【起業の前に、会計の基本を】
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「起業半年で会社をたたまないといけなくなった…」
「投資が回収できないまま、店が潰れた」
こういう話をたまに聞きますが、多くの場合、ビジネスの選択基準がわかっていないのと、収支のシミュレーションが甘いのが原因です。
あまりに慎重になって行動できないのも問題ですが、やはり起業する以上、最低限の会計と潰さないための考え方を身につけたいものです。
本日ご紹介する一冊は、公認会計士・税理士で、自らも地元・八戸で「ドラゴンラーメン」を経営する著者が、ラーメン屋の経営を例に、起業家に必要な会計知識を説いたもの。
儲かりやすい商売の条件や、集客、コスト管理のポイント、倒産させないための資金繰り、交渉力、参入障壁の重要性などが説かれており、起業する人は最低限押さえておきたいポイントが過不足なくまとめられています。
読めば読むほど、飲食店で起業するのは困難なことがわかりますが、ラーメン屋の差別化・ブランド化のポイントなどは、他の商売でも参考になると思います。
普段、熱心にビジネス書を読んでいる方、大学で経営学を専攻した方にとっては、常識的なことが多く書かれていますが、基本すらわかっていないという方には、とても親切な一冊だと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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飲食店は参入のハードルが低いため、競争が激しく失敗も多い
来客が予想より少ないと、業種によっては在庫ロスが発生します。食材が腐った場合は捨てることになり、その分の仕入代金は丸々損になってしまいます
「○○の分野に強い」といった特徴がなければ報酬の価格帯は抑えられており、単価を大幅に上げることは難しい
倒産の原因は赤字がたまることではなく資金がなくなること
売上を増やす要素は「顧客数」「売上単価」「回数」の3つのみ
二郎系の大きな特徴は、店内ルールによる高回転の維持
混雑が前提の店では、滞在時間を長くするメニューは提供できません。一方、空いている町中華は、だらだら飲んでもらうことが店にとってメリットです
具体的な数字で考えてみます。二郎系は1杯1000円で原価率40%、高級志向店は1杯1500円で原価率40%、町中華は1杯700円で原価率30%に加えて、原価率20%のおつまみと酒を1人2800円分頼むと想定します。この場合、1人あたりの限界利益は、二郎系が600円、高級志向店は900円、町中華は2730円です
儲けをたくさん残すには
・固定費を下げること
・限界利益を増やすこと
限界利益を増やす3つの方法
・価格を上げる
・変動費を下げる
・売上機会を増やす
堀江貴文氏の「商売の4原則」
1.利益率が高い
2.在庫を持たない
3.定期的に一定額の収入がある
4.少資本で始められる
どのビジネスでも、訴求力とブランド力を兼ね備えた強い商品を作ることが、安定経営の王道
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いろいろと勉強になることが書かれていますが、「二郎系」「高級系」「町中華」で儲け方がどう違うかのシミュレーションは、商売をやる上で、ぜひ理解しておきたいところ。
「業界が一緒でもビジネスモデルが違う」ことが武器になることが、よくわかる内容です。
起業の基本を学びたい方は、ぜひ読んでみてください。
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『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』
石動龍・著 日本実業出版社
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◆目次◆
第1章 ラーメン屋経営から「会計」の大切さを学ぼう
第2章 1杯のラーメンからどう利益が生まれるか?
第3章 ラーメン屋にとって有効な「お金の使い方」
第4章 ラーメン屋経営から学ぶ「上手なお金の残し方」
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