【傑作。史上最高齢国防長官が集めた格言集】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4908327173
本日ご紹介する一冊は、アメリカの政治家、官僚、実業家として活躍し、ジョージ・W・ブッシュ政権下では、史上最高齢で国防長官に就任した著者による、格言集。
著者には、若い頃から政治関連の教訓や格言を集める趣味があり、その教訓はやがて「ラムズフェルドの人生訓」として歴代の大統領、ホワイトハウスのシニアスタッフに配られるようになったそうです。
本書はその「ラムズフェルドの人生訓」をまとめたもの。
シニカルで経験豊富な著者だからこそ書けた処世の術で、文章がとにかく面白い。
最初「格言集か」と冷めていた土井も、内容が核心を突きすぎていて、途中でゲラゲラ笑い始めたほどです。
日本人は軍人の書いたものを好まない傾向があるので、本書も売れるかどうかわかりませんが、これは一読の価値ある処世術本だと思います。
実業家としてフォーチュン500企業のCEOも務めた著者なので、内容はビジネスパーソンにもきっと刺さると思います。
どうやって上司に進言するか(ラムズフェルドが進言したのは歴代大統領だった)、何を語り、何を語ってはいけないのか、リーダーとして意思決定する際に重要なことは何か、戦略を考える際のポイントは何か……。
特に部下・フォロワーとしての勘所がよく書かれている本だと思います。
本書のオビには、ヘンリー・A・キッシンジャーの推薦文があり、そこにはこう書かれています。
<したたかで分析力と説得力に優れたドナルド・ラムズフェルドは、米国政界でも類まれな人物だと言える。その彼が学び、集めた格言や教訓だ。これがおもしろくてためにならないはずがない>
ゼロからトップに上り詰めたいと考えるすべての人に、読んでいただきたい一冊です。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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頂上から学ぶ気持ちをもって底辺から始めろ
上司になるべく多くの選択肢を渡そう。厳しい決断をしなければならないのは上司なのだから。やさしい判断なら下の人間がすればいい
上司がまちがったほうに行きそうだと思ったときや、上司のやり方に異論がある場合は、「こういう面は検討されましたか」「こういうやり方はいかがでしょうか」「マイクに相談はされましたか」みたいな言い方がいいだろう。対決したりバカにしたりしてもいいことはない
立って仕事をすることには、来訪者が必要なことだけに絞ってくれて話が長くなりづらいというメリットがある
最終段階で関係者となる人には最初からいてもらったほうがいい
かたくなな反対は、「聞いてないぞ」とへそを曲げているだけのことが多い
ーーパット・モイニハン
待たせるとあら探しをされるものだ
ーーフランスの格言
会議の最後は「忘れていることはないか」で締める
才人は誰も射ることのできない的を射る天才は誰にも見えない的を射る
ーーアルトゥール・ショーペンハウアー
リーダーは、どれほど優秀でも、自分が代えのきかない存在などではないことを念頭に置いておかなければならない。トラックにひかれることだってあり得る
時間をかけてがっちりできあがった組織を変えようというとき、その組織の人間をトップに据えてうまくいくはずがない
見えるものに目をつぶるな。
ーーロナルド・レーガン
大事な決断をするときは、選択肢をまとめてみるといい
大きな驚きは人々の行動を変える
自分なら絶対にしないことを相手が絶対にしないと絶対に思わないこと
ワニに囲まれると、もともとその沼を干拓するために来たことを忘れてしまいがちだ
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ドナルド・ラムズフェルド氏は、2021年に88歳で亡くなりますが、本書は彼が長い人生の間に集めた、珠玉の格言集です。
政界の大物たちとのやり取りのエピソードも面白く、自信を持っておすすめできる内容です。
ぜひ読んでみてください。
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『ラムズフェルドの人生訓』ドナルド・ラムズフェルド・著 井口耕二・訳 オデッセイコミュニケーションズ
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4908327173
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◆目次◆
PROLOGUE
はじめに
CHAPTER0 「継続は趣味」、わたしが「続ける」ことが好きな理由
CHAPTER1 続けることへの「苦手」をなくす
CHAPTER2 続けることは「仕組み」がすべて
CHAPTER3 続けることで「やり抜く力」は身につく
CHAPTER4 続けるだけで「自分は変わる」
CHAPTER5 続けることで「夢中になれること」を見つける
CHAPTER6 続ける中で「見つけたもの」
EPILOGUE 続けることからはじめよう
あとがき
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