【実家を相続するすべての人に。】
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本日ご紹介する一冊は、実家の空き家をどう活用するか、プロが指南した注目の一冊。
著者は、収益不動産の経営コンサルタントで、一般社団法人全国古家再生推進協議会顧問の三木章裕(みき・あきひろ)さんです。
空き家は、放置しておくだけで年間コスト50万円以上。
今は、10人に1人が空き家所有者とも言われていますから、この問題、他人事じゃないですよね。
本書では、実家の空き家を、「売る」「使う」「住む」「貸す」の4つに分けて、具体的ノウハウを指南。
著者が実際に関わったケースが詳細に書かれているので、イメージが湧くと思います。
今はまだ関係ないと思っている人も、後からでは対処できないことがあるので、転ばぬ先の杖として読んでおくといいと思います。
本書が面白いのは、単なる相続の話ではなく、空き家を活用して起業をしたり、副業をしたり、面白い活用法を提案している点。
事例も豊富なので、ローカルビジネスのヒントとしても読めると思います。
不動産のプロとして、実感が売却向きなのか、その他活用を考えた方がいいのか、需要予測の視点も提供されているので、興味深く読むことができると思います。
空き家売却に絡む税金問題や、活用を考えた時のリフォーム、マーケティング、その他のノウハウが示されており、思ったよりも踏み込んだ内容でした。
実家の処分は、思い入れや兄弟の干渉、遠隔地を往復することへの煩わしさなどから、後回しにされてしまいがちですが、本書の視点なら、エンターテインメント感覚で楽しむことができると思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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放っておいてもかかるコスト(一部紹介)
・雑草刈りや郵便物の回収など、日常の維持管理に手間と費用がかかる(概算年12万円)
・固定資産税の支払い(概算年10万円)
・火災保険が空き家のため割高(概算年10万円)
・行政から「特定空き家」指定されると、固定資産税が6倍に(税制の優遇の廃止)
超有効活用術には、【売る】【使う】【住む】【貸す】という大きく4つのパターンがあります。この順番は、「空き家」所有者のあなたの手元にお金が残る順番でもあります
地元ニーズを考えながら、一番マッチする方法を検討する
「3000万円の特別控除」という特例が続く限り、親が住んでいた家は、1981(昭和56)年6月までに建築されたものなら、とにかく売却から検討してください
まず、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」というサイトを開く
物件売買の可能性判断基準は、少なくとも「市区町村」で、2年間で3桁以上の不動産取引情報があること
同じ価格帯の物件より「質」を高める
自治体が運営する空き家バンク制度を利用すると、その地方に住みたい方や移住したい方に紹介してくれます
「売るための工夫」13選
(1)家財は片付ける
(2)芳香剤などを要所に置いておく
(3)電灯をつけて明るくして、たくさん写真を撮っておく
(4)ホームステージングで高く売る
(5)電気は解約せずに使えるようにしておく
(6)内見の方用に、現地にキーボックスなどを設置
(7)売却は1社ではなく、複数の不動産業者に依頼
(8)物件自体にも売家の看板をあげておく
(9)壊れたり、割れたり、破れたりしているところは修繕する
(10)庭木は思い切って切っておく
(11)ご近所には挨拶しておく
(12)地元の親戚や知り合いには、売却することを伝えておく
(13)境界を確定、実測面積を出しておく
貸すための工夫6選 ※一部紹介
・家具・家電付きにする
・ステージング(部屋に家具などを設置)
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最後が、著者が顧問を務める一般社団法人全国古家再生推進協議会と、著者が始めた空き家解決エージェントの宣伝で終わっているのが残念ですが、空き家を活用したい方にとっては、必要な情報が過不足なく記されています。
思い入れのある実家を生かしたい、でも無駄な経費を使いたくない、空き家相続人のメンタル面もしっかりフォローされており、良い内容だと思いました。
ぜひ、読んでみてください。
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『実家の「空き家」超有効活用術』三木章裕・著 フォレスト出版
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◆目次◆
はじめに 10人に1人が空き家の所有者になる時代
第1章 実家の「空き家」の悩みを解決する4つの方法
第2章 まとまったお金が手に入る「売却」
第3章 辺鄙な場所でもアイデア次第「使う」
第4章 「自ら住み暮らす」決断をしたら……
第5章 空き家に働いてもらう「賃貸」
第6章 空き家の「潜在能力」を探る
第7章 空き家を生み出さないために
第8章 「空き家」は新しいビジネスマーケット
おわりに 「空き家」があなたを救う!
参考文献
謝辞
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