【落合陽一氏の読書術】
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本日ご紹介する一冊は、メディアアーティスト、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授として活躍中の落合陽一さんによる読書術。
<ネットメディアと本の使い分け方>
<「借り物」の教養と「本物」の教養の違い>
<目次は読まない>
<つまらない本をフィルタリングするための「口コミ」活用術>
など、興味深い見出しが並んでおり、読書好きには気になるところです。
著者独自の読み方はもちろんですが、名著をどう読むか、どう教養やセンスを身につけるかというところがよく書かれており、勉強になります。
これだけでご本人ができあがっているわけはないと思いつつも、「古典から哲学・理工書・小説まで 落合陽一をつくった27冊を紹介」は、やはりチェックしてしまいますね(笑)。
本を「材料」「主張」「(伝える)方法」という3つに分けて見ると、その本の構造や著者の思考回路がよくわかる、という主張にはなるほどと思いました。
著者は、読んだ本全体の10%くらいが頭に残るくらいでちょうどいいと考えており、特に読書ノートやメモも取らないようです。
むしろ、「出典が明らかではなくなるまで頭の中で混ざり合っているからこそ、新たな閃きが降りてくる」と主張しており、これが『忘れる読書』の意味するところのようです。
この感覚、よくわかりますね。
読書を通じて、センスや脳内回路を書き換える、そんな読書術が説かれており、興味深い内容です。
本文のなかから、さっそく気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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「持続可能な教養」とは、まずは物事を「抽象化する思考」を鍛えること、そして次に「気づく」能力を磨くことではないかと私は考えています
冒頭で、教養とは「抽象度の高いことを考える力」と「知識と知識をつなぎ合わせる力」であり、それらを磨くには読書が最適だと書きました。これはアーティストが日々使っている「自分でストーリーを練り上げる力」とほぼ同義
グローバルに活躍したいと考えるなら、「1教科だけ1万点」を目指してほしい。読む本も「傾斜配点」して、ある分野だけは家じゅうにいくつもの本のタワーができるぐらい読み込んでほしい
「ビジョン」「ミッション」「課題」「方法」を念頭に古典を読む
問題解決のセンスを磨くのに最適な一冊が、『いかにして問題をとくか』(G・ポリア著)
内面を掘り下げる本とは対照的に、宇宙ぐらい遥か彼方から地球上の「人間様」の営みを眺めるような、「遠いまなざし」による読書も取り入れたい
広義での「資本」をどう効率的に集めるかという方法論をあらゆるところでうまく使える人、速度の速い人が、今の世の中では勝ち残ります
ケヴィン・ケリーの「人間に価値がある疑問」を投げかけるための5つのキーワード
「もしこうなら(What if)」
「これはどうだ(How about)」
「どうして(How come)」
「こうしたらどうなる(What happens by doing this)」
「あっちならどうだ(What about that)」
本はこれからますます「高額・少部数」の時代へ
1億人が4億種類の仕事をする時代
読書で自分の熱を探す
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オビには「デジタル時代の真の教養を身につける本の読み方」と書かれていますが、まさにデジタル、アナログ双方を駆使して自分のセンスや脳内回路を再構築する読書術。
今の時代感覚にはピッタリなのではないでしょうか。
著者独自の時代の読み方なども示されており、興味深い一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『忘れる読書』落合陽一・著 PHP研究所
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◆目次◆
はじめに
第1章 持続可能な教養ーー新しい時代の読書法
第2章 忘れるために、本を読む
第3章 本で思考のフレームを磨け
第4章 「較べ読み」で捉えるテクノロジーと世界
第5章 「日本」と我々を更新する読書
第6章 感性を磨く読書
第7章 読書で自分の「熱」を探せ
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