【感動の投資&生き方本。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152102519
本日ご紹介する一冊は、金融ジャーナリストの著者が、30年にわたり世界中の一流投資家にインタビューした成果をまとめた処女作。
チャーリー・マンガー、ハワード・マークス、ジョエル・グリーンブラット、サー・ジョン・テンプルトン、モニッシュ・パブライなどへのインタビューから、投資で勝つために必要な哲学や、お金持ちになった後、幸せに生きるための秘訣を導き出しています。
どの投資家も、グレアムやバフェットの投資法がベースにあるのですが、少しずつ戦略や哲学が違っていて面白い。
著者の丹念な取材により、それぞれの人物の半生や成功した投資のエピソードが書かれており、原理原則や哲学だけではわからない、深い思想や判断を学ぶことができます。
原題は、『RICHER, WISER, HAPPIER:How the World’s Greatest Investors Win in Markets and Life』で、タイトル通り、投資と人生で勝利する方法を書いた内容。
『RICHER, WISER, HAPPIER:
How the World’s Greatest Investors Win in Markets and Life』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08FXTLBH2
インドの質素な家庭で育ち、バフェットを模倣して大成功したモニッシュ・パブライが言う「内なる採点表」の話、テンプルトン卿の孤独をいとわない投資姿勢、ハワード・マークスの投資ルール、グリーンブラットの売買ルール、一見遠い教養から投資チャンスを見つけるローラ・ゲリッツの流儀など、どれも読み応えある内容で、400ページがまったく苦になりません。
エピローグ「富の向こう」の結びに書かれたバン・デン・バーグのエピソードは、タイトル通り、人生で一番大切なものが何かを教えてくれます。
ここまで豊かなエピソードと実践的な知恵を集めてくれた著者には、感謝するしかないですね。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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「夢中になるな、リスクをとりすぎるな、コストは低く抑えよ」(ジャック・ボーグルが師であるウォルター・モーガンから学んだ投資の教え)
傑出した投資家というものは一匹狼の考え方をする人たち
有利でないギャンブルははじめからやらない
あれこれと動いでもいいことはない。投資とはたいてい、損をするより儲ける確率がはるかに高くなるレアな瞬間まで待てるかどうかが物を言うのだ
大成功する人はほぼすべてに対してしない決断ができる
バフェットの「主要な掟」のひとつ、事業内容が「自分が理解できる範囲」に収まる企業に絞って投資すること
みんな内なる採点表をもっていたからこそ、頂点を極めることができたんだ(パブライ)
「ほかの人にはわからない真実と出会ったら、けっして手放してはいけない」(パブライ)
第一に幸運であれ、第二に謙虚であれ
学術的な議論を学ぶうちに、マークスはシンプルだが人生を変える教訓を引きだした。投資家としての価値をあげたいのなら、最も効率のよい市場は避けて、より非効率な市場に専念すべきだと
重要なのは不良債権を背負わないことだから、信用して貸せる相手かどうかを第一に問う。返済がない場合には債権者は相手資産に対して優先的な請求権を行使できるので、資産に充分な価値があるかを第二に問う
どちらの事業もいまから真似するのはむずかしく、マクレナンの言う「平凡な希少性」がある
ゴッサムが成功した理由をグリーンブラットに訊いたところ、真っ先に「小ぶりのままでいたこと」をあげている。二つ目は、ポートフォリオの集中度がきわめて高かったため、「いいアイデアが少しあるだけでよかった」ことだ
「私が買うのは優良企業の株だけど、危機に見舞われた国で優良株を見つけて買うことに惹かれる」(ゲリッツ)
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これが著者の処女作だそうですが、2023年8月21日現在、3692レビュー、星4.7と高く評価されています。
取材熱心で文章も面白く、これから期待の書き手になりそうですね。
ぜひ、読んでみてください。
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『一流投資家が人生で一番大切にしていること』ウィリアム・グリーン・著 依田光江・訳
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◆目次◆
序 章 投資家は何を考えているのか
第一章 ウォーレン・バフェットの模倣者
第二章 孤独をいとわない
第三章 すべては変化する
第四章 倒れない投資家
第五章 シンプルは究極の洗練
第六章 ニックとザックの大冒険
第七章 ハイパフォーマンスを生む習慣
第八章 愚行をつぶす
エピローグ 富の向こう
謝辞
訳者あとがき
補足と参考文献
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