2024年2月28日

『投資の教科書』後藤達也・著 vol.6426

【投資初心者にイチオシの一冊。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296001531

本日ご紹介する一冊は、元日経新聞の記者で、Xのフォロワー数が65万人、YouTubeのチャンネル登録者数が27万人、noteの有料会員が2.5万人と圧倒的支持を誇る、後藤達也さんによる投資入門書。

最初は、「こんな簡単なところから?」と思うほど初歩的な内容から始まりますが、終わってみれば損益計算書、貸借対照表の読み方、経済の主要指標の読み方、株式市場の読み解き方が過不足なく書かれた、素晴らしい良書です。

図解も入れた、文字組みのゆったりしたレイアウトでわずか300ページなのに、株で騙されないための基本がしっかり身に付く、これまでになかった投資の教科書です。

小難しい本を読まなくても、会計やファイナンスの基本がしっかりわかり、経済の大まかな流れが捉えられるようになる。

経済のビジネス、投資の基礎知識がとても簡単に身につくので、株に興味がなくても、社会人一年目からぜひ読んでおきたい内容ですね。

キャリアの早いうちに、この本に出合った若者は、とても幸福だと思います。

今は空前の株ブームですが、勝っても負けても、この意欲の高い時期に投資を体験し、本書を読んでおけば、ビジネスの大切な部分がしっかり身につき、その後のキャリアや投資スタイルに影響が出てくると思います。

企業が「攻めの経営」をしているかどうかを貸借対照表からどう読み解くか、バランスシートにのらない「資本」とは何か、ROE、PER、PBRをどう読むか…。

また、景気を判断するための指標である米雇用統計、CPI(消費者物価指数)、PCE(個人消費支出)、ISMの読み方、最近注目されているオルタナティブデータを活用する視点など、今勉強しておけば、一生使える基礎知識も丁寧に解説されています。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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「1カ月で○万円稼ぐ」「資産を2倍にする」といった野望を持たないことが大切です。「10年、20年のスパンでじっくり資産形成する」「仕事や生活に役立つ教養としての経済知識やセンスを身につける」といった少し達観したくらいの構えがよいと思います

株価は「現在より未来」を見て決まる

売上高と営業利益はまさに本業の稼ぐ力を表したもの

優秀でクリエイティブな人材が集まっていても、人数が少なければ人件費の総額は抑えられます

ではなぜ純利益が大事なのでしょうか。それは純利益こそが株主のモノだから

純利益のうち何%を配当に回すかの比率を配当性向といいます

とても有望なビジネスがたくさんあるならば、借金をしてでも事業拡大すべき

バランスシートにのらない資本や資産
・従業員
・ブランド
・顧客
・変化への対応力
・フォロワー

ROEは、1年間の純利益を資本(純資産)で割って算出します。株主の持ち分である資本をいかに活用し、利益に結びつけているかを示している

日本の上場企業のROEは8%程度が中央値で、5%前後のところも少なくありません。アメリカでは20%程度が一般的です

低PBR企業は「無駄づかい」が多い

コロナ以降は物価や賃金の状況に注目が集まっています

オルタナティブデータはコロナ禍に一気に普及しました。たとえば、米レストラン予約サービスのOpenTableは、予約件数を日々集計しており、「前年同日比」を全米の州別に公開していました。レストランの利用状況はコロナ禍の外出状況をつかむのに非常に参考になり、きわめて速報性も高く、多くのメディアが報道に活用しました

会社の実体はほとんど変わっていなくても、買いたいという人が多いかどうかで、株価は大きく動く

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シンプルながら読ませる文章で、投資の基本が面白いほど自然に頭に入ってきます。

必要な情報は適宜図解や表でまとめているので、視覚的にもわかりやすく、後から見返すことも容易だと思います。

これから企業研修で採用される様子が目に浮かびますね。

ぜひ、読んでみてください。

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『投資の教科書』後藤達也・著 日経BP

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◆目次◆

はじめに
第1章 投資が欠かせない時代に入った
第2章 株・会社・決算……そもそもから考え直してみよう
第3章 株価はなにで動くのか
第4章 中央銀行は金融市場の心臓
第5章 投資をはじめよう
おわりに

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