます。森林の土が雨水を含んで保持するからですが、太陽光発電施設にはそんな機能はありません。降った雨の多くは地面にしみ込むことなく流れていきます。当然下流に流れる水量は増えます。また、斜面が水を多く含むと崩れやすくなります
運悪く悪徳業者に当たったら地域が長期間にわたって深刻な被害をこうむる危険がある
IoTによって劇的に生産性が上がっても、農家が足りなくなる
今起こっているのは、大規模農家ほど交付金漬けになっているという、当初の考えとは真逆の事態
土壌保全が戦略的に重要になる
ウクライナも戦争によって国土が荒廃しているのは確実ですから、戦争が終わっても生産を戻せるかわかりません
日本は水田が多いため、湿害に弱いことが多い畑作物を作る上では不利で収量も低くなりがちなのですが、条件的に不利な水田に植えても多収が期待できるよう作物の品種改良を進めれば、8億人くらいの食料は賄える
食料自給率が低くなるのは、畜産で必要になる飼料を輸入しているから
家畜を除いた、人間が食べる食品の自給率は案外高いのです。コメは100パーセント自給していますし、野菜も自給率は80パーセントほどです
水田から出るメタンや牛の「ゲップ」ばかりが問題にされ、メタンよりも質の悪い一酸化二窒素が問題にされない(中略)一酸化二窒素をやり玉にあげると、欧米のような畑作の多い国は稲作の多い国から叩かれることになるはずで、批判を避けるためにメタンの害を強調しているのかもしれません
無農薬はサスティナブルではない
—————————-
われわれの食糧を支える農業のサステイナビリティをどう高めるか。
国をあげて議論すべきことが、しっかり書かれています。
個人的には、こういうことをきっちり語ってくれるリーダーに、これからの政治を担って欲しいと思いますね。
きれい事ばかり言う活動家の「ウソ」を見破るために、これからの日本の農業を真剣に考えるために、ぜひ、読んでおきたい一冊です。
農業ビジネス、農業ビジネスへの投資、社会課題としての農業に興味のある方は、特に読むことをおすすめします。
———————————————–
『誰も農業を知らない2』有坪民雄・著 原書房
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4562074264
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0D7GR3DH8
———————————————–
◆目次◆
まえがき
第1章 農業の危機
第2章 SDGsと食料安全保障
第3章 どこまで可能か? 温室効果ガス削減
第4章 有機農業25パーセント目標は達成できるか、達成すべきなのか?
第5章 農家の持続可能性
あとがき
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。